Doi-tei dayori of twin-soul-doi

gaikan.pngTwin-soul-Doi 土居邸

HOME > Doi-tei dayori

2017.07.17 ミニライブ の ご案内

2017年7月17日

土居邸のお客様であり、真空管ラジオ愛好者でもある 杉本さんの友人 榊 義弘 氏は奄美大島在住の釣り好きシンガーソングライターであります。そして、何故か高知の水と魚が大変お気に入りとかで8月末にやって来ます。
そこで釣りの合間にライブを企てました。

8月26日 (土曜日)
 6時30分 開場  7時 開演
  前売り ¥2,500 (手前連絡だけでも前売り扱い)
  当 日 ¥3,000
 (アイスコーヒー 又は 佐川町産 烏龍茶 付き)

sololive.jpg

お問い合わせ や 予約の連絡先は
1 土居邸(井上)  携帯 090 1177 6605
2 杉 本    携帯 090 8974 8310 まで。

なお、土居邸におきましては、7月20日 より20日間ほど休店いたします。明治22年の建設ゆえ、傷んでいる箇所の点検補修が必要になりました。ついでに 夏休み + お盆休み を加えて人生初の長期休暇とあいなりました。

2017.06.29 石つき さん

2017年6月29日

私の知り合いの父君の職業は 石つき といって石を積み上げて壁や塀に仕上げます。全国を渡り歩いての仕事だったらしく、ほとんど家には居なかったようです。ダム建設や城などの補修にも携わっていたとのことです。

ここでちょっと気になること有り。石つき という言葉は全国区なのか? そこで 広辞苑 の登場。載ってない。
広辞苑こそが日本語であると思い込んで数十年の脳の判断は 方言 か 古語 のどちらかであろう。しかし、現代の土木技術 やコンクリート以前は木の文化全盛とはいえ、色々な所で石は重要な位置を占めている筈。だって城は日本中にあるし、この城壁こそ 石つき さんの腕のみせどころではないか。なのに 石つき が無い。

ishituki.png

今回何故にこのような展開になったかというと、お客様のFさんから石つきさんの仕事道具を頂いた。手作りっぽい木の箱に入れてあります。
写真が道具のすべてとは思いませんが、これに玄翁(げんのう)といった鉄製の槌などが大小とりまぜてあったくらいにしか想像できず、匠たちの技にまでまったく至らない。

土居邸の外壁もレンガと御影石の部分があり、明治22年の建築ですのでやはり石つきさんの仕事ではなかろうか。
田舎を走っているとこのような石垣があちこちに残っていますが、この写真の石垣はここの家人が積み上げたもので、石つきさんの仕事とは違いますが植物や虫たちに優しそうな表情がとてもいい。

石は有史以前から石のままであり、これからも変わらず石のままであり続けますが、コンクリートは二、三百年あたりが寿命らしいのでこの先どうするんだろうネ?
ちょっと硬い話になりかかったけどしょうがない。なにせ石のことだからね。

2017.06.10 またもや子スズメ

2017年6月10日

厨房で音がする。
何だろうと覗いてみると子スズメがいる。カメラを取りに行ってる間に庭のツゲの木に。普通鳥はこのような葉の上にはとまらないけど、巣立ったばかりではしょうがない。鳥だって上手く飛べるようになるのには訓練の時間が必要なのです。

P1020281.JPG

土佐では巣立ったばかりの小鳥を たちこ(立ち子?) と呼びます。一番身近に見られるのはツバメで、親と一緒に電線に並んでとまっています。親と比べてほんの少し小さいので たちこ だと分かります。

広辞苑 で たちこ を探してみる。載ってない。こりゃ方言なのか? それとも鳥だけに特化した言葉なのか?そこで 犬専用言葉の おすわり をひいてみる。 載ってない。しからば お手 はどうかなとひいてみる。

御手(おて)
1 手 の丁寧な言い方。  2 人の筆跡の尊敬語 3 犬などに前足をあげさせること
1 と 2 の意味があるので おて は載っていた。
「ふ~~~~ん。そういうことか」

今日も 子スズメ でちょいと楽しんだ。気がつくと たちこ は無事に飛んで行ったとみえて姿が無いが葉の上に糞。
立つ鳥跡を濁したんだけど・・・・・・・まあいいか。

2017.05.21 音の中にそれぞれの時間

2017年5月21日

お客様なのに。
店主が勝手に土居邸音響責任者と呼んでいるYさん。彼の自作である真空管アンプを通った音で今宵を楽しもうを昨晩行いました。
女性二人を含む八人で三時間の CD&レコード コンサートでした。Yさんはこの日のために真空管アンプを製作し、デジタルとはこんなに違うんだもんねを聴き比べれるCDやレコードを準備して、細かな解説入りの大音響三時間でした。

P1020264.jpg

女性二人と店主以外の五人はそれぞれにオーディオに深い造詣をお持ちで、専門用語が飛び交い、五人の納得する場面が三人とは明らかに違う。話が見えない時はひたすらニコニコするのが生き残る道なので、店主はただ笑うだけ。

今回はJAZZ がメインのメニューでしたが、いろんな音楽を聴く会も持ちたいと考えてますので次回をお楽しみに。ただし、Yさんがアンプを製作するのにかなりの時間を要しますので次は秋頃になりそうです。
なんぼおしゃべり爺さん店主とて、音を言葉で説明するのは難しおます。よって今回聴いて頂いた方々の中に響いたものが、それぞれ特有の時間だったということ。
Yさんと来て頂いた方々に感謝。

2017.04.30 お客様に生かされているを実感す

2017年4月30日

辛口コメントが渋い男には必要であると勘違いしている土居邸店主。ところが、あにはからんや大甘党でして、甘いものには決して優劣は付けず、和洋などと面倒くさいことは一切言わず、アリにおすそ分けなどとはこれっぽちも思わず、満面の笑みと共に頬張る姿の行く末は糖尿病が約束されてるかも知れんて。

開店以来のお客様で、来店の度に土居邸を彼女のブログで紹介して下さるNさん。
このNさんのブログはファンが沢山いらして、Nさんのブログを見て来ましたというお客様が結構いらっしゃいます。そこで店主は密かにNさんを土居邸広報部長と呼んでいます。昨日そのNさんがお土産と一緒にいらっしゃった。いつも美味しい甘いものを届けて下さるのですが、今回は羊羹の中で店主が一番好きな大月町の「柿羊羹」が一緒。

お土産.jpg

以前、この柿羊羹、松山の薄墨羊羹、窪川の塩羊羹、東京虎屋の羊羹が一緒に手元に揃う機会がありまして、銘柄を隠して「どの羊羹が一番美味いかコンテスト」をしました。
その時堂々一位を獲得したのがこの 柿羊羹 だったのであります。
柿羊羹を見た店主のお礼の言葉は『これだったら一回に一本食べれます』Nさん笑いながら「どうぞ一人で一本食べてください」
いつもありがとうございます。

さて二番目の写真。
Mばあちゃんが「これ食べて」と持ってきてくださった。最近御主人の耳が遠くなり日常会話が減ってきた。このままではボケるかもしれんとおしゃべり店主とのボケ防止対策会議に週二回の御来店。
いつもありがとうございます。

最後はドクターFご夫妻 。
先日の来店の折に『実は入浴中にクシャミをしたらぎっくり腰になっちまった』という店主の言葉に、腰痛に効くという マタタビ酒 を持ってきて下さった。どうも血行を良くし内側から治す効果があるとおっしゃる。ハードボイルド男の飲む酒はやっぱりバーボンだろが。そう言っていたのを知ってか知らずか OLD CROW というバーボンのビンに マタタビ酒。こいつは効くに決まってるぜい。
いつもありがとうございます。

優しいお客様。店主これでもう少し生きていかれます。

2017.04.23 子すずめ奮闘記

2017年4月23日

昨日のこと、庭のカクレミノの葉の中で鳴き続ける鳥あり。
何事かと探してみても見つけられない。用事を片付けていると今度は地面で鳴き出した。なんとこれが写真の子スズメ。 近寄っても逃げずに泣き叫んでいる。どうも巣立ちをしてなんとかカクレミノまではたどり着いたが落ちちゃったんだな。ジタバタしながら必死で親を呼んでいる。飛んではみても最初は1メートルほどしか上がらない。

P1020257.JPG

さてどうしたもんかと思案してると屋根に親らしきスズメの姿。こちらも鋭い声で鳴いている。「こっち、こっち、がんlばれ、がんばれ」と聞こえる。ジタバタ子スズメなんとか飛び上ろうと頑張る。少しずつ高さを稼ぎ出したがすぐに疲れて地面でうずくまっちまう。捕まえて屋根に乗せるのは簡単だけれど、人間が触れた子は親が飼育放棄をするなんて話を思い出して見守ることにした。

ここで来客あり。しばし喫茶渡世の後に庭を探してみるが見当たらないし鳴き声もしない。
裏の駐車場に出てみると、隣家の塀の上にいた。高さ2メートルほどはあるのでかなり頑張ったとみえる。お客様と遠目に見ていたがすかさず親が飛んできて寄り添った。この辺りには野良猫がいるのでちょっと心配してたが、もう大丈夫であろうと店に戻った。
特別何かした訳でもないのに顔を見合わせて心から笑った。

どんくさい子すずめ自力で親の元に帰る顛末でした

2017.04.17 春ですぞ

2017年4月17日

二十四節気とは陰暦で五日を一候とし、三候を一気として1年間を二十四気に区分したものです。立春 や 夏至 に 大寒 などもこの二十四節気のひとつです。
その中で昆虫大好きおじさんは虫が姿を見せ始める頃とした 啓蟄 と 歳と共に寒さが身にこたえだしたという理由で雨毎に気温が上がってくる早春の 穀雨 が気に入っています。

P1020253.JPG

土居邸の小さな庭で花を咲かせるものといえばサツキと写真のドウダンツツジ。そのドウダンツツジの白い花が満開です。小さな花が下を向いて咲くからなのか、見る限りあまりチョウ達が蜜を吸いにくる姿を見かけません。
蝶や蛾に特化したファンは彼らの食事所である花にも詳しいのですが、なんもかんもまとめての虫ファンは、虫がそこに居るだけでいいというレベルにあります。
ようするに甘いものだったら分けへだくなく全部好きだし食べちまうということです。

それでもこの小さな可愛い白い花が咲くと、確かにいよいよ春が来ましたなあと思いつつ寒さに震えていたご同輩に『上着を脱いで外へ出ようではありませんか』などとと言ってみたりして。

その昔、北国の友人の口癖は「春が来たら」だったのですが、その時には『こんな簡単なこと今決めろよ』と憎たらしく言っていた。
今おじさんは春をどれ程心待ちにしているか。 人間は経験でしか賢くならないそうなので、ただ馬齢を重ねただけであるのに、それを経験に置き換えて納得した次第であります。

2017.04.09 アナログ音楽会

2017年4月9日

お客様でもあり、マスターが勝手に土居邸音響責任者と呼んでるYさんはなんと真空管アンプを自作します。音源がこのアンプを通るとデジタルとは明らかに違う良い時代の響きになります。
今までに何回か真空管アンプを持ち込んでくださり、昔は良かったが口癖のおじさん達でCD & レコード コンサートを楽しんできました。
心優しいYさんはこのアナログ音楽会を定期的に催し、少しでも土居邸の助けになればということで、「珈琲飲みながら真空管アンプの夕べ」第1回 を開きます。

5月20日 (土) 午後6時 頃より 土居邸において。¥400 (珈琲代)です。

自宅では小さい音で聴いてるお気に入りの CD 及び レコード がありましたら当日お持ちください。土居邸ではかなり大きな音で聞けますので新しい発見があるかも。

P1020251.JPG

写真は カーラ ボノフ (USA) という歌手 と 真空管です。何も意味はなく、ただ美人であるということだけです。ここいらへんがおじさんたる所以であります。
ちなみにこの 真空管 & レコード はおじさん達の一人であるMさんに頂いたもの。

何もしないし、何も出来ないマスターが実は一番楽しんでるという噂があります。はっきり申しまして『そのとおり」

慎んでお知らせいたします。

2017.03.28 こばん

2017年3月28日

開店以来のお客様で、おしゃべりマスターの取り留めのない話に優しく付き合って下さるFご夫妻との会話。
Fさん「我が家にほこりまみれの こばん があります。確か祖父の手作りだった」
マスター『是非、見せてください』
後日三つの こばん を持ってきて下さった。どれも実に細い竹ヒゴで見事に作ってあります。重ねてある下の こばん にはモズ除けの金網カバーが取り付けてあります。

P1020237.JPG

ところで鳥籠のことを何故 こばん と呼ぶのかしら?
現在の鳥籠は鉄製だったりプラスティック製だったりするので こばん が似合わない。
辞書で探してみても見つからず、これはどうも方言かもしれんとあたってみた。県中西部の中土佐町(土佐久礼)界隈で使われていた土佐弁で こばん=鳥籠 のこととある。何故そう呼ぶかは記述がない。しかしこの繊細かつ小鳥たちに優しそうな鳥籠は こばん と呼ばれるのが一番似つかわしいと思った次第。

P1020238.JPGP1020239.JPG

怪しげな日本語が増えて爺さんの脳みそが戸惑ってる昨今、古い方言ではあるけれど言い得て妙という雰囲気を味わった こばん 。
Fさんと こばん に 『感謝感激雨あられ』 今は誰もこんなこと言わんがね。
「ヤバい、チョー嬉しい」 やっぱり こばん に似合わない。

2017.03.20 スズメの寿命

2017年3月20日

土居邸の庭にこの木があります。
名前は カクレミノ といい頻繁に小鳥たちが訪れます。年間を通して圧倒的にスズメが多いのですが、冬にはジョウビタキ、春にはメジロの姿が見られます。季節ごとの鳥たちの滞在時間はさほど長くはありませんが、スズメは入れ替わり立ち代り賑わっています。

P1020230.JPG

常緑のこの木がカクレミノという名前の示す通り、小鳥たちにとって安全な場所であるのかもしれません。土居邸を始めて10年が過ぎました。最近は私が庭に居ようと、この木の下を通ろうとスズメたちはほとんど気にせず大騒ぎしています。
しかしお客様にはこれが当てはまらない。さすがにこれっぽっちも人間を信用してなくとも10年の月日は「とりあえず こいつだけは大丈夫」との判断をしたとみえる。

ところがここで以前読んだ本に野生のスズメの寿命は3年とあったのを思い出した。
各個体を判別できるほどは親しくないので、騒いでいるスズメたちがいったい誰なのか分かりません。しかしだ仮にスズメの寿命が3年だとすると、今日集まっているのは子や孫の世代ということか。一度も子スズメの姿を見かけたことないのにどうして?
親がちゃんと教えているのか、それともDNA に組み込まれているのかすごく気になる。

哲学者が昔から不思議がってることがあります。
なぜ小さい子供は ワンワン と ニャンニャン の区別がつくのかという問題。チワワ でも でっかい ドラネコ でも間違えない。どちらが犬なのか猫なのかで悩んでいる大人はいない。
先天的に分かっている。もし、オオカミとイヌ、ネコとトラ の区別ができないと自然で生きていくのが大変じゃないか。この話からスズメの繁栄には人間の及ばぬ叡智があると感じた次第。

内よりも外に生きよう。そうすることで何か未知の力が得られるかもしれない。
これだな。

2017.03.16 一枚のコイン

2017年3月16日

キューバ のコインを頂きました。換算は10円程だそう。チェ ゲバラ が刻印されています。初めて見ました。話によると、キューバ国民が使うCUP(ペソ クノーバ)というコイン。外国人はCUC(クック)という違った貨幣を使わにゃならんとのこと。

P1020226.JPGP1020225.jpg

さて、私はキューバのことをいったいどれだけ知っているか?
カリブ海の社会主義島国。首都はハバナ。カストロ。 チェ ゲバラ。高級葉巻。そしてブエナビスタソシアルバンド。これだけ。最後のブエナビスタソシアルバンド はキューバの爺ちゃんバンドで私ファンであります。
ようするになんも知らんということ。
日本を フジヤマ ゲイシャ だけ知識の外国人と同じレベルだったのだ。 TV の旅番組で「日本の首都は香港だろ」などと言ってるアメリカン。日本のことで知ってるのは「ソニー と トヨタ 」と得意顔のアフリカン。

『ムムムム 』となった。俺とちっとも変わらんではないか。
気をとり直して、まあ最近いろいろあるけどお隣の韓国はどうかな?キムチ。プサン。ソウル・・・・・・・・・・・アンニョンハシムニカ。地名、 人名 に固有名詞とコンニチワだけだった。『ゲゲゲッ』じゃあフランスはどうよ?アルゼンチンは?ドイツは?ミャンマーは?今まで自分の中での知ってるつもりはいったいなんだったんだろう?
日本以外で暮らす経験を持てなかった68年の我が人生。映画や本や音楽で他国の空気を吸ってきた。他人の経験に自分を重ねてきた。
いまさらながらの気もするけど、この機会に チェ ゲバラ のことでも調べてみようか。

一枚のコインを前に折れない程度ではあるけど、老骨にムチ打つことにした土居邸主人。こりゃあボケてる暇なんぞありゃあしねえ。なんだかこれからの老後が一番忙しそうだぜ。

2017.03.11 二つの現実

2017年3月11日

友人のM君が飼っているシーズーの 「 あい 」 ちゃん。
彼女はシーズー特有の優雅な孤立者といった性格で、散歩の途中で会っても知らん顔。
シッポを振るでもなし、なでようとしても露骨に嫌がる。ところが、いくつかある散歩道の中に土居邸の近くを通るコースがあるのですが、土居邸の駐車場辺りまで来ると、猛然と「ここに寄って行く」意思表示をするらしい。

P1020214.JPG

数年も前のことだけれど、何かの時に土居邸に立ち寄った折にチーズケーキひと切れをあげたことがある。基本的に犬は自分に都合のいいことはたった一回で覚え、都合の悪いことは決して覚えようとしない。叱られるからシブシブしているに過ぎない。
「あい」ちゃんの中では 何年経ってもこのチーズケーキが土居邸に重なっているとみえる。そしてこの私を見る顔。ひょっとするとあの美味しいチーズケーキくれるかもしれないおじさんを見る眼。ひと切れのチーズケーキ。それだけが私と彼女を繋げている。


ノコギリをひくのと同じ程度のレベルとは思いますが、私ギターを弾きます。爺さんバンドでサイドギター担当でもあります。
あらゆる物は経験を積むと上達が約束されているように思われがちですが、こと楽器は全く違います。練習するほど下手が表沙汰になり、歳と共に弾力のなくなった指先はどんどん痛くなり、一時間もすれば『休憩、休憩、スモーキングタイム』ちっともはかどらない。

ギターを弾くということは、取り敢えず右手と左手が別々に動く。ピアノもそうじゃんか、てな考えで挑戦することにした。
何か一曲だけでも弾ければかっこいいじゃんか。ということで ねこふんじゃった よりは少しは曲らしい物を選んで始めました。やってみて驚いた。右左が別々に動かない。一月ほど同じ曲を弾いて弾いて弾きまくった。全く上達のかけらもないのに、同じ曲だけ弾くのに飽きてきた。こんなやさしそうな曲さえ弾ける前に飽きるということは、無謀な試みであったかと記念にピアノの上に左手を乗せて自撮りして気がついた。これはピアノ弾く手ではない。こんな手の奴はピアノなんか弾いてはいけない。木でも切ってろ。

P1020221.JPG

挫折した責任を手に取らしちゃったお粗末が二つ目の現実。
現実は具体的な物であると言った先人の言葉が私の中で ヒヒヒ と笑った。

2017.02.02 今こそ明かす土居邸の秘密

2017年2月2日

宮沢賢治を撮影した写真ではこれが一番有名と思われますし、私の好きな一枚でもあります。
彼が居宅を留守にする折には「下の畑に行ってます」という言葉で来訪者に伝えていたようです。

P1020199.JPG

私も一人で土居邸を廻していますれば、何か急な事が起これば店を閉めて馳せ参じねばなりませんので(二時までの営業です)とか(本日午後から開けます)だの(臨時休業します)てな貼り紙をしているのですが、実はこの「下の畑に行ってます」を洒落で使いたかった。
ところが宮沢賢治を知っている方ばかりではないので「下の畑ってどこ?」「マスター、レタスでも取りに行ってんのかな?」といったお客様にあらぬ誤解と疑問はなんぼなんでもまずかろうということでやめました。

二番目の秘密。
メニューに 珈琲 50円 としようと思った。
お客様「ほんとにコーヒー50円なんですか?」
マスター『そうです。ただしカップが350円 です。手で飲んで頂ければ50円です』
確かにホットコーヒーだとギャグになりそうだけど、他のメニューではあんまり面白くなさそうだし。ということでやめました。

三番目の秘密
最近、体験入学やら体験~~~とかを耳にするので考えたね。土居邸体験珈琲淹れ。コーヒーの淹れ方丁寧に教えます。自分で淹れたコーヒーの味には文句はつけめえヨ。ところが厨房が狭いのと多人数が 私も私もとなると対処しきれない。
こりゃあ想像してるだけの方が面白いということでやめました。

いつも「何か面白えことはないかいな」とアンテナを伸ばしていますが、やっぱり他人を巻き込んじゃいけねえ、それもお客様ならなおのこと。
ということでのTwinSoul土居邸でございます。あしからず。

2017.01.12 土居邸 おおいに喜ぶの図

2017年1月12日

こんな電話がありました。

P1020189.JPG

「結婚式の前撮りをしたいのですが、土居邸での撮影をお願いしたい」
『部屋をお貸しすることは出来ませんが、メニューさえ頼んでいただければ喜んで』

日にちを伺いワクワクしながらカレンダーに赤マルをつけました。撮影日の数日前に当のご両人が来店して下さった。
何故に土居邸を選んで下さった? から始まって幸せ一杯のお話をたくさんお聞きできました。
でもって当日、ご両人を含め総勢8名。二時間半程の撮影中のマスターは始終顔がにやけておりました。いやあ、若く幸せな雰囲気とはこれほどに周りを暖かくするものか。

P1020191.JPGP1020192.JPG

ちなみに、新婦さんが持ってるコーヒーカップには何も入っておりません。
カメラマンの希望でしたが、せめてお湯でも入れておけば湯気が上がったのにと気が利かぬ爺さん反省しきり。
お二人に許可を頂いての写真掲載です。Sさんご夫妻に幸あれ。

2017.01.08 旬

2017年1月8日

50年ほど前のこと。
この「白きたおやかな峰」を読み終えた時に『えっ もう終わりなの。もっと長ければいいのに』こんな記憶があります。
よく本の話で盛り上がるT君にこの話をしたところ、早速手に入れ読後持ってきてくれて言うことにゃ「マスター もう一回読んでみて」その顔には????が見え隠れしている。
医者でもある 北杜夫 が とある登山隊の同行ドクターとしての経験がベースでこの物語が紡ぎ出されている。それでワクワクしながら再読したのだけれど、全く青春時代に戻れない。あれほど一気に読んだのに。自分の読んだ本ベストテンには入れていたのに。なんだかガッカリしながらゆるゆる考えたことは、はたして読む側の旬であったか。
当時の稚拙な想像力が行間をどれほどふくらませたかとしか思えない。

こんな経験を 開高健 は 知恵の悲しみ と言った。言い得て妙ですな。

もう一冊は全く逆のことが起こりました。やはり50年ほど前のこと。
小津安二郎 の最高傑作といわれている 「東京物語」 この映画を最初に観た時には部分的に感動はしても小津安二郎の企みの全貌は理解出来なかった。その後何回かこの映画を観たのだけれど、こちらの歳が重なるにつれて見えてくるものが増えてきた。そしてこの本。制作の一部始終が小津へのオマージュと共に述べられている。読みながら各シーンが目に浮かぶ。
数年前に観た「東京物語」は かなり小津安二郎に近寄れていたんだと嬉しくなった。
読む側の旬 と 観る側の旬 がありましたなあ。

スズキ を ルアーで狙いに行くのはきまって脂の乗った冬なのですが、スズキの旬は夏。ちょっと賢くなった今年は夏のスズキに会いに行ってみようと思っています。そういや今まで夏にスズキを食べたことがない。
ちなみに 最初に購入したハードカバー の「白きたおやかな峰」はどこかに行っちゃって手元にありません。

images.jpg
河出文庫 北杜夫 白きたおやかな峰 本体¥850
51nZiC6QaiL._SX353_BO1,204,203,200_.jpg
ちくま文庫 貴田 庄 小津安二郎 と 東京物語 本体¥700

2016.12.22 願ったりかなったり

2016年12月22日

アマチュアカメラマンのMさんのお申し出は、土居邸で個人的な撮影会をしたい。撮った写真は彼のブログに載せるそうです。ということで雨の本日、モデルをお願いしたというお嬢さんと来店。
土居邸は部屋だけをお貸しすることはできませんので、メニューさえ頼んでいただければご自由に使って下さいが今回でMさん二回目になります。一回目は一昨年の夏ごろだったか、浴衣姿のお嬢さんが被写体でした。

今回は許可を頂けたので撮影風景を撮らせてもらいました。

建物はもちろんのこと、マスターおおいに喜びました。

P1020181.JPG

P1020187.JPG

2016.12.13 寒到来

2016年12月13日

昔の日本の家屋は夏のことだけを想定して建てています。ようするに扇風機や冷房などという文明の利器は誰も知らない頃の話。暖を取る方法は火鉢などがあったので、冬のことは全く考えてない。
125年も前に建てられた 土居邸 は冬が誠に寒いのであります。元は和紙問屋でしたので湿気が紙にとって最大の敵ということで風通しのいいこと。一応座敷にはエアコンがありますし、ストーブだって置いてますが、天井がやたら高く障子に襖の仕切りではあまり活躍できません。建物の中なのにマスターの息が白い。
お客様も暖房の効いた車でいらして、さてと土居に入る時は暖かい上着を忘れずにがお約束。申し訳ありません。

P1000873.JPG

ところが風のない真冬の晴れた日の午前中。縁側には陽の恵みがこれでもか状態。どんな暖房機器もかなわない。どなたも眼が細くなります。そういや陽の当たるどこの縁側でも、必ずばあちゃんと猫がいたような気がする。爺ちゃんの姿は記憶のどこ探しても見つからないんだよネ。

P1020174.JPGP1020173.JPG

そして庭に眼を向けるとドウダンツツジの紅葉がこの時期のワンポイントでしたが、今年は主石にへばりついた蔦が色付き、ほんのちょっとですが賑やかになりました。毎冬庭に姿を見せる ジョウビタキ が今年は未だ来てません。
彼の身に何かあったんじゃないかと心配しています。

2016.11.21 タマリンド

2016年11月21日

店のテーブルの上に薄っぺらなメニューがあります。風で飛ばないように小さい重しを置いてあります。

P1020137.JPG

フクロウの陶器だったり、魚の置物だったりします。音楽、映画、本、そして自然の中で暮らしている鳥や魚に小動物と虫達の話で一日過ごせれば、こんな幸せはないと考えているマスターが好きな話題のとっかかりとして置いてあります。
お客様 「これ、エイですよね?」
マスター 『エイはしっぽの付け根に毒針を持ってる種類がありますヨ。そして煮るとにこごるのでゼラチン質が多い魚なんです』
こうして自分好きな話にもっていこうとしてる訳です。この愛すべき小物達は全部神奈川のMさんから頂いたものです。
先日、そのMさんが突然来店して下さった。なんと四年ぶり。

P1020131.JPG■■P1020132.JPG

その時に持ってきてくださったのがこの タマリンド の苗木。いろいろお話を伺ったのですが、植物にはまったくもって疎いマスターの反応に後日、写真入りのタマリンド情報と果実を送って下さいました。アフリカ原産のマメ科常緑高木で、果実(どう見てもマメだぜ)は食用とある。インドや東南アジアの亜熱帯及び熱帯各地で生育してるらしい。

サボテンさえも枯らす実力は、牧野富太郎博士の足元はおろか彼の靴の底にさえなれぬ。ところが、樹高はなんと20mにもなるというその一点で頑張って育てることにした。バカと煙は高い所に登りたがるというそれですな。
考えてもみなせえ、大木にマメが鈴なりの景色はあまりお目にかからない。当然鳥達も団体で集まって来るに違いない。その想像だけで顔がにやけちまう。

現在は小さい鉢ですが、もう少し大きくなったら自宅の庭に植え替えるつもり。しばらくは土居邸に置いてありますので、どんなものよりも豆が好きな方は「マスター タマリンド」と叫んでください。
『ヘッヘッヘ これがそうです』
そして遠きアフリカの青い空に想いを馳せましょうぞ。

2016.10.24 お知らせ

2016年10月24日

以前紹介しました 真空管アンプ を自作するYさんと、何もしないし出来ないマスターが堂々のコラボ音楽鑑賞会を企画しました。

来たる11月19日の土曜日。午後6時半頃より土居邸にて。
【デジタルとは一味違う真空管の音を楽しむ夕べ #1]をいたします。
Yさん曰く「土居邸では普段JAZZを流しているので、#1 の今回はJAZZ用にアンプを組み上げます」ということでJAZZをメインにしようと思っています。といってもCDとレコードを聴いていただくだけということなのです。

P1020112.JPG

ところが、せこいマスターは考えたネ。そして恐る恐るYさんに聞いてみる。
『あのう、ドリンク代だけ戴いても・・・・・?』
純粋に音だけを追求しているYさんが快諾して下さったので、当日は400円で開催します。ここで慌てて言いますけど『ちゃんと普段通りコーヒー淹れます』

なお、お手持ちのCDやレコードで、これだけは聞いてみたいという物がありましたらお持ちください。マスターの独断と偏見において採用か否かはお楽しみと致しますけど。

2016.10.11 二つの気になっていたこと

2016年10月11日

金のない学生時代には、吸い終わったタバコは捨てずに缶に集めておいた。
誰が言ったのか、誰に聞いたかのかも分からないけど、白水社のフランス語の辞書がタバコの巻紙に一番近いということで、古本屋で手に入れた。辞書を本来の目的ではなく、それもタバコの巻紙に使おうとしたアホさ加減は笑い話では済まされない。
よしんば肺癌で死ぬことにでもなれば辞書の怒りはまぬかれない。だといっていまだにタバコを止めたわけでもないんだけど。

辞書を破っては煙に変えてる頃のこと。
アン ヴェール ヴェール ダン ヴェール ヴェール というフランス語を目にした。
「緑色のコップに緑色のミミズ 」 という意味なのですが、フランス語では緑色とコップとミミズが同じ発音であるとのこと。気にはなっていたけど50年が経っていた。
ところが昨日、日本語の達者なフランス人の女性が日本人のご主人と来店。日本の家屋が大好きということで、土居邸のしつらえの説明に眼を輝かせていらっしゃったし、いろんな質問もされたけどなんとか乗り切った。

さーて、今度はこちらの番だぜ。『フランス語では 緑色のコップに緑色のミミズ は同じ発音ですか?』
彼女は笑いながら「#%$€£ #%$€£ #%$€£ #%$€£」同じ言葉の連続を聞いて50年来の気になりが解消しました。
そして、「そうです ただし最後だけスペルが違います」
マスターたった一つだけ知っているフランス語を駆使しました。
『メルシーボークー』 彼女は又笑った。

P1020103.JPGP1020102.JPG

土居邸の店側から奥への通路に写真のものが天井からぶら下がっています。これが何だか分からない。
そんなに重い物を載せるほど丈夫な作りではないので、残った食べ物を置いておく場所ではなかろうかが推測です。ネズミから守るために。

まあいつか分かるだろうて。 かたや50年。 こなた10年。なのでネ。

2016.10.06 のんびり行こうぜ

2016年10月06日

明日できる事は今日しない。
綺麗好き や 潔癖性 が聞いたら顔を歪めそうなこの言葉も「明日の事何を思い煩うやという生活態度。水準は低いかもしれないが満足の度合いは?」こう置き換えると、なんとなく良さげに思う。
そこでズボラを無理やり風流に転じてみる。

P1020097.JPGP1020099.JPG

土居邸の庭石に蔦が葉を伸ばしてきました。ツル植物はあちこちで厄介者扱いを受けており、電線などに絡みついては退治されるという生活を繰り返しています。写真などで日本庭園を見てもとんとお目にかからないので、庭園常識として排除される物であるのかしら。
はともかく、この状態をなんだかいいなと感じた。多分秋も深まってくれば色づくにちがいない。これを風流と言わずしてなんと言おう。まあなんちゃって風流レベルではあるんだけどネ。

それでよろしい 落ち葉を掃く 山頭火

2016.10.03 K君現わる

2016年10月03日

数日の休みが取れると汽車を乗り継いで東京から土居邸に来てくださる。
八年前に最初の来店はなにげなく寄ったとの事でしたが、その後五月の連休には一度も欠かさずに顔を見せてくれます。
ところが、今年は九月にも来て下さった。それも、たそがれつつある爺さんが一人でやってる我が店の為だけにですぞ。
こんなに嬉しいことはありません。
「また何で この時期に?」理由を聞いた。
『JR四国だけが誕生日月には特急券だけでグリーン車乗り放題』彼は九月生まれ。

そして最近はお土産も一緒に来店。横浜 崎陽軒のシュウマイ と 香川県の おととせんべい が到着。

P1020089.JPGP1020090.JPG

いつも いの駅で降りて土居邸までの道すがら、辞めてたらどうしようかと考えながら歩いてくるそうで、その緊張感がたまらないらしい。
二時間ほど座して東京へトンボ帰り。何とも言えない暖かい気持ちにさせてくれました。

「次回は電話して。我が家で泊まってもらい何か美味いもの準備する」
K君ニコッと笑って帰っていきました。
人を送ることは苦手なのですが、彼の後ろ姿を見送りながら「来年の五月までは何としても喫茶渡世を続けなくちゃいけねえ」ちょっと気合が入ったね。

誰かを待つというのはこれでなかなかいいもんだ と思った次第。

2016.09.23 レコード と CD

2016年09月23日

以前この欄で紹介しましたお客様であり、土居邸ご近所の Y さん。
オーディオマニア なんていう言葉では表現できない、ちょっとはできるかもしれないが、山のすそが説明できる程度のものでしかない。

この Yさん真空管アンプを自分で作っちゃう。
そしてそれを持ってきて下さり、土居邸のセットに組み込み音楽会が今回三回目。
二回目の時はYさん曰く「女性ボーカル用に作ってみました」

P1020094.JPG

見えない物が苦手なマスター。これは電気のことでようするにメカには弱いということ。
スターウォーズという映画の中で、光線銃から発射された光をひょいとよけるのを見てOh!すげえ と思っちゃう。光の速さはいったいどのくらいなんだ? ちなみに秒速30万Kmです。

話を戻して、土居邸のオーディオセットはスピーカーこそ50年程も前のものですが、その他の機器は大騒ぎするほどの物ではありません。汎用機器ということです。
レコードに針をおとす。チャーリー パーカー 1957年録音。クリフォード ブラウン 1953年録音。
昔の音がむかしの機器だけを通って古いスピーカーに伝わる。響き渡る空間は125年前に建てられた場所。
なんとも柔らかい深みのある演奏として耳に心地よい。

P1020091.JPG

Y さんとてCD も聞くし、土居邸も普段はCDをかけてます。そしてその音に耳が慣れてきている。あまり気にせず聞いている。ここで MJQ(モダン ジャズ カルテット)のアルバムがレコード と CDで登場。この二枚はジャケットを含めまったく同じもの。
最初はレコード。続いてCD。同じMJQとは思えない。ミルト ジャクソン の木琴が鉄琴に聞こえる。
昨晩はYさん、マスター にもう二人のジャズファンが同席、全員で顔を見合わせた。みなさん自宅では大きな音を出せない。雨戸やカーテンで防音しながらも小さい音で聞いている。土居邸ではかなり大きな音で聴くことができます。

ここでとっても優しいマスターが思いついた。
「小さい音やヘッドフォンで聴いているのに、家族の冷たい視線に耐えているご同輩にこの空間を提供したらどうでしょ」

当然Yさんの協力あってのことなので、企画進行中であります。ジャズファンの夕べ。クラッシックファンの集い。オールディーズの会。
楽しそうな妄想はなんぼでもふくらむ。

乞うご期待!!!

2016.09.09 蜂のこと

2016年09月09日

子供の頃から虫が好きだった。それは今も変わらないけど、流石に野山でトンボ網を振り回すことは無くなった。
いまでも花を愛でるより花に集まる虫達に眼を奪われる。釣竿の穂先に止まったシオカラトンボが自分の意思で飛び立つまでじっとしてたりする。

5年生だったと思うけど、夏休みにハチだけの標本を作った。
流石に オオスズメバチ や クマバチ は子供心にも危険を感じたのか標本にはしなかった。
それでも十数種類のハチを捕らえるのに何回かは刺された。 かなり痛かったけど腫れたり病院に行ったりした記憶はない。ハゼの木で刀を作った折にもハゼの汁にも全く かぶれなかった。一緒に作った三人はひどいことになったのに。思うに体質が自然向きであったらしい。しかしウルシにはかぶれたので無敵ということではなさそうです。

P1020078.JPGP1020076.JPG

昨年から土居邸の庭や塀にハチが巣を作るようになった。
頻繁に斥候バチが巣を作る場所を捜しに来店。普通一匹か二匹なのでホウキを使って退散してもらっています。先日庭のシュロチクの葉が枯れたので取り除いた。その時数匹のハチが舞い上がった。雰囲気は「おまえか、巣を壊すのは?」の飛び方。
慌てて店内に避難。しばらくするとハチの姿が見えなくなったので、落とした葉を見てみると作りかけの小さな巣があるではないか。知らぬとはいえかなりヤバイ状況でした。

P1020077.JPG

ハチの巣を壊せばだいたい刺される。大きくなる前でよかったよかったと、その他の枯れた葉も取り除こうとするとその巣のあった葉のあたりに十匹ほどのハチが固まっている。
「??? 新しい巣を作るつもりかな。それとも?」
くわばらくわばら ということでそっと離れる。
でもって今日。昨日と同じ、ほとんど動いてないし集まったままで誰も飛んで行かない。「何してんだろ?朝晩気温が下がってきたので死を迎える準備かな?でも昼間は結構暑いので違うかな? そのうちみんな飛んで行くのかな? 」
ハチのことはよく知らないので?印の山。

どなたか知ってる方がいらっしゃりますればお教え下さい。

2016.07.14 蝉

2016年07月14日

セミの鳴き声が年々少なくなっている。
自宅のある場所は低いけれど裏は山であるし、隣は梅や桃に柿の木のある休耕畑。その続きには鎮守の森が広がっており、セミが暮らすにはかなり良い環境と思われる。なのにどうして?ところがよくよく隣の草むらを見てみるとあるではないかセミの抜け殻。三枚の写真は1メートル四方内にあったもので、他にも其処此処にどっさり。
いっぱい飛び立っているのになんだか静か過ぎる。

semi.png

ここで思い出した。
以前同年代の友人が彼の若い息子とTVを見ていた時のこと。年齢を積み重ねるごとに高いヘルツの音が聞こえなくなってくるという検証番組で、息子の聞こえる音が親父には聞こえなかったという話。
やややや、セミの声はひょっとすると高ヘルツなのであるか?俺には聞こえてないのに大合唱が起こっているのか?もしそうなら虫好き爺さんとしては一大事。

かのファーブルはセミが大嫌いだったそうな。ただただ喧しいという理由だけで。なにがあろうとファーブルだけはセミに石を投げてはいかんだろ。昆虫記が泣くぞ。

確かに季節を感じさせるトンボやホタルが10年前とは比べようもなく減ってきました。最近色んなものに癒されるてな会話をよく聞きますが人間とて自然の一部であり、山や森など緑色の中で暮らしていることを認識していれば、精神寿命が長いという説があるそうなので、やっぱり夏にはセミがうるさい程鳴いててほしいし、ほんとに心が癒されるのは自然の中に身を置いてこそ。

誰かが「セミの声は暑苦しいネ」とでもおっしゃれば、『そうですね』と言いながら眼は笑っているをお許しあれ。

2016.07.08 どうでもいい話2題

2016年07月08日

毎年5月の連休に東京から土居邸に来てくださるK君という御仁あり。
彼はサラリーマンなのですが、並行して芝居をもう一つの人生としています。年一回の興行のために1年間を準備と練習に打ち込んでいます。そのK君から朝顔が届きました。
東京に入谷(いりや)という場所があります。いわゆる下町と呼ばれるところです。ここで確か朝顔市が開かれている。K君の嬉しい贈り物。土居邸玄関に置きました。

P1020024.JPG■■P1020025.JPG

江戸には地名を言葉遊びに使って楽しんでいるものがありますが、この入谷もその一つで、
# 恐れ入谷(いりや)の鬼子母神
その他に
# びっくり下谷(したや)の広徳寺
# 情け有馬(ありま)の水天宮
# なんだ神田(かんだ)の大明神
というのもあります。どうも下町ばかりのようなので大東京になる前の作かも。
もしくは落語あたりに出てくるものかもしれません。思い返せばガキの頃から言ってたような気がする。
ついでに江戸とは関係ないけど私の好きな言葉遊びをば。
# アリが鯛なら イモムシゃ鯨 デンデンムシゃホラガイ
# アリがとうなら なめくじゃはたち 蛇は三十五で嫁にゆく
これは「有難い」と「有難う」にかこつけたもの。

P1020026.JPG

別口で徳島では有名らしい「ぶどう饅頭」を頂いた。
串に5個の可愛らしいおだんご。美味しい。
そういや最近の串にさしたダンゴはほとんどが4個です。これには理由があって、遡り江戸時代の「花より団子」の最初は一串5ケだった。そして小売価格は1個1文。5個で⒊5文。従来の1文銭は寛永通宝。
ところが明和5年(1768)に真鍮の4文銭が発行された。10代将軍家治の頃。この4文銭が出たため釣り銭の煩わしさから一串4個で4文とした。明治は1本4個 で 5厘。昭和初期は1本4個で2銭。

昔はバラ売りしてたんですな。
1文銭握りしめて「おばちゃん、ダンゴ1個ちょうだい」
親父に聞くと昔はタバコもバラ売りしてたそうで、「ハイライト3本 とショートピース 2本 ください」これはいいな。いつのまにか売り手の都合だけが優先しちまって全部パック入り。
「お客様は神様」なんだけど、こちとらそろそろ仏様になりそうなのでしょうがない。
これは三波春夫がステージで言ったのをお借りしました。

2016.06.17 待ち犬来る

2016年06月17日

以前からTVのコマーシャルにこの犬が登場してました。
犬種は ジャックラッセルテリア大の犬好きとしては一度この犬を見てみたい、触ってみたいと思っていました。

P1020021.JPG■■P1020023.JPG

今年の初めにある女性が来店して下さいました。日本語のイントネーションが微妙に外国風。
「どちらからいらっしゃいましたか?」
『ロンドンに長い間おります。まもなく高知に帰ってこようと思っています』
ということから犬の話になって『 私 ジャックラッセルテリア を飼ってます』

「今度是非連れてきてください。お願いします」
で、今回ロンドン生まれロンドン育ちを連れて来てくださった。
想像通りのおとなしく賢こそう。日本語が分からぬかもしれんので、食べ物でコミュニケーションをとることにした。言葉の壁はチーズケーキひと切れで解消。その後は私を見る目が優しい。
なでまわし、いろいろ話しかけたのだけれど、嬉しさのあまり名前を聞くのを忘れた。次は名前を聞くことから始めようと思っています。

2016.05.16 たまには身内の話をば。

2016年05月16日

写真のミニは親戚であるT君の愛車。三十数年間それは大切に、愛情込めて 労わりつつ乗ってきた。
どこもオリジナルのままで、彼の人生の一部になっていた。
とある日、土居邸をバックにミニを撮影して彼のブログに載せるということで来店の折に便乗して撮ったもの。

P1000987.JPG

それからしばらくしてミニ以外の車に乗って来た。恒例の『ミニは息災か?』に青い顔をして「燃えた」
『えっ、どういうこと?』
「走行中に火を吹いて全焼した・・・・・・・・・・・・」
長い沈黙に彼の無念さがあらわれており、大切な物を失った辛さにはかける言葉がみつからない。
悲しいことはおおむね時が解決するとしたもので、先日久し振りに会ったら「又ミニ買うことにした。娘は賛成してくれた。あとは嫁はんに言うだけ」その顔は次のミニへ心が向いているが見えたネ。
「秋に納車だから見せにくるね」

P1000984.JPG

ということがありまして、土居邸+燃えちまったミニ の写真を解禁した次第。私と幾つも違わないおじさんのTくん。若い時に、望遠鏡あるので火星と木星と土星が一直線になるから見においでよと電話くれたり。
いいおじさんになってからショパンを弾きたくてピアノの練習を始めたり。これはピアノの先生が若くて美人だったのが本当の理由ではあるけど。
老後はモンゴルに住みたいなどと言っていたけど、首から心臓の薬をぶら下げた今はそれも叶わず、ミニが活力の源になっていた彼に再びミニが登場します。
旧型のミニの大ファンである彼に今度はどんなミニが。
楽しみですな。

2016.05.14 一難去ってまた一難

2016年05月14日

土居邸 庭のサツキの昨年の花模様は惨憺たるものでした。
数えても両手で足りる程でして、植物全般に疎い店主は、柿のように花にも裏年ってのがあって今年は花の少ない廻りなのかと思ってた。おそるおそる とあるお客様に聞いてみると「うちのサツキは毎年よく咲くよ」その眼は「ちゃんと世話してる?」と言っていた。
雑草を抜くのと水をやる程度しか出来ぬのでは、とても世話係というには程遠く『今年も咲かなかったらどうしよう』『ずっと咲かなくなったら・・・・・・』無知は不安と恐怖を増幅させるものでして、ちょっとばかりおののいていました。ところが今朝のこと。蕾がいっぱい。
安堵に元気を足して、それを喜びのオブラートに包んで笑ったネ。『はっはっは! これで満開は約束されましたなあ』もう一週間もすれば見頃になりましょう。

P1020008.JPG■■P1020009.JPG

もう一枚の写真は庭に面した屋根にある銅製のトイの影。
均等に幾つもの穴が開いて雨はざざ漏り。幾筋もの小さい滝ができる。お客様は「これも風情なり」とおっしゃっては下さいますが、穴はどんどん大きくなり、それにつれて滝たちも主張がすごくなってきた。そこで土居邸補修をおねがいしているT君に聞いてみる。
『これは修理が出来るものなの?』一瞥して「取り替えないとだめです」耐水性のボンドかなんかで穴を塞ごうと目論んでいたけど、却下。
ここから先は家主さんとの話になりますので、どうなることやら。
ここでちょっと面白い話を聞いたので。銅製のトイに穴が開くのは県下ではどうも いの町 だけらしい。各市町村で雨の成分が 違うのかい? いの町に降る雨だけに原因があるとすれば、それはいったい何?

春雨だけど濡れるの止めようっと。

2016.04.26 きっかけ

2016年04月26日

よくお客様にマスターの趣味って何ですか? と聞かれます。
ここには「まさかゲートボールやら孫の世話なんて言うなよおっさん」がありあり。どういうことかというと、私の会話の中にはガキのように海山川で遊んでいるだの、虫やら鳥やら動物のことだのが圧倒的に多く、結構長い人生の中に其れ相応の成熟したこだわり趣味が全く感じられないので、と思われます。「こいつの頭の中はいったいどうなってるんだろう?」と眼が言っているのであります。

確かに、興味のあるものを趣味と言えれば簡単なんだけど、気分、環境、年齢でのめり込んだり離れたりではやはりちょっと違うんではないかと。決して役には立たぬ物をやたら集めているのはネズミ歳であるのが理由。どれも深くは掘り下げず、やがてアブクとなって消えてゆくものに興味を示すのはカニ座である所以というご指摘には、人生ずっと横這いもついつい納得してしまう。

ところが、本 と 映画 と JAZZ だけは比較的いつも身近にありました。
ただしこれも「饅頭より羊羹の方がちょっと好き」レベルで、真顔で「趣味です」と言うのは面はゆい。

写真は、ファンキーで魅力的な爺ちゃんだった 植草甚一 の2冊。数十年ぶりに書棚から引き出して思い出した。若い頃にある雑誌で彼の映画評を目にした。誰も気づかないような演技の妙や、見過ごしそうな小道具にカメラワーク、果ては原作にまで及ぶ映画の見方。
映画評もさることながらこの植草甚一個人に興味を持っちゃった。そして最初に手に入れたのがこの2冊。中身より題に惹かれて購入したっけ。
『原文が読めなきゃこの作家も作品も分かんないぜ』とはひとことも言ってないし、『世の中にはこんなに面白いものが転がっているんだけどみんな気がつかない』とも書いてはないのに彼の眼が多岐にむけられているのが心地いい。

その後著書を読みあさった。その中で植草甚一が一番愛したものが 本、映画、JAZZ 。迷える青年にとって「 おまえ、この三つはかなりおもしれえぜ」と言われた気がした。

doi_002.jpg■■doi_001.jpg

雨降りだからミステリーでも勉強しよう      ぼくは散歩と雑学がすき    
晶文社 植草甚一 ¥2300         晶文社 植草甚一 ¥1500

ということで私にとってもつかず離れずと楽しんできましたし、好きなものは?と聞かれると、本、映画、JAZZ と答えます。
植草甚一がきっかけになったのは間違いない。こう思うんであります。1979年に亡くなっていますので、著書の情報はかなり前のものばかりですが、あらゆるものへの興味と観察と広がりは、現代人が無くしつつある自分で何かを見つけることの面白さを教えてくれます。

2016.04.23 建物が戴きました

2016年04月23日

Twin Soul 土居邸 は1889年(明治22年)頃に建てられた「見附」屋 という紙問屋だった商家を土居さんからお借りしての喫茶渡世です。当時の建築様式やしつらえが沢山残っており、いの町が和紙で栄えてきた名残りを見ることができます。そんな土居邸にいらっしゃったお客様が『これ、ここに似合うと思います』と持ってきて下さった物があります。

P1010999.JPG

最初はトルコの香水瓶。東京のMさんから頂いたもの。
40年も前に買った整髪料「バイタリス」が、いまだ半分以上残っているおじさんには全く縁のない匂い水。ましてやその入れ物となると見たこともなかった。送って下さった時のメモによると、ベネチアングラス様式も含まれているそうで、ひょっと女性のお客様が喜んでくださるかと並べてみました。
中には『これなんですか?』と聞かれる方もいらっしゃいますが、香水や香水瓶に全く知識を持たぬ店主。それでも一を聞いて十を言うおしゃべりマスターは厳かにのたまう。「香 ・・・・・水・・・・・・瓶・・・・・です」そして後は沈黙しつつその場を離れる。

二番目は酒瓶(こう言うのかしら?)
丹下左膳(たんげさぜん)や平手造酒(ひらてみき)といった映画の主人公の分身として、重要な場面の小道具としての印象が主なこの酒瓶。土佐市高岡町の「川添酒店」と書いてあります。突然、見知らぬ方が持ってきて下さった。『ここにあったほうがいいと思って』お話を伺おうとしたけど叶わず、四年になります。

P1020002.JPGP1020003.JPG

最後は銅製のポット。これは友人でありお客様でもあるT君から。 以前紹介したやはり銅製のコーヒーミルとお揃いにしろとのお申し出でした。

土居邸 恐るべし。
思うに、日本人には 木 と 土 と 紙 の DNA が流れている。それぞれに大事な物を頂いた今、建物が人を、物を呼んで下さる。そして店主は大切なものが増えてゆく喜びで言う。

『楽しい老後になりそうだぜい』

2016.04.10 空白の三年

2016年04月10日

庭のドウダンツツジが満開です。

P1010987.JPGP1010986.JPG

お客様に「このお店始めて何年になりますか?」と聞かれますと『この8月で七年になります』と答えていました。土居邸を借りるにあたって、M不動産で契約その他をお願いしています。
昨日、その不動産屋さんが来店の折やはり同じ質問があり、
『もうすぐまる七年になる』と言うと「えっ,確か契約初年度は平成六年だったよ」
『俺はお客様には七年になると言ってるぞ』
「帰って契約書見てみる」
後に電話があり「やっぱり平成六年だったよ」

そりゃあいろんなこともあったし、毎年開店記念日には一年過ぎた。四年たった。と数えていたはずなのに七年が十年になってる。俺の三年はいったいどこへ?隠れ痴呆がいよいよ表面化してきたか。ただの物忘れにしちゃあちょっと多いぞ。

ということで十周年記念なにがしを考えてみたけど、欠落している三年がどうも気になるので、思い出すまでお待ち下さい。
ともあれご来店下さったお客様には心より感謝しております。

土居邸 店主 敬白

2016.04.04 蜂

2016年04月04日

いい歳をして と いう言葉があります。
これは「なんぼなんでも子供じゃないんだから」といったお前はアホか の意味なのあります。これにも年齢制限がありそうで、私のように70も近くなった者に使うと「おっさん、ボケちゃあせんか」と同じ意味になりそうです。というような事も全部棚に上げといて言うぞ。
「俺は雨が嫌いじゃ」

昨日は一日中ザンザン降りで、満開の桜は大丈夫だろか?鳥も虫も今日はどうしてる?と空を見上げて口がへの字になってました。
今日の朝のうちは雨も残っていましたが、昼前には青空が増えて優しい眼になって庭を見れば、なんと巣を作る場所を探しに来た斥候蜂の姿。
「今年は君達に絶対巣は作らせんもんね」
土居邸は最近の家屋と違ってやたらに凸凹が多く、昨年は蜂と蜂の巣との壮絶な闘いがありましたので、斥候蜂を箒で追っぱらいました。老年歩兵部隊が精鋭航空部隊に勝ったのであります。

P1010984.JPG

その前に一休みしている蜂をパチリ。同じ場所から撮影距離を違えての三枚です。三枚を並べると映画のようになるかと思ったけど、別になんともなかった。

蜂ついでで一言。
宇宙の物質の密度はヨーロッパに蜂が2匹いる程度らしい。

2016.04.03 こんな所に?

2016年04月03日

寄る年波はいろんな所にうちよせる。
最近の海釣りは車を止めることのできる堤防が圧倒的に多くなってきた。これはクーラーを含む釣り道具の持ち運び距離を少しでも少なくするため。即ち、おじさんはあらゆることを差し置いても身体が楽な方を選ぶのであります。釣果や景色よりもトイレや自動販売機が近くにある場所を優先する。その中でもやはりあまり人の多くない場所を選ぶので、イソヒヨドリをよく見かけます。

野鳥図鑑によるとイソヒヨドリ: 23.5cm 海岸の岩石地に見られ、コンクリートブロック、大岩の上や岩石海岸近くの人家にもよく現れる。日本全土に繁殖。離島にもいる。 内陸ではほとんど姿が見られない。とある。

P1010981.JPG

ところが、土居邸の隣家で明るく鳴くイソヒヨドリ一羽。なんでこんな場所に?慌てて写真を撮った。なんちゃって望遠レンズでも私のくたびれた眼よりはるかに優れているので色合いもなんとか分かる。やっぱりイソヒヨドリ。

再び野鳥図鑑を詳しく見てみると、稀に川沿いに内陸部にも入ることがあるとの記述。そうか、仁淀川に沿ってここまで来たのか。それでも海から10kmはあるぞ。野鳥の行動にはそれなりの理由があるけど、内陸部では稀だという彼(オスです)の姿を見られたことは、運気よろしの君は宝クジでも買いなさいということであるか。
へっへっへ!

2016.03.24 今日はヒッチコック

2016年03月24日

思うんですが、世の映画好きは見た映画のことや、好きな俳優に監督のことを誰かと話したいに違いない。そういう私も映画の話題で1日が過ぎれば、こんなに嬉しいことはないということで、店に映画雑誌やポスターに写真を置いてあります。
これはお客様の「マスター映画好きなんですか?」を期待しての小道具なのです。
『えっ、分かります?』とは言いながらも満面の笑みは隠せない。釣り好きマスターはこの小道具のことを密かに撒き餌と呼んでいるのですが、内心は『やった!へっへっへ、食いついたぞ。いやあ、撒き餌の効果がありましたなあ』そして取り留めなく楽しい映画談義が始まる。

P1010956.JPG

三枚の写真は、 ビビアン リー に グレタ ガルボ と ヒッチコック。
二人の美人とは似つかわしくないちょいと小太りのおじさんは私の大好きな アルフレッド ヒッチコック 監督。
ミステリー を作り続けた稀有の映画作家なのです。
「サイコ」「北北西に進路を取れ」「鳥」「裏窓」などなど決して名作との評価は受けなかったし、アカデミー賞とも無縁でしたが、その後の映画作家達に多大な影響を与えました。

先日、あるお客様が帰り際に「どうしてヒッチコックの写真を?」
マスター『大ファンです』
お客様「私もです。ところでマスターはどの作品が一番好きですか?」
マスター『ん~ 幾つもありまして・・・・・・・』
お客様「私は 「めまい」です。あのキム ノバクが一番綺麗だしとてもいい」
マスター『そうです、そうです。その通りです』
お客様「今日はこの後用事がありまして残念ですが。ヒッチコックの話をしに又来ます」
マスター『時間のたっぷりある時にどうぞ。お待ちしてます』

笑顔で帰ってらっしゃったし、ムフフとお送りしました。

映画術はフランスの映画監督であり、彼もまたヒッチコックの大ファンを自認するフランソワ トリュフォーがヒッチコックに長時間のインタビューを行ない、それが一冊の本になっている。ヒッチコックに関する書物は他にも数あれど、これは本人が語っているということを含め、聞き手が映画監督であるということが細かい撮影技術や、新しい手法、そして観客をいかにしてその映画に引き込ませられるかだけに100%の力を注いだアルフレッド ヒッチコック 大全。

彼の映画を見てから読むもよし。読んでから見るもよし。
決してお互いの評価を下げず、ヒッチコックの大ファンになることうけあいますぞ。
先のお客様来店の折には、この本を前に大いにもりあがる所存です。

P1010954.JPG
晶文社 「 ヒッチコック 映画術 トリュフォー 」
山田宏一 蓮實重彦 訳 ¥2900

2016.03.13 釣りに行きたーい !

2016年03月13日

このところ 『まったく釣りに行ってな~い』
行かない もしくは 行けない理由を探せば、それこそ山のようにあるけれど、さすらいの釣り師を目指して季節も問わず、時間も考えず、天気も顧みずに竿を出してたあのおじさんはいったい何処へ?
今日は日曜日。どうしてもはずせない用事があるので釣りに行かなかった友人が店に寄ってくれた。
その釣り仲間の「最近はどう?」という問いにも遠くを見る眼でしか答えられない。
普通「どう?」という言葉には、仕事のこと、家族のこと、そして健康のことなどが含まれているものですが、我等は違う。意味はただひとつ。「釣れた?」この一点でしかないのであります。そして全く盛り上がらない会話に終始して帰って行った。

俺のモヤモヤに火を付けといて「じゃあね」はないだろ。
『渡世人の辛えところよ』も モヤモヤ解消には至らず、車に常に積んであるルアーを持ってきて撫で回しながら、例の『あの時のスズキは確かこれだったなあ』アウトドア という雑誌の表紙を見ながら、再び例の『スチールヘッド釣ってみたいなあ』
ちなみに スチールヘッド とはニジマスが河から海に降り、再び河に帰ってきたものをそう呼び、釣られた時の闘い方が壮絶無比で釣り人を魅了するそうです。

P1010951.JPG
隔月刊 Outdoor 1983 7号

ものの本によると、釣りに行かずに部屋の中であれこれ想像したり、妄想に浸っている釣り師のことを[アームチェア フィッシャーマン]と呼ぶらしい。土居邸にある私の 椅子は肘掛け椅子ではないので [ただのチェアフィッシャーマン] は倉敷のお土産としてT君から貰った魚のカルタを広げ、 あれやこれや思っているうちに閉店の時間。夕方から寒い雨模様の本日、行かずとも釣りを楽しんだ気持ちになってなんとかモヤモヤを乗り切った。

撫で回したスズキを釣るためのルアー(左)
P1010949.JPG
瀬戸内 魚魚(とと)あわせ カルタ (右) (漢字を覚えられる利点あり)

しかし、 土居邸は水曜日を定休日にしているため、一緒に行ける釣り友の少ないのがモヤモヤの起源ではある。
くしくも家族から「一人では行かんといてね」と言われているので。

『俺は子供じゃあねえぞ』と 爺さんは言う。小さい声でだけど。

2016.03.04 羊羹のこと

2016年03月04日

船が浮くのは、風呂桶が湯舟で浮かぶことから「まあ、あり得る」
しかし「あんなに重いものが空を飛んではいかんだろ。鳥は持ってみるとすごく軽いぞ」ということで、飛行機が飛ぶことを完全に認めている訳ではなく、虫やら魚に小動物の話が圧倒的に多いアナログマスターが、お客様に土居邸のホームページ の紹介をしますと皆様、違和感表情と疑い眼差しを隠そうとしません。
『ご明察!』
私の成長に必要なタネの中にデジタルは一粒たりとも存在せず、同輩のスマホを駆使する姿には驚異と尊敬しかありません。話をホームページに戻すと、実はお江戸に居る小学校の同級生T君が作ってくれ、中にある 土居邸便り と 土佐便り の二つのブログ(?)も彼が更新してくれます。私は写真と記事をメールで送るだけ。 それだけ。

そのT君から羊羹が届きました。名声高い 「とらや の おもかげ」黒砂糖ベースの一番好きな羊羹なのであります。

omokage.jpg

20年ほど前のこと、この「とらやの羊羹」「松山の薄墨羊羹」「窪川の塩羊羹」「大月の柿羊羹」が一緒になった時があります。
甘党の友人たちを集め、名前を隠して「 どれが一番美味いか?」をやった。なんとその時は「大月の柿羊羹」が僅差なれど一位を獲得。私は「とらや」がぶっちぎりの優勝と思っていたのに・・・・・・?
「こいつらには二度と とらや は食べさせんもんね」

後日、釣りに行った帰りに大月町を通った折に「柿羊羹」の本店に寄りこの話をしました。経営者の方はすごく喜んでくださった。ところがその後の展開は無し。こちらとしては「これが新製品です。味見してください」とかなんとかを期待してないといえば嘘になるけど、一緒に行った奴が言うのに「おい、ヨダレ出てたぞ」

これを正直もんと呼ぶかは判断の分かれるところですが、「善人は犬の前でも恥ずかしさを感じることがある」という人格ではありません。
いつの日にか糖尿病でのたうちまわる時、このチェホフの言った言葉が舌にしみることになるでしょう。

ともあれ、明日世界が滅びようとも俺は今日羊羹を食べる。ちょっと苦いお茶でネ。

2016.02.22 道は遥けく笑いは遠い

2016年02月22日

朝に目覚めて思うことは「今日はどんな面白い事に出会えるか」
知らないことを知っちゃう面白さは何物にも代え難く、聞く話であれ 読んだり見たりであれ、出会うとつい顔が笑っちゃう。

ところが先日、鳥作家の堀田さんが来店のおり、なにかの拍子に『スタッドレス-タイヤはクルミが混ぜ込んであるんだぜ』とおっしゃった。 「え~っ、そうなの?」 『この本に出てるヨ』
なんとそれは私のお気に入りで、お客様に読んでもらいたくて店に置いてある物。写真の【天然素材の生活道具】だったのであります。確かに何回も読んだ。全編 へえ、そうなんだ と いう物満載なのに、このスタッドレス-タイヤ の項が記憶に留まってなかった。

改めて読んでみた。クルミの殻を粉末にしてゴムに混ぜ込みスタッドレス-タイヤに仕上げる。
他にも金属やプラスチックなどの清浄剤、研磨剤として非常に具合が良いということが記されている。そして最後に「捨てればゴミ、生かせば資源」と締めくくっている。普段ならば間違いなく Oh ! となっていたはずなのに、何で?

検証結果 : 南国土佐に暮し、雪道とは縁遠い生活がアンテナを錆びつかせた。
ばあちゃんがよく言ってた「氏より育ち」を思い出した。 本来の意味とは少しズレているけど、生活環境がその人間を育てるということがよっく分かったのでアンテナを磨こう。
ということで

P1010940.JPG
『天然素材の生活道具』
かくまつとむ 著  奥田高文 写真
小学館 税込 ¥1500

2016.02.15 誰か釣りの話をしようぜ

2016年02月15日

数年前に高知の建物を見に来てらっしゃった東京のMさん。土居邸を最後に訪問しようと寄って下さった。
その時に「マスター、鳥が好きなんですね」という話から、Mさんが集めてらした鳥の置物を頂くことになり、大小取り混ぜて200羽もの鳥たちが土居邸に降り立ちました。彼らはケースの中やテーブルの上でお客様との話の主人公として、おしゃべりおじさんの手助けをしてくれていました。

sakana.jpg

そして今回、今度は魚たちの置物を頂きました。
密かにさすらいの釣り師を目指して海、河、川、渓流、そしてダム湖を駆け巡り、最近はそこいらの水たまりや金魚鉢にも怪しげな視線を向けている と 言われる。旅番組で川や渓流が映されると「これはいい川だ。水量も多いし人の手が入ってない」ちっとも景色を愛でてない。水中の魚しか見てない。
タイに居を移した友人が「遊びに来いよ」と言ってくれるけど、なんだかタイには茶色の川の水のイメージしか持ち合わせてないので、考え中、思案中。「水の汚い所へは行かんもんね」これではいい旅が出来るはずもない。

sakana_1.tif■■■sakana_2.tif

お断り: 決してタイ国に喧嘩を売ってるのではありませんし、綺麗な水には魚も住まないという先人の言葉を忘れているものでもありません。ともかく、願ったり叶ったりが泳ぎ着きましたのでご覧の通り。 頂いたMさんの膨大なコレクションに驚きつつも、感謝と嬉しさのお裾分けをお客様に。

「マスター、鳥だけではなく魚も好きなんですか?」こう口をすべらせると『実はですねえ・・・』釣りや魚の話は止まらない。
お客様、お気をつけあそばせ。

2016.01.16 嬉しいこと二点

2016年01月16日

VW というロゴを目にすると、私は即座に フォルクスワーゲン と思う。
私が小学生時分、およそ60年ほど前には企業は別として今のようにあらゆる商品にも、小さい店やイベント、そして個人にさえもロゴマークってのがあったのかしら?多分あったのだろうけど子供の眼にはとまってない。ほとんどの個人の家には駐車スペースなんて物はなく、自動車が男の子の興味の対象にはならなかった。もちろん消防自動車、パトカー、トラック、バス という分類はしただろうけど車種の名前やメーカーなんか全く知らない。

P1010876.JPG

ところがいつの時代にも変わった奴はいるもので、「あれが日野ルノー」「これがヒルマンミンクス」「それは何々、これは何々」そんな同級生が「あれがフォルクスワーゲン。ドイツの自動車だぞ。VW はそのマーク」こう言った。その時の友が我より偉く見えた感覚を思い出したのが写真のワーゲン。
ビートルと呼ばれた乗用車は最近でも新旧取り混ぜて 眼にしますが、これはめっきり姿を見なくなった。ナンバープレート がついているので現役でしょうが、ジャッキで車を支えているのは、少しでも負荷を軽くし車をいたわっていること。
爺さんなんだか嬉しくなっちまってパチリ。

読書家であるとか、活字中毒ということもないけど、結構本は好きです。でもって 最近読んだのがこれ。

P1010887.JPG
ちくま文庫 大村彦次郎 著 「東京の文人たち」 ¥880+税

小説家、画家、随筆家、詩歌人、評論家、劇作家、役者、総勢101人の東京出身者だけを集め、彼らの生き様死に様のエピソード、誰も知らないであろう個人的な隠れ話に交友関係を一人3ページほどで紹介している。何故に東京だけなのかは不満の残るところではありますが、名前さえ知らなかった御仁がわたしの好きな作家と仲が良かった だの、全く共通点のなさそうなこの三人は交流してたのか だの、この言葉はこの人が言ったのか だの、が満載で実に面白い。

若い頃に読んだきりで何十年もご無沙汰していた作家達の名前が出てくると、確かに私にも青春らしきものがあったんだなあ、てな 何だか恥ずかしくも懐かしいような嬉しい気持ちになります。

土居邸2016はこんな感じで始まりました。
やっと正月気分が抜けて思うことは、正月まであと351日しかないじゃんか。

2015.12.25 お客さまに感謝

2015年12月25日

P1010814.JPG

午前中は縁側から座敷へと暖かい陽が射し込み、土居邸の特等席として紹介しようとしてふと気がついた。童話だったか、北風と太陽のどちらが旅人の服を脱がせられるかを競い、太陽の勝ちという物語。凡人は自分本位。寒い冬の暖かさからは物語は作れない。ただ眼を細めるだけ。まだまだあるぞ。ドウダンツツジの残った一枚 。
O.ヘンリーは「最後の一葉」という見事な短編を書いた。庭にはびこるクモの巣。お前ら、いい加減にせいよと冷酷に掃除する。芥川龍之介は「蜘蛛の糸」で主人公のカンダタを通し人間の自分勝手を戒めた。

普段見慣れたものから普遍的な上質を創り出す。見習うお手本を眼にしたのは随分昔であったのに、この歳になって突然心に落ちた。ただし、ただ落ちただけで何も変わらない。落ち葉だっていつか栄養一杯の土に変わるというのに。

来年は申年なので、1年間の施政方針を思いついた。

申ものは追わず来るものは拒まず

喫茶のオヤジとしてはこんなもんです。

今年はありがとうございました。皆様よいお年を。

2015.12.22 やっと冬が来ゆう

2015年12月22日

土居邸では11月の声を聞くと庭のドウダンツツジの紅葉が始まり、ひと月程で葉を落とす頃にはあちこちから冬の便りが届きます。ほとんどが落葉を済ませ、来春に向けての芽はちゃんと準備を整えている中、しがみつくように残っている葉を見てちょいと身につまされた。動物や植物を擬人化して考えると本質を見誤るとしたものですが、年々寒さが身に堪えだしたおじさんは、この葉に我が身を重ねてしまった。
「みんな行っちゃったぜ。そんなに一人で頑張らなくても」涙ぐみながらの写真。(嘘です)

P1010813.JPG

地球規模での温暖化のあれこれが現実味をおびて、やっと経済発展だけが人類の幸せではないと気づき始めた「考える葦」が増えてきたのは誠に喜ばしい。が、会議室の中で膨大な数字だけを前に自然をどうにかしようとしている方々が、カエル や トンボ に 蛍、そして環境の変化に敏感な野山の小さな植物達をご覧になっているとは思えず、遅々としているうちに全くの手遅れになりそう。
「地球が本気で怒ったら怖いぞ」を合言葉に頑張ってほしいものです。

本日、ドウダンツツジの残った葉を見て、違和感と気になったことを。

  • ■■001.tif■■002.tif

サン テグジュペリ が言っている。人類が最後にかかるのは、希望という名の病気である。さもありなんとは思ったけれど、彼は愛用のヒコーキごと行方不明。星の王子さまにはならず、どこかに墜落してしまった。
人生は気休めであるのか、それともリアリズムであるのか。そこが難しい。

2015.12.17 オヤジバンド の新たな危機

2015年12月17日

我らオヤジバンドでは、私 一応 サイドギター と ボーカル を担当しています。先日の練習日にこんな話が持ち上がりました。
なんと私にハーモニカを吹かそうというものです。三人のバンドでは何か決め事をする時には多数決でというのが法律になっており、この閣議も2対1で即決しました。ハーモニカ といっても ブルースハープ という2オクターブほどの小さいもので、長渕剛やフォーク歌手が歌と歌の合間に吹いているものです。

P1010801.JPG

小学生の時にちょっとだけ吹いたことのある程度の私のハーモニカ。この歳でこれは大変なことになった。練習せねばと吹いてみた。喋ることは充分のキャリアがありますが、吹く と 吸う だけしかないのにこれが難しい。曲によっては 吹く、吹く、吹く、吹く と4回続くものがあるのですが、この4回めには息苦しくなってつい吸っちゃう。当然音が違う。
非難がましい眼に耐えながらも顔を真っ赤にして頑張りながら、楽器ってこんなに息苦しいものなのか?
「ちょっと休憩、休憩」
ここではたと気が付いた。確かに三人の中では一番ギターが下手ではある。
一つの弾き方しか出来ないし、上達の見込みはなさそうだし、このままではレパートリーの広がりは望めない。あいつにはハーモニカでも吹かしておいてもっと上手いギターを探そうかという二人の魂胆を見破った。まあそれはそれである程度納得はしたのだけれど、実はもっと凄いことが裏にあった。
おいおい、ハーモニカ吹きながらでは歌を唄えんではないか。そうか俺の歌とギターは必要ないってことか。しかしだ、世の窓際族の悲哀を自営業に感じさせようとしてもそうはいかん。こうなりゃ 二人の前で過呼吸にて息絶えるまで、吹いて 吸って 吹きまくろうぞ。

あらゆるバンドが常に解散の危機を抱えているのはこういった事によるのですが、我がバンドの結成由来は、それぞれの葬式にCDにした我らの演奏を葬送行進曲として流そうというものだったので、望むところなのであります。

ホラ吹き爺さんをなめたらいかんぜよ。

2015.12.10 みかん

2015年12月10日

土居邸で羽を休めているたくさんの鳥たちは、堀田幸生 さんの作品です。
開店以来変わらずお客様の眼を楽しませ、鳥好き店主をもっと楽しませ、今では店の雰囲気の中に欠かせない存在となっています。
「マスター、この木彫りの鳥は誰が?」
「私、以前 堀田さんのバードカービング教室行ったことある」
「どうしてここにこんなにいっぱい居るんですか?」

『実はですねえ』 鳥好きおしゃべりマスター のスピーカー がスイッチON。『カラスが・・・ スズメは・・・・ジョウビタキってのは・・・・』もう止まらない。

その堀田さんが土佐のブランド[山北みかん]と一緒に来店。
そんな風に言うとあれだけど、ほんとはお土産持参で遠路コーヒー飲みに来てくださったのです。 これじゃ おんぶ に だっこ されたまま 棚からぼた餅を受け取ったのと同じなので、鳥作家から頂いた物の最初のおすそ分け には、やはり鳥達が順番ではないかと半分を置いてみました。しかしこれも 人のふんどしで相撲をとる と言うらしい。

P1010792.JPG

ドウダンツツジの紅葉と小鳥たちのツーショットを目論んだのですが、今日はあいにくの雨模様。 鳥は翔ばない。ところで何故に半分?優しさも半分では伝わらず、この天気はせこいマスターに対する天の神の御意思かも。

半分を美味しく食べつつ (神は細部に宿りたもう) という言葉だけは知っていたのに。雨が止んだら 次は一個まるごと。食べやすいように半分に切ってネ。

御照覧あれ!

2015.11.30 小津安二郎は 永遠に不滅です

2015年11月30日

女優の原節子さんが亡くなった。
彼女は四十の声を聞いて映画界を引退、その後六十年弱まったくマスコミに姿を晒すことなく静かに逝きました。小津安二郎監督の名作「東京物語」の上品な物腰や台詞がこの作品にえもいわれぬ格調を与え、寂しいはずのラストシーンに「老夫婦が 彼女に会えてよかったね」という優しさが辛さを包む込む印象がありました。
演技の向こうにこの人はほんとに優しいんだろうなという雰囲気がありました。
「麦秋」ほか数本の出演作を見たにとどまりますが、この「東京物語」の 原節子 が私の中ではオンリーワンでありベストワンなのです。

P1010790.JPGP1010791.JPG

写真の 芸能画報 はお客様にお借りしている物で、昭和28年発行の映画雑誌です。
その中に 原節子 若かりし頃の写真がありましたのでどうぞ。

絵コンテが最初にありきという 漫画が原作という最近の映画事情とは違い、映画製作が総合芸術といわれ、全編を通して監督の小津安二郎の個性が感じられる「東京物語」を若い人たちに見てもらいたく、原節子 訃報 を耳にして思い立った次第。

ちなみに、フランスだったかイギリスであったかは定かではないけど、歴代の映画監督NO.1に選ばれたのは ビリー ワイルダー や フランク キャプラではなく、ビットリオ デシーカ や フェディリコ フェリーニ でもなく世界の名監督達をおさえてこの 小津安二郎 だったのです。

2015.11.19 おじさんは空を見た

2015年11月19日

やたら雨の多いこの秋ですが、今日は青空が広がり気持ちも快晴となる。
土居邸での私の定位置から空を見上げると、見事に電線と平行に飛行機雲。

おおむね喫茶店なるものは店に入るとカウンターなんかがあって 、そのむこうで店主やオシャレなエプロンのかわいこちゃんが「いらっしゃいませー」が普通。ところが土居邸は紙問屋だった建物を喫茶店にしているため、店主の居場所は店の奥の隅でコソッと隠れるように椅子を置いた場所が定位置なのであります。
来店のお客様は入り口で人の気配のしない店内に向かい、つい「ごめんくださーい」とおっしゃいます。私もつい「はーい」 申し訳なく思いつつも七年がたっちゃった。

見上げた空に話を戻して。
空に飛行機雲が長い間消えずに残っていると、天気は下り気味だそうな。空気中の湿気が多いためだそうな。この辺りの上空は飛行機の通り道らしく、空に数機一緒に見えることがあります。

P1010725.JPG

実は写真の[動物たちは何を見ている?]を読んでいた。著者は眼科医でして、虫から恐竜まであらゆる生き物たちの眼の構造や視力、そして視野や物がどんな風に見えているか、色はどうなのか、果ては眼病にまで及んでいる。
で、なにげなく空を見ちゃったら飛行機雲だったわけ。見たくて見たのではないのに見たら線がいっぱい。普段は電線を景色の邪魔物としてしか見てなかったけど、今日はちゃんと平行線だったので許しました。

世の中に曲げられぬ原則はない と申しますが、飛行機雲だけは直線がいいなあと思った次第。

P1010727.JPG

動物たちは何を見ている?
武藤政春 泰流社 ¥2200

2015.11.15 ジョービタキ で思うこと

2015年11月15日

昨日と一昨日は止むことなく雨が降り、普段は頻繁に庭を訪れる小鳥たちの姿も皆無でした。
やはり水鳥と違って体内から分泌される防水油も雨具も持たぬ彼らは、自宅や軒下で黙って空を見上げ、「この世に止まぬ雨はない」と思っていたに違いない。で、今日は朝から暖かい良い天気。

午前中は ヒヨドリ や スズメ で賑わっていましたが、午後から ジョウビタキ の姿。目立つ色合いと、わりに人を恐れぬ行動から冬鳥(越冬のため冬に渡ってくる鳥)の代表のようにいわれる小鳥で、カメラを向けても知らん顔でしばらく庭で遊んでいました。

P1010712.JPG

思い返すに確か昨年も今頃この小鳥が飛来して秋の終わりを感じたんじゃないか。なんだ、はや一年が過ぎたのか。光陰矢の如しとはいうけれど、この矢、俺の矢はターボ付きなんじゃないのか?

P1010713.JPGP1010715.JPG

そこでこの一年を振り返ろうとしたけど、なにせ凄いスピードだったため景色も事柄もぼやけてはっきりとしない。全部つなぎ合わせても10日分ほどにしかならず愕然としちまった。 確かに魅力的な多数のお客様が来店 充実した時間。本もかなり読んだ。風邪もひいた。土居邸コンセプトである ゆるゆるぐだぐだ とはさほど 離れてない毎日ではあった。

なのに・・・・・・・・思い出せない。
決して忘れようとして思い出せない訳ではないのに。

似合わないけど 深い思索の結果は「ようするに外で遊んでないからだ」「季節季節で山や河や海でのけじめがないからだ 」せっかくの四季を一季で過ごしたのでは野生爺が泣くっていうもんだぜい。誰かが言った「書を捨て街へ出よ」 を 「書を捨て野に出よう」 に言い換えてこの冬遊び呆けるぞ。春がきたらもっと遊び呆けるぞ。夏は・・・・・・・。
ひょっとしたら来年の秋にはほんとに呆けていたりしてネ。

皆さまお風邪など召しませんように。

2015.11.09 おーい冬がくるぞ

2015年11月09日

今朝のこと 、出勤途中の車のラジオでリスナーからの植物全般に対する質問に、一人の男性が答えていました。今日の質問は、アジサイの植え替えのことと、柿の実が熟成する前に落下するが何故なんだろう。というもの。過去にも時々この番組のコーナーを聞くことがありましたが、どんな質問にも素早く的確な答えと説明があります。
植物には絶望的に疎く、ただ食べれるかそうでないかが重要ポイントの私にとって「この人はほんとにすげーな。知らない事はないんじゃないか」といつも思っています。

感心しながら店に到着。
先日のこの土居邸便りで紹介した花の終わったはずの駐車場にあるタンポポに 花 が。「何故 、今頃タンポポが花を咲かせるんですか?春の花ではないんですか?」

P1010700.JPG

もし、私がこんな質問をしても『それはですね・・・・・」と納得のいく答えが電光石火かえってくるはず。

そう考えながら気がついた事がある。
知らない事は想像が膨らむ。 知らない事は恥ではない。知ろうとしないことが問題である。 etc.

無知を着飾っても無知にかわりはないけれど、今朝は錯覚を楽しむことにしようっと。

2015.11.08 雨で思う

2015年11月08日

晴耕雨読の生き方や、そぼ降る雨に風情を感じたり、映画「雨に唄えば」や「シェルブールの雨傘」が大好きという方々にあわせる顔を持ち合わせておりません。というのもわたくし雨があまり好きではありません。虫は飛ばんし、小鳥たちも出歩かない。そしてなんといっても空が高くない。春の桜も、深い緑も、秋の紅葉も青い空にこそ映えて、より美しく思います。
ムヤムヤしていると午後から雨がやんだ。

P1010696.JPG

土居邸のトイレへのアプローチに飛び石が置かれています。
雨がやんで10分もすると石の表面は乾くのですが、写真のようにほんの小さい石があるだけでいつまでも濡れている。ということは、山々の保水は木々や土壌だけでなく地中の石や岩や凸凹のあるすべての物が力を貸しているということか。
平らなコンクリートでは 水を溜めずに表面を流れていくだけか。そりゃ洪水は起こるわな。川の護岸工事は洪水を起こすためのものだったのか。

P1010699.JPG

土居邸の入り口にあるこの植物。名前も知らず水さえ切らさなければ一年中葉を繁らせています。
これは今は亡き友人の母上から頂戴したもので、どんなことがあっても枯らしてはならぬと、朝晩の水やりを欠かしてはいませんが、今日は雨の中に出したのです。いつもはきれいだけど水道水だけが食事なので、たまには栄養のある水でもと思った次第。ただし、もしこれで枯れたらどうしようという気持ちも少しはあるんですな。

子供の頃、原水爆実験の盛んな頃、放射能が含まれた雨に濡れたら禿げるぞと言われた記憶は、この歳になっても拭いきれず、この歳になったからこそよけいに拭いきれないのであります。

やっぱり雨は嫌いじゃ。

2015.11.01 ホカロン=熱烈歓迎

2015年11月01日

天気予報は 足摺岬 気温16度、室戸岬 気温17度、いの町本川(ほんがわ)気温8度、といいますけど、市町村合併により現在はいの町、旧本川村は愛媛県との県境にある山間部で、県下でも気温の低い場所として知られています。冬には雪が積もりチェーン規制が発令される。
30年来ホームグランドにして遊んでいるこの本川にある大森川ダムは、人が乗れる程厚くはないけどダムが全面凍結するほど寒い所。県外の友人達は天気予報を目にし「おまえんとこ、大丈夫か?」ここには南国土佐という言葉から受ける印象が常夏の高知、街路樹はパイナップル、冬でも半袖、そして私に対して持っている「絶対祖先はポリネシア」「裸で槍持って走る姿が一番にあうぞ」という思い違いが見え隠れする。
いちいち説明するのも阿呆らしいので「バーロウ、冬に一回来てみろ」

で、今朝のこと。土居邸に出勤、駐車場に車を停めてふと見るとタンポポの残花。いつもは「ん?この時期になんで?」と思うのですが、今日は違う。「高知は10月でもタンポポが咲くんだもんね。ほんとは暖かいんだもんね。北の友達よ遊びにおいで。」そして心身とも凍えさせてやろうとニンマリ。

P10.jpg

しかしだ、よくよく考えると「井上はへらへら暮らし、いい加減なことばかり言って人生を送っている・・・」に 「嘘つき」が加わるとやはりちょっとまずいので、朝晩の気温が下がり、 庭のドウダンツツジの紅葉が始まりました。山沿いでは紅葉も終わりました。秋も深まりつつあります。冬鳥のジョウビタキが渡ってきました。そろそろストーブを出そうと思っています。

ここである言葉を思い出した。
ホラはリアリズムをよそおった文体で語られる。
ムムムムム。

でもこんな言葉もある。
真っ赤なウソもばれるまでは白い真実。
へへへへへ。

2015.10.26 お客さまは神様ですぞ

2015年10月26日

基本的に土居邸ではJazzをながしています。
四十数年前のスピーカーが開店以来7年の間ひと言の文句も言わず、たまには他の音楽だって鳴らしたいだろうに、黙ってじゃないけど頑張ってきた。低音、中音、高音 の三つの内、中 高音用のスピーカーがほんとに沈黙した。低音用だけでお茶を濁していたのです。喫茶店ですので珈琲を濁すと言いたいけど。
そんな時Yさんが来店。この方、真空管アンプをも自作する桁違いのオーディオマニア。ちょっと聞いただけで「上の音が出てないネ」じゃあ ということで診察して下さった。「うーーん。入院すればなんとかなるかも」そして「 我が家に使ってないスピーカーがある。持ってきてあげます」

P1010682.JPG

写真の下が無口な方で、上が貸して下さったJazzにぴったりのUSA製のもの。配線から調整までやって頂いたのに、お礼は一杯のコーヒーとありがとうございます。だが スズメが小躍りして喜ぶ様を言った(きんきじゃくやく 欣喜雀躍)のマスターを見てYさんも嬉しかったはず。と思う。そして土居邸には変わらずJazzが流れています。

開店以来のお客様であり、来店の折りには彼女のブログで楽しく愛情に満ちた言葉で土居邸を取り上げてくださるNさん。
曰く「私、以前 野田知佑 さんに会ったことがあります」
一応30年ほどカヌーで遊んできたマスターにとって、 この野田知佑氏の遊び方と川に対する気持ちには共感することが多く、又彼の文章の大ファンであることからほとんどの著書を持っています。
「今度お貸しします。読んでみて」と自宅から持ってきた。しばらくページをめくることのなかった彼の本を久し振りに何冊か読んだ。「そういや最近カヌーに乗ってないな」「また仁淀川を下りたいな」
一緒に何回も川下りをした愛犬がいなくなってからは足が遠のき、長い間カヌーも伏せたまま。

P1010683.JPG

Nさんの 「私、以前野田さんに」 という 一言が 、最近とみにくたびれつつある爺さんの中に小さい火をつけた。

11月はカヌーでの 川下り には最高の季節。
水は澄み、鮎釣り師はいなくなり、紅葉は始まり 、仁淀川は南に流れるので冬の北風が吹いても追い風になる。漕がなくても下ってくる。「さあて、久し振りに水のうえに座ってみようか」

Yさん N さん 感謝します。

2015.10.22 まさしく小春日和

2015年10月22日

朝晩の冷えこみは、気温と共に暮らしている虫たちにとっては活動の終息と命の終わりを告げるものでして、世の虫好きにもさみしい季節になりました。
土居邸の小さい庭で昼間だけ見かけた蝶の姿が消えて、コオロギの声がし始めました。
寒到来という言葉があります。いよいよ寒く厳しい冬がきたぞ、という感じがするので好きな言葉の一つですが、秋到来や春到来そして夏到来にいろんな言葉を当てはめてもこの「寒到来」ほどしっくりきません。怪しげな記憶によると、いよいよ寒くなったぞということの他に古事に由来する大切な意味もあったはず。どうでもいいことはなんぼでも覚えているのに。

P1010681.JPG

写真のように土居邸の縁側には、この時期午前中に陽が差し込みます。
朝の掃除を済ませ、本日のお試し珈琲を淹れ、「さあ、今日も気合いを入れて」と思いながら縁側で陽だまりの中。10分もすれば 眼も身体も脳もポワンポワン 。「こんな日に仕事か?」
秋のこの時をあらわすぴったりのいい言葉を知らない。

P1010680.JPGP1010679.JPG

で、庭に眼をやると庭石につる植物。
庭の管理人としては「 頑張っとるじゃないか」 と 「枯山水には不似合いなのか?」そこで 人生は必ずしも「役に立つもの」だけで出来上がってるわけではない。
という言葉をここにあてはめて「これも風情でありますように」暑かった夏のことをすっきりと忘れて秋を楽しもうと思います。

秋風の 吹けども青し クリのイガ 芭蕉

2015.10.19 ムクドリ

2015年10月19日

道を隔てた土居邸の東側にビルがあります。
以前はNTTの所有で、屋上には大きなアンテナ塔のような物があります。 多分 いの町 では一番高い建築物と思われます。ハトやトビが羽を休める格好の場所になっています。

ハトは多くても数十羽、トビはほとんど単独ですので、かれらの鳴き声は町の生み出す音の中に溶け込み、そんなに邪魔にはなってない。
ところが一ヶ月ほど前からムクドリの大群が常駐するようになって、これが騒々しい。
最近都会の街路樹などを数千羽のムクドリが寝ぐらにするようになって、糞害や騒音の問題が取り沙汰されています。
鳥好きおじさんとしては「殺風景なコンクリート世界に野鳥の姿が見られるってのもいいんじゃないかい」と思っていた。
実は、隣の芝生は青かったり、対岸の火事だったり、走りながら花を見てたということだったのであります。

子供の頃に「夜の火事は見に行っちゃいけないヨ」と言われた。
いけないと言われると行っちゃうのが子供が子供たる所以で、近くで燃えてるはずなのにめちゃくちゃ遠い。なんぼ走っても行きつかない。気がつけば真っ暗な知らない場所。
結局行き着かず、おのれのバカさと罪悪感とでは泣くことにはならず 、 口をへの字に結んで帰り道の遠かったこと。

P1010675.JPG

話を戻して隣のムクドリたち。
昼間は採餌のためか姿は見えませんが、夕方には群れをなして戻ってきます。情報交換なのか,世間話なのか、無駄口なのか、とにかくやかましい。地面で暮らしている鳥類(コジュケイやクイナなど)は別にして、鳥は地面に降りた時には
鳴かないといわれています。かなり高い場所からでもよく聞こえるムクドリたちの鳴き声。
地面で鳴かれたたらとんでもないことになりそう。なんとか証拠写真をと頑張ってみましたが素早い 彼らを写せない。写らない。

でもってアジトの写真だけでは『却下』でしょうな。
そして今日も・・・・・・・

2015.10.17 眼からウロコって本当に落ちるんだ

2015年10月17日

私の学生時分のこと。
確かに彼らは本気ではあったけど、学生運動自体に疑問符を持っていた青年は学校閉鎖をこれ幸いと、雀荘、ジャズ、映画、古本漁りにうつつをぬかした。そしてアルバイトで得た数千円と、先輩に貰ったボロボロの怪しげな寝袋のような物を持ってあちこちの寺を廻った。当然食事は基本的にパンと水。たまに豪華なラーメンライス。駅の構内や交番の横が宿でした。

貧乏学生「あのうすいません、この横の自転車置き場で泊まらせて下さい」
おまわりさん『おお、いいぞ。中で寝させる訳にはいかんでのう』
夜露凌げて次の朝。『にいちゃんお茶がはいったぞ』
お茶すすりながらの質問責め。 『どっからきた?学生さんか?寺面白いか?』
あきらかに職務質問とは違って好意的なやりとりの後、『今晩もここで泊まれや』まあ交番の横は安全であること間違いない。

ちなみに当時運転免許を持っているとアルバイトの日当が1200円。(配達や運転手)持ってないと900円程度だった記憶があります。(倉庫整理や伝票起こし)

2.JPG

貧乏学生は当然拝観料のいる神社仏閣には入れず、坊さんが常駐してないような小さい寺ばかりを歩いてました。写真の「奈良 美の伴奏」はその時持ち歩き、ガイドブックの代わりとしたもの。普段は人目につかぬような、興味を持たれないようなものばかりが写真入りで説明してあります。
 例 薬師寺 本尊 の足裏。
  地蔵の首飾り。
  釣鐘の梵字。
  古城の石垣。エトセトラ、エトセトラ。
結果、今でも五重の塔や金堂より門の裏にある馬つなぎの金具とか、竹塀や基礎の石に眼をとられます。

話は変わって、親しくさせていただいているM画伯にこんな質問を。「デッサンとはどういうものですか?」その時は何もおっしゃらず、後日このデッサンをいただきました。版画家の池田満寿夫のデッサンです。

1.JPG

彼の版画を一度たりとも眼にしたことはないのですが、エロチックな映画を作ったり、TVでのアホげな言動から「こいつ、大丈夫かいな」そう思っていた。ところがこのデッサンを見て声も出ない。躊躇なく引かれた雑に見える衣服の線が、その内の女性の柔らかさと美しさを伝えている。そして画伯「これもデッサンなんだよ」

好きか嫌いか、全ての批評はこれに尽きる。これは私の比較的好きな言葉だったのですが、理由が分かりました。眼から一枚だけ濁ったウロコが剥がれた今、残っている大量の汚れたウロコを通してしか芸術を見れない奴の遠吠えにすぎないということが。
はたして残りのウロコはいったい何枚?

2015.10.08 アナログおじさん頑張ってみるの図

2015年10月08日

私の使っている携帯はガラ携と呼ばれているのをほんの最近知りました。

ダーウィンはガラパゴス諸島に生息するフィンチという鳥の生態に目を止め、簡単に飛んでいける距離にあるにもかかわらず、それぞれの島で多種及び固有のフィンチとなっていることから 進化論 にいきついた。
こんな話が好きで、ガラパゴス=進化論 というようにおじさんの前向きな感覚は、デジタル世代にとっては限られた世界で朽ち果てかかっている過去形だったのであります。

若者は言う「おんちゃん、いずれ全部スマホになるよ。今のうちに変えたら?」
おんちゃん小さい声で答える
「この携帯だって電話とCメールと時計だけにしか使えないのに・・・・」
若者 ガラパゴスゾウガメを見るような眼をしたが何も言わなかった。

以前、ハーバード大学の学生が日本の建築物を調査に来たときのこと。半分の学生にはカメラを持たせ、残り半分の学生には何も持たせなかった。帰国した後に提出させたレポートは、カメラを持たせた学生よりも何も持たせなかった学生の方が格段に優れたものだったという。
そんな話を胸に秘めつつも俺だってインターネット。

そこで 「くまむし」って?
P1010668.JPG

クマムシ :
緩歩動物(かんぽどうぶつ)と呼ばれる昆虫の元祖であるカギムシの近縁種。 体長1ミリ以下。
5億年前に現在の姿で生息していたことが化石から分かっている。地球上いたるところに分布、コケの汁などを吸って暮らしている。
ー260度 から +100度 でも生きながらえ、高真空や放射線に対しても人間の100倍の耐性をもっている。

なので、熱いとは言わずに 「あったかいんだからあ~」 と言うんだな。

これが大きかったらとっくに退治されていたんだろうなという姿ですが、私の大好きな昆虫の元祖ということと、5億年間何も変わらずいたってことがガラ携 なる言葉にあたふたしたおじさんを「しっかりせーよ」と戒めた。

先の名言によると人の心の中の変わる部分を流行。変わらぬ部分を不易という。
いかん、 このままでは流行に乗り遅れる。そう思っているうちは不易への距離はどんどん遠くなる。

これでは、ということでクマムシ。

2015.10.05 記憶が想い出とは限りませんぞ。

2015年10月05日

よく聞く話に、「 人は誰でも実際に起こらなかった事を思い出にすることが出来るものなのです」というのがありまして、どこかで読んだ事柄の主人公を自分にするとこれはなかなか楽しいものなのであります。そしていつの間にか脳の中ではさも自分の記憶のごとく組み込まれるのかもしれません。

記憶をしまってある袋の紐は、なにかのきっかけで突然引っ張られるもの。開いた袋からは、いままで一度たりとも思い出さなかったものが溢れ出ます。

P1010664.JPG

深代惇郎 のエッセイを読み終わり、末尾の経歴に目を止めた瞬間 紐が引かれた。著者は朝日新聞一面の下段「天声人語」の執筆者であった。中学一年生の夏休み、この天声人語の分からない漢字を全部調べる という宿題を出された。およそ40日、漢和辞典と国語辞典を前に数時間の悪戦苦闘。当時東京に住んではいたが 、生徒全員の家庭が朝日新聞を購読しているとは限らないし、中学生には難し過ぎると今は思うけど、国語の教師は平然と言い放った。
毎日、毎日、知らない漢字と意味の分からない言葉の多さに本気で教師を呪った。結果は辞書をひき慣れただけだったような気がするけど、案外それが狙いだったのかも。無理を通せば道理は引っこむらしいけど、この場合の道理は私の中に残っています。

P1010666.JPG

1974年10月15日 長島茂雄 引退 をテレビで見ていました。
巨人軍は嫌いだけど長島は好きという野球ファンは多く、たくさんの逸話で世間を楽しませたスーパースターの最後の試合のスポーツ新聞とTV画面を写した写真。久しぶりに見ていて再び紐をひいた。
小学生時分は多摩川の河川敷が遊び場でした。ここには巨人軍の二軍の練習場があり時々見に行ってました。ある日黒山の人だかり。なんだなんだと行ってみると長島と晩年西武の監督をした森がいたのであります。
森 は知らなかったけど、長島は立教大学の頃から有名で「あれ、長島だ、長島だ」。多分入団挨拶か何かだったと思うけど、ほとんどの家庭にTVがない時代に有名人を見た興奮をはっきりと思い出しました。

人には濃い記憶とそうでない記憶が混在している。願うは何かのおりに引いた紐が良い記憶だけの紐でありますように。

2015.09.19 嬉しかったこと

2015年09月19日

家族が言う。  「ガラクタに埋もれた生活はどう?」
これは私の部屋を指しているのであって、決して「好きな物に囲まれて幸せでしょう」との好意に満ち溢れた言葉ではありません。

ハンフリー ボガート が主演した (マルタの鷹)という映画に「重いな、これは何だ?」『夢のかたまりさ』というセリフがあります。このお気に入りをここで使わずしていったいどこで。そこで『夢のかたまりさ』すると「ガラクタ抱いていい夢を」 と 捨てゼリフ。

周りを見渡しても やたらいろんな物を集めているのは男性が圧倒的に多く、どちら様も家庭内での居場所がどんどん無くなっていると察せられます。ところが手元にある物達は『今に見ていろ。そのうち。時期が来たら」てなセリフとは無縁のものばかり。
小声で『物に愛着が持てないようでは人生が浅くなるそうだぞ。バーロウ』

そんなある日、とあるお客様が「真空管のラジオが好きなおじさん達が集まり親交を深める場所に土居邸をお貸し願えませんか?」
やはりお父さんたちも辛い思いであったか。『がってん。承知』ということで五人が集合。古いラジオを囲んで笑顔、笑い声、そして笑顔。とても楽しそうにいい時間を過ごされました。

P1010644.JPG

後日、その中のお一人Sさんが1960年代のラジオを貸してくださいました。
アメリカ製で KLH というメーカーのもの。土居邸ではFMしか入りませんが、このラジオから聞こえてくる曲はまさしく音楽が音楽だった頃の音で、胸に頭に染み入ります。

P1010646.JPG

もう一枚の写真はCD世代の若いお客様が時々「これ、映写機ですか?」と尋ねられる、当時はオープンリールと呼ばれたテープレコーダーです。ラジオと同世代ゆえ並べてみました。

ちなみに現在でも いろんな音源はすべてテープに保存していると聞いたことがあります。CD は100年先に音が出るかどうかが分からないので、というのが理由だそうです。

2015.09.08 紙のことあれこれ

2015年09月08日

土佐における製紙の最古の記録は、醍醐天皇(927)の勅命によって編纂された延喜式のなかにみられる。ようするに1000年も前に紙漉きが行われていたということ。

一方ヨーロッパにおいては1700年の初頭に、フランスの物理学者レオミュールはスズメバチが木を噛み砕いて巣の上に貼り付け、それが空気に触れて乾燥すると紙のようになるのを見て、この方法で紙を作れないかと考えた。
そしてその実現は1852年ドイツ人ケラーにより乾燥木材粉砕機の発明により、初めてパルプから新聞用紙が製造された。

和紙は コウゾ か ミツマタ から作ります。洋紙は 一部を除いて木材全般から。この時点で木々たちの永遠の受難が始まったとも言えるんですな。我が いの町 は和紙で栄え、発展、そして現在に至りますが、紙の恩恵に思いを馳せても、木々たちにはそうでないようで申し訳なく思います。普段は日本の紙幣しか手に取ることがないので、千円札より一万円札の方が絶対ありがたいと思うくらいで、大きさや出来具合は気になりません。

aa0.jpg

ここでアメリカ紙幣。
1ドルも10ドルも1000ドルも全く同じ大きさらしい。残念ながら私は1ドル紙幣しか見たことがないので、らしい なのです。この1ドル札は、十三に関連したものがたくさん描かれている。ピラミッドの階段。ラテン語の「神はわれらを助く」の語は十三字。鷲のくわえた「多数で一致」の語も十三字。鷲の頭上の星の数。盾の縞の数。左足の矢の数が十三本。右足で掴んでいるオリーブの葉の数。合衆国当初の州の数が十三。十三はラッキーな数だったためだそうです。

そしてアメリカ史上、ただの封筒の裏に書かれた有名な文章が二つあります。リンカーンの「ゲティスバーグの演説」と 国歌の 「星条旗よ永遠なれ」
紙の恩恵計り知れず。「大切に使わにゃ」と言いながらティッシュで洟をかむ。

経済的貧困と精神的貧困をいつも比べているのに、なんたることか!

2015.08.23 遂に決行

2015年08月23日

虫好きマスターを知ってか知らずか、今年の土居邸はハチの巣 建築ラッシュになっています。いずれも敷地と駐車場を隔てている 低い塀の内外に三軒。合計すると数十匹が出たり入ったり。もしもお客様に何かあっては取り返しがつきませんので、 引越しをしていただくことにしました。

ハチにはこれぽっちの敵意も、そしてなんの落ち度もないのですが、人様はオオスズメバチを筆頭に ハチ=刺す の公式をお持ちのようで、

「あの喫茶店はハチを飼ってるぞ」「あのマスターならそれもありうる」「あのマスターはハチに刺されても免疫があるらしいぞ」「あいつはあの怖いハチの味方らしいぞ」「この前ハチをなでていたらしいぞ」

というような噂が広がる前に決行の運びとなった次第。

a.jpg

ということで住人が居なくなった空き家三軒を回収。

ハチが低い場所に巣を作る年は雨が少ない。そんな話があります。だから今年の台風は全部高知を避けて通るのかを納得しました。
そして夕方になって戻ってきた数匹が、無くなってしまった我が家を探してうろうろしているのを見てちょっとは胸が痛んだけど、たぶん顔はどこかの悪徳地上げ屋のようになっていたに違いない。

「虫好き」が聞いて呆れる顛末をどうぞ。

2015.07.25 とりあえずヤバイぜ!

2015年07月25日

前回の土居邸便りで昇天蜂 を紹介しました。
こんな所で何故に? とは思っていたのですが、今朝答えを見つけました。土居邸は20年ほど前に補修されております。その時に庭にも若干の手が入り、用済みになった灯篭が二つ庭の片隅に置いてあります。 裏口のすぐそばです。その裏側の目立たないところに答えがぶら下がっていました。
直径が10cmほどの蜂の巣ですが、この大きさになるまでには結構時間を要する。毎日出入りにこの裏口を使っているのに全然気付かんかった。

bbb.jpg

蜂は基本的に自宅である蜂の巣に危害を与える者には攻撃を加えますが、そうでなければ割と知らん顔。しかしだ、もしもお客様に何かあっては大変なので取り除く決意。蜂は夜間には行動しませんので、卑劣ながら寝込みを襲うことにしよう。
丈夫な袋に巣ごと閉じ込め親子共々餓死させる。瞬間冷凍スプレーで動けなくして退治する。火炎放射器で全滅させる。

いかん! いかん! 日頃虫たちの味方でありたいなどとのたまっているのに。
歴史の年表をさかのぼれば一目瞭然ですが 戦争をひき起こしたのは常に老人なんですなあ。

冬には蜂の巣に蜂が残ることはないので、それまでそっとして置きお客様には注意をしつつマスターが近衛兵を務めるか。はたまた 戦犯覚悟で敢然と戦争を仕掛けるか。 悩み、考えている内にも巣はどんどん大きくなる。どうしよう? どうしたらいい?

VAYA CON DIOS (バイヤ コンディオス)
神とともに行け という意味で、こんな場合には良さげな言葉ですが、私にも蜂にも全く関係ないので言ってみただけです。

2015.07.24 梅雨明け?

2015年07月24日

昨日までの幾日も続いた雨があがり、今日は日差しの強い快晴。空の色や空気の感触では、やっと梅雨も明けたか雰囲気ですが、日本列島の南に台風がいるため、気象庁は四国に対して梅雨明け宣言を出していません。

夏大好き爺さんとしては「絶対梅雨は明けておる。この後雨になってもそれは夏の雨で梅雨の雨ではござんせん」こう思いたい。 同じ濡れるにしても気分が全然違うぞ。

aaa.jpg

土居邸の庭に カクレミノ という常緑樹があります。この木は普段でも小鳥たちや、蜂を筆頭にカナブンなどの昆虫で賑わっています。 蝶や蛾の羽には鱗粉があり、これが水に濡れると剥げ落ちるので雨の日に彼らの翔ぶ姿を見かけない。これは私が勝手に思っていることで、本当かどうかは定かではありません。ところが今朝のカクレミノ。写真の蝶たちの今年初めての乱舞。むろん蜂やそのほかの昆虫たちが大量に押しかけて凄いことになっている。

思うに、彼らのセンサーは人間の及ぶものではないので、蝶たちのはしゃいでいる様子から「やっぱり梅雨は明けとる」こう確信したのであります。

といってもアメダスに結構信頼を置いているので、希望的確信ですが。

2015.07.17 土居邸には裏口があります

2015年07月17日

随分前のことになるのですが、お客様より面白い話を聞きました。
クマバチは自分が飛べないということに気がついてないから飛べるんだと。 たしかに身体のわりには羽が小さいので「やはりそうだったのか」と言ってしまった。

このクマバチ、クマンバチと呼んでスズメバチより親しく感じていたのは、その丸まった体型と花の蜜が主食というヤギやヒツジのようなベジタリアンはなんだか温厚そうといったうわべだけの情報によるのであります。

確かにオオスズメバチに刺されて死亡したという記事は目にするがクマバチに刺されたというそれはほとんど記憶にありませんし、最近その姿をあまり見かけません。

P1010587.JPG■■P1010585.JPG

土居邸には駐車場からすぐに 入れるように引き戸の裏口があります。その裏口のそばの塀で昨日スズメバチを見つけた。
この阪神タイガースのユニフォームようなハチには基本的に 私もちょっかい を出しません。
ところが今朝も昨日と同じ場所にいるではないか。
そっと近寄ってみるとなんととまったままで息絶えている。「死人に口なし」おっと違うぞ。ハチの武器はお尻にある。
とにかくお客様には危害が及ぶ心配はなくなったのでしばらくそのままにしておくことにしました。

あしからず。

2015.06.16 こんなんどうでしょう

2015年06月16日

梅雨入り発令と共に雨か曇りの天気が多くなって、ひからびたおじさんにとっては潤いとなるか、それともカビもつれとなるかは龍神様の気分一つ。

ずっと ずっと遠くの海で エルニーニョ とやらの現象起これば日本古来からのお決まり季節である梅雨にも影響があるそうな。
しかし私としてはスペイン語より龍神様の方がこの時期の雨にはしっくりきます。ただし、全体の雨量としては梅雨より秋霖(しゅうりん)と呼ばれる秋の方が多いということです。

それはそれとして、椅子とテーブルを頂きました。以前、あるお客様に庭で珈琲が飲みたいと所望されまして、庭石の上に座っていただいたことがあります。でもって置いてみました。

P1010571.JPG

日本庭園にはちょっと違和感を感じますし、暑さや寒さにも不適格であろうこのセットは常設とはしておりませんが、ご希望とあればいつでも。

今にも雨の降りそうな日にこんな話題を・・・などと思っていたら降りだした。
慌てて片付けながら先の名言をひくなら、「杯のある時には酒がない。酒のある時には杯がない」まあ人生はおおよそ具体的なものなのであります。

2015.06.11 雨 雨 雨 雨が降る

2015年06月11日

土居邸での喫茶渡世に身を置く前は本屋をしておりました。
田舎の小さい店では、本の配達抜きでは店の維持が難しく、多い日には300軒もの配達先をかかえ、一日中バイクにまたがる生活での最悪の日は、誰が何と言おうと雨の日でした。
本をビニール袋に入れる手間。場所によってはカッパの脱着。首筋から入る雨粒。夏には雨だか汗だか分からぬびっちょびちょ。ということで私の一番嫌いなものは雨なのであります。
当然、二番目も三番目も雨だったのです。

山頭火の句に「雨なれば 雨をあゆむ」また「山あれば山を観る 雨の日は雨を聴く 春夏秋冬 あしたもよろし ゆうべもよろし」

何を言ってやがんでい 山頭火。バーロウ 雨の日に本の配達してみやがれ。

ところが、土居邸でのお客様で雨の日にだけいらっしゃる方があります。ゆっくりと雨を楽しみ、静かな時間を過ごされます。

ムムム、なんだかかっこいいじゃんか。

大人の遊びは雨天決行。雨を楽しめないようでは大人ではない。ということなので、その御仁の目線で写真撮ってみました。ヘボカメラマンでは雨の状況を写せませんので、想像力で補っていただきたいと存じます。

P1010567.JPGP1010568.JPG

ところで「喫茶」という言葉は、鎌倉時代の禅僧 栄西(ようさい)が茶をたしなむことに使ったのがはじめてだそうです。
『それがどうした』
そんなことおっしゃられても。

2015.06.09 気になる

2015年06月09日

私の友人にカマキリを異常に嫌う男がいます。
確かにカマキリは近寄ると、相手が数百倍の大きさであろうと立ち上がって鎌を振りかざし、怖じた様子は微塵も感じられません。
三角形の顔と何処を見ているか分からない眼は、アップで見るとなかなかの迫力ではあります。ところが首を背中側から掴むと、彼らの武器である二本の鎌は後ろには廻らずジタバタします。そして攻撃をかわせます。
この伝で地蜂(ジバチ)を掴んでみた。ところがハチの体はエビと同じように曲がる。
結果、針のあるお尻はくるりと動いて指先を刺された。少し腫れた。

ギリシャ神殿に書かれている言葉に「自分を知るには一生かかる」とある。ガキの頃からの虫好きは今も変わらねど、この歳でいまだにこの始末。痛む指を犬のように舐めて治すとしよう。

P1010566.JPG

雨を避け、軒下にはってある蜘蛛の巣を見て梅雨入りを実感する。蜘蛛の巣の中心にクモがいる。
クモの足先だけギザギザ糸がある。これは何のための物?
虫たちの行動には必ずはっきりとした理由があるので、ちょっと気になる。

2015.04.30 カエルでひと言

2015年04月30日

土居邸での日課の一つに庭の雑草取りと、落ち葉拾いがあります。
常緑ではありますが、春と秋には結構な数の葉を落とすカクレミノのお陰で、桂離宮や栗林公園の広大な庭を管理している人達の苦労がほんの少しだけ分かります。と同時に「この落ちている枯れ葉が全部一万円札だったらなあ」と思っているのも よっく分かります。

P1010539.JPG

でもって今朝のこと。ドウダンツツジの中に一枚の葉。その上でのんびりしているアマガエル。
カメラを近ずけても動かない。身体の割には大きな眼でこちらをじっと見てる。

P1010538.JPG

カエルは食べる時に眼を使う。食べ物を口に入れまぶたを閉じると堅い眼球が下に押す力となり飲み込むのを助ける。両生類の中では人間に比較的好かれている理由がこの大きな眼だろうと思いますが、ヤモリも全部黒眼のつぶらな瞳で可愛いですぞ。

こんなカエルを山頭火はこう詠んだ。
『 蛙になりきって 跳ぶ』

カエルの跳躍力は大したものなので走り幅跳び世界記録も夢ではありませんが、カエルは両足で踏み切るので人間には無理ですな。

2015.04.21 愛読書?

2015年04月21日

高校の担任だった現代国語のY先生には大切なことをたくさん教わった。口癖は「諸君。本を読めよ」
「いいか、本を書くということは 膨大な資料の研鑽と血を吐くような苦しみの中から生み出されるものだ。たとえそれが自分の感性に合わなくとも、たった一行に おっ!と思える箇所があればその本は安いもんだぞ」そして「 本というものは疑似体験の宝庫だぞ 」 これについてはある小説家がこう言っている。「この本は私に経験を与えてくれる。久し振りに酸で洗われたような快感を覚える」

また、英国の 哲学者 フランシス ベーコン がこうも言っている。
「人は読書によって知識が豊富になり、会話を交わすことによって能弁になり、書くことによって正確になる」

卒業の時に私たちに贈ってくれたY先生の言葉は「辞書はひくものではなく、読むもんだぞ」ということで今でも時々ひろげています。これが結構面白いのだけれど、いかに知らない言葉がこれ程あるのかと打ちのめされたりします。

P1010527.JPG

岩波書店 広辞苑 新村 出 編 ¥ 5000
厚さと重さだけを考えてもこれは安い。

2015.04.04 いきさつは こういうこと

2015年04月04日

ある日、書籍小包が届き開けてみると「九州ジャズロード」
「ん~、頼んでないのになんで?」2日ほどして電話がかかってきました。これが著者の田代俊一郎さん。
『四国ジャズロード を出したい。つきましては取材をお願いしたい。福岡の書肆侃侃房(しょしかんかんぼう)という出版社からの出版です」
土居邸としては基本的に取材はお断りしておりますが、福岡ということと地方小出版 扱いであり、通常書店には並ばないということで「お願いします。よろしく」

後日、田代さんがお見えになり、ああだのこうだのとお話しする。途中大好きな釣りの話をはさむと、田代さんの眼がキラリン。盛り上がる、 盛り上がる。釣りの話で盛り上がること。
そして田代さんが『ジャズと釣りが好きな人は全部いい人ですぞ』もはや竹馬の友以上。『いつか 高知に 釣りに来ます。その時はご一緒しましょう』こんどはマスターの眼がピカリ。

そして「四国ジャズロード」が出版の運びに。四国四県のジャズ好き店が網羅されている。やはりプロが書くとこうなるんだという見本は、ゆるゆるぐだぐだの土居邸をも見事に紹介して下さった。

そして田代さんは釣りについても本を出されている方なので、たそがれた釣り師であるマスターはご一緒できるを楽しみにしているのであります。

P1010511.JPG
田代俊一郎 著   書肆侃侃房 四国ジャズロード ¥1800+税

尚、土居邸に一冊だけ在庫が残っております。

2015.03.15 女優さん

2015年03月15日

アカデミー賞を最多の4回も受賞した キャサリン ヘップバーン。
私の大好きな女優です。晩年の出演作に「黄昏」があり、ヘンリー フォンダ と老夫婦を演じました。画面のヘップバーンは確かに年齢相応で、指先が微妙に震える。今までに数々の名演技を見てきたこの女優の大ファンは思った。
「老いの表現をここまでするか。さすがヘップバーン」
ところが後日、それは演技でなく彼女自身だったことを知る。そのままで歳を重ねた美しさに新たな感動を覚えた。そしてこの「黄昏」で四度目のオスカー獲得。2003年6月29日に96歳で死去。

P1010495.JPG
キャサリン ヘップバーン の若かりし頃の写真。

イラストレーター の 和田誠 はとてつもない映画好き。映画に関する本をたくさん書いています。その中に「たかが映画じゃないか」という映画評論家であり友人の 山田宏一 と映画についてああだのこうだの喋ったものが和田誠の似顔絵付きで活字になっています。

この「たかが映画じゃないか」という本の題名について。
「 カサブランカ」で日本のファンを獲得した イングリット バークマン。スウェーデンから渡米して三度のオスカーを受賞した やはり大女優。ヒッチコック 監督の「山羊座の下で」の撮影中のこと。バークマンは傑作にしか出たがらず、どんなに自分の気に入った作品に出ても「次はもっといいものをやりたい」そう言っていた。
当時のハリウッドの撮影方式が気に入らなかったが、ヒッチコックは議論しても始まらないので 「イングリット、たかが映画じゃないか」そう言った。

これっぽちも たかが映画 なんて思ってもないのに 、和田誠はこの話を本の題名にしたというちょっといい話。

P1010496.JPG
イングリット バークマン の若かりし頃の写真。

映画の話で日が暮れればいいのにと思っている土居邸マスターが往年の女優さんでつぶやいてみました。

2015.02.19 庭のカクレミノという木

2015年02月19日

土居邸での喫茶渡世が7年になります。
春と秋にはいくらかの葉を落としますが、このカクレミノは常緑木として小さな庭での悠々たる存在感を示しています。形の違う2枚の葉の写真はどちらもカクレミノの葉です。

P1010466.JPG

7年前にはこの二種類の葉が半々くらいで「この木は変だなあ」と思ったので聞いてみると「10年まではそんなもん。10年過ぎると全部普通の葉になるぞ。この木は大方10年経ってるぞ」とのお言葉。
2,3年後にはその通りになり、この4,5年は全部普通の葉ばかり。
ところが今年落ち葉の中に写真の一枚。それもたった一枚だけ。

P1010469.JPG

いつも「おおっ?」とか「ん?」やらを楽しみに暮らしたいと思っているので、「この葉は?????」
物事は理由が分からぬほど妄想と想像が膨らみますので二枚の葉を前に結構楽しめました。

ものの本によると、雲が湧き起これば龍。風が吹けば虎。とある。
そして どんな鳥だって想像力より高く飛ぶことはできないだろうを「そうだその通りだ。いいこと言うじゃん」と納得して笑った今日はいい1日になりそうだぜい。

2015.02.17 お詫び&復活のお知らせ

2015年02月17日

ご無沙汰致しまして申し訳ございません。
去る12月の中頃にパソコンが突然倒れ、あらゆる治療の甲斐なく再起不能の診断を下され途方にくれていました。
捨てる神あればやはり拾う神もいらっしゃるものでして、私のホームページの管理全般をしてくれているT君がこの度の拾う神だったのであります。
彼は小学校のクラスメートでありまして、飛行機が飛ぶ事を100%信じている訳ではない根っからのアナログマスターを決して見捨てず、iPadを貸して下さり本日ホームページを更新の運びとなりました。
慣れぬ作業のオンパレードは顔が難しくなったまま戻らぬ本日はこれまで。

2014.12.10 ジョウビタキ

2014年12月10日

土居邸の庭には カクレミノ という木があります。
春と秋には少しの葉を落としますが、一年中枯れることなく茂っています。名前がそうさせるのか、そうなのでこんな名前がついたのか、四季を問わず小鳥たちで賑わっています。
そしてこの時期、野鳥の中でも特に人を怖じない ジョウビタキ の姿が頻繁に見られます。今朝も開店と同時に飛来、しばらく庭で遊んでいましたが、少し大ぶりのヒヨドリが飛んでくるやどこかに行っちまった。

ジョウビタキ 以外はおおむねカクレミノの中にいますが、この子だけは庭石や屋根、そしてもう一本の小さなツゲの枝をも遊び場所にして目を楽しませてくれます。他の鳥たちはカメラを向けるだけで逃げ出します。

P1010449.JPG

道路に設置されているカーブミラーや車のサイドミラーの前で、写っている自分の姿に文句を言っている姿をよく見かけるジョウビタキ。自分を狙っているレンズも彼にとっては危険な対象物ではないようで知らん顔。

ちょっと可愛い色と尾羽のあたりの白いワンポイントは
一度目は「おっ!あの鳥なに?」
二度目は「あれはジョウビタキー!」

ヒタキの仲間は ノビタキ キビタキ ルリビタキ 等います。
どこかで読んだ本に、ヒタキ類の鳴き声が火を焚く音に似ているのでヒタキとついたとあったような気がする。うる覚えなので違っていたらごめんなさい。人の生活圏でよく見られる小鳥なので探して下さい。

可愛いですぞ

2014.11.12 バンドの危機

2014年11月12日

おじさん3人のそれぞれが左手に大怪我を負い、ギターを弾くには不自由をしておりますが、へたくその言い訳としてはこんなにも適役はありません。
そんな3人がバンドを結成したのが5年前。付けた名前が「リハビリテーションズ」こんなおやじバンドにうら若き女性がボーカリストとして参加してくれたのが4年前。悪友たちが申すのに『なんだ、そのお嬢さんは介護にきてくれるのか?』
『名前を ナース&パンパース に変えろ』とやっかみながらやかましい。

そのお嬢さんが昨年結婚。メンバーの「結婚とバンドとどっちが大事なのか?」の声を無視してお嫁さんに。そしてこの度めでたく赤ちゃんを授かりました。
よかった よかった と言いつつ作戦会議。考えられる道は三本。人は言う。「分かれ道」を通るためには人は誰でも選ばなければならない。でもって、

* 解散する。
* 三人だけで続ける。
* 新しいボーカルを探す。

彼女の予定日は5月ということなので、それまでにラストコンサートを行いその後新しいボーカルを探すということに決定。そして「彼女の席は抜かずに子供の手が離れたら復活の道を残そう」と相談しながら気がついた。

「おい!何年先か分からんけどその頃俺たちはまだ生きてるのか?」
「・・・・・・・」
「もしも何とか生きていてもその頃ちゃんとギター弾けるのか?」
「・・・・・・・」
「ボケてお互いを忘れてるかもしれんぞ」
「・・・・・・・」

P1010432.JPG

それはともかく 写真は ドブロ という楽器。カントリー&ウエスタン で使われたりします。
レパートリーの中にこのドブロの入った曲が一曲だけあります。

「とりあえず今はラストコンサートに向けて練習しましょか」
「そうしましょ」

2014.10.14 坂本龍馬

2014年10月14日

Twin soul 土居邸は明治22年頃に土居馬次郎氏によって建てられた「見附」屋という和紙問屋を借りての喫茶渡世であります。この商家は現在築120年以上を数えますが、ここでマスターがふと思った。土居邸がですぞ、明治22年より30年ほど前に存在しておれば「龍馬が伊野へ来ておればひょっと寄ったかもしれん。なにせ龍馬はたくさんの手紙を書いている。当然和紙が必要ではないか。絶対立ち寄ったに違いない」

こういった希望的風評はお客様に夢を見ていただける。昔の建物にはうってつけの話題ではないか。ところが残念なことに坂本龍馬の死後の建築でありますから、風評どころか完璧な嘘つきになるのであります。

寺山修司が言っている。
『歴史は嘘。去ってゆくものはみんな嘘。そしてあした来る鬼だけがほんと』この歳になって鬼には会いたくないので口を閉ざすとしよう。

P1010413.JPG
光風社出版 坂本龍馬全集 全一巻 25000円

監修の平尾道雄 と 編集、解説の宮地佐一郎 の両氏は共に高知県の誇る優れた歴史家であり龍馬の残した書翰、そして関係文書を網羅してある本書に掲載されている写真をどうぞ。

P1010411.JPG
左 武田裕次 中 勝海舟 右 坂本龍馬
P1010412.JPG
海援隊士
右から 白峰駿馬、千屋寅之助、陸奥宗光、坂本竜馬、岡本健三郎、長岡謙吉

余談:西郷隆盛の写真は一枚もありません。これは本人の意向らしく、残っている肖像画は親戚の目鼻立ちや家族の記憶などをつなぎ合わせて制作されているそうです。

2014.09.19 生きる

2014年9月19日

写真家 星野道夫 は 1996年8月 カムチャッカ クリル湖畔にて熊に襲われ急逝しました。
アラスカをこよなく愛し数々の写真と文章を残しています。マスコミにはほとんど姿を見せず、死後ドキュメンタリー番組などで彼の断片を見る機会があっただけで、残された写真集や書物から彼の姿や生き様を想像するしかありません。

ところが書き起こした彼の文章は、稀に見る厳しい自然さえ愛おしく思えるほど優しく、人が生きてゆくために不可欠の環境は手つかずの自然の多さであることを語りかけてきます。極寒の地に暮らす動物たちはそれ以外に生息する生き物達よりはるかに人間の干渉は受けにくい。そしてそこには太古より変わらぬ生態と自然が残っている。

星野道夫はその中に身を置き、自身を同化させながら写真を通して知らせようとした。利便性の追求はいずれ地球を滅ぼす。数百万年の歴史を数百年で変えられるはずもなく、そのつけはいずれ払わされることになる。写真も文章もそれらしきことは何も言ってないが、受け取る側には心に何かを起こす。

「野生動物は人間を必要としない」
この言葉の意味がはっきり分かる。

まもなく没後20年がきますが、
星野道夫 が永遠にこのままの姿であって欲しいと願った風景が今も変わらずありますように。
そしてこれからも。

P1010387.JPG
写真集 アラスカ(極北生命の地図)朝日新聞社
5800円+税

P1010389.JPGP1010388.JPGP1010390.JPG
長い旅の途上 文藝春秋     森と氷河と鯨 世界文化社    ノーザンライツ 新潮社
1619円+税          2800円          1800円+税

このところ地球規模で起こっている災害をほとんどが人災ではなかろうかと密かに考えているので星野道夫に登場してもらった次第。

2014.08.29 何のために?

2014年8月29日

かなり前のことになるのですが、高知の大丸デパートで中古のカメラを展示販売する催しがあった時に父が私に「よさげな一眼レフを買ってきてくれ」と言った。さほど写真撮影やカメラに趣味を持たぬ父が、カメラには全くの素人である息子に依頼すること自体がピントがずれてる。

任せとけとばかりに勇んで出かけた息子は、大量のカメラと全員カメラマン風の人達がごった返している前で立ちすくんだ。彼らと店員さんとのやりとりは初めて聞く言葉ばかり。端っこの方でしばし途方にくれていると一人の若い店員さんが声をかけてくれた。「何かお困りで?」―溺れる者は藁をも掴むー 最初にこの言葉を聞いた時に思ったことは、溺れてる人にストローを投げても掴むのかいな? ※注:現在と違って昔のストローは藁で出来ていたのです。

話を戻して、声をかけてくれた店員さんにいきさつの説明をすると、しばらく考えた後に一台のカメラを選んでくださった。金額も取り扱いも初心者にはうってつけとのこと。基本的なことだけを教えてもらいお礼もそこそこに逃げ出した。

そしてさも自分が一番いいものを選んだのごとく父に手渡す。このあたりがやっぱりピントはボケとるんですな。ところがその後数十年父がそのカメラを手にする姿を見たことがなく、突然「おい、このカメラ使えや」

P1010344.JPG

レンズのキャップをはずしてみるとレンズはカビだらけ。友人のI君に頼んでレンズの復活掃除をしてもらった金額が2万円。これでいよいよカメラマンへの道を踏み出す私にI君が『このカメラは古いので部品がほとんどない。よって使ってはいけない。年に一回シャッターを押すだけにしろ。その時は俺が来て押すから』

私のカメラマンへの道はここで完全に途絶えたのであります。そして主人公のアサヒペンタックスは何もせずそこにあるだけ。
ピューリッツア賞を受賞するも戦場で亡くなった報道カメラマン ロバート キャパの名著に「ちょっとピンボケ」というのがあります。

キャパでさえそうなんだから・・・・・・・・・ 一生ピントが合わんでも。

2014.08.09 ある日のこと

2014年8月9日

外国の新聞や雑誌には風刺漫画がよく掲載されています。
世情や時の人をからかっているものですが、これも書く側にユーモアと愛情がなければ見る側に不快感しか残りません。

英国の代表的な新聞であるタイムズが毎年エイプリルフールの日にとてつもないジョークで紙面を飾ります。読者もそれを楽しみます。もし朝日新聞がそれをすると日本の読者はどういう反応をするか。想像はそう難しくない。世間を騒がせた議会の下品な野次もユーモアの資質を持ち合わせてないため。

こんな話があります。
若者がバナナを食べながら歩いている。食べ終わると皮をポイと捨てた。後ろから来た初老の紳士がその若者の肩を叩いてニコニコと言う。『手袋のかたっぽが落ちましたよ』

よく「人の不幸は蜜の味」とか「他人の不幸は私のしあわせ」てな言葉があります。釣り師同士でも大漁の話なんぞは聞きたくもなく、海に落ちた だの 竿が折れた 報告は笑いながらとてもいい話として聞きます。ここには実に和やかな空気が漂いますし親密感がふつふつとわくのです。

そこで今回はどんくさい話をば。
写真の金色の包み紙。店主はチョコレートと思い込んだ。お客様のお茶うけにとお皿に入れてうやうやしく。どなたも召し上がらない。皆さん残される。ひょっとすると不味そうなのかと開けてみた。中身は角砂糖だった。

P1010342.JPG■■P1010343.JPG

優しいお客様のどなたからも指摘は受けませんでしたが、皆さんの胸の内・・・考えたくない。
その現場に運良く居合わせたお客様、尾ひれをつけて話してください。「ねえ、ねえ この前土居邸で角砂糖出された。糖尿病の熊じゃあるまいし ねえ」「マスター 大丈夫かいな?」

こうして笑いの輪は広がってゆく・・・・・・・はずだ

2014.08.08 お見舞いお礼

2014年8月8日

先週の週末は大雨が降りまして、TVのニュースは いの町 の水害映像が日本中を駆け巡りました。

県外に居る友人、知人から電話とメールのお見舞いが殺到しました。懐かしき声を聞きながら相手の顔を思い浮かべつつの対応でした。幸い自宅や土居邸は水害を免れたのですが、いの町在住の友人や世話になった方が被害に遭われ、かける言葉がありません。

一旦水没した物はどのようにしても元には戻らず、大切な物や、思い出の品をゴミとして処分する辛さは想定外などという言葉ではかたずけられません。

それでもちゃんと町村で指定されたゴミ袋に入れて出している日本人を心より誇りに思います。

土居邸のお客様を含め被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。

2014.07.29 自然の中でCoffee

2014年7月29日

世界中の大自然の中で遊び、それを生業にしている人達が言うのに辺境地ほど圧倒的にドイツ人が多い。アラスカの河をカヌーで下っていると川面に響く声はドイツ語ばかりで、ここはほんとにアラスカなのか?

我が国では大の大人が一ヶ月もの休暇を取って遊び呆けてると、周りから『あなたは一生遊んでなさい』の烙印を押され、人生の敗北者扱いのそしりは免れません。この点においてはどうも先進国ではないようですが、休まず働く文化が今の日本を作り上げたのも事実です。

思いますに、人生にとっての大事なものは遊びの中から受け取り育つので子供の時にたくさん遊ぶと結果として楽しい自由な大人になる。日本はなんと自由な大人の少ないことか。我が身を恐る恐る振り返ると意識だけは自由なんだけれど、はたして行動はそうではない。

そこで朝晩ちょっと涼しい風が吹き始める頃に、土居邸を屋外に持っていこうと考えた。旧吾北村(現在いの町)の仁淀川支流のどこか川原に椅子とテーブルを置いて、土居邸は本日だけここで営業してます。メニューは珈琲だけです。てな感じで。

キャンプ用の椅子ですので川の中に持ち込み自由。その時足は水の中。足をチャプチャプしながらのコーヒータイムはちょっと楽しいかもしれません。

P1010340.JPG

写真はなんと図ったようにドイツ製のコーヒーミル。これを使ってお客様に自分の豆を挽いていただきます。そして店主は見てるだけ そして 淹れるだけ。

秋のある日開店 乞うご期待。

2014.07.14 追憶してみた

2014年7月14日

以前千葉の幕張メッセなる大きなイベント会場へ フィッシングショー を見に行ったことがあります。世界中の釣具メーカーが一堂に介して釣り道具の大見本市。

竿やリールはもちろん、250馬力の船外機のついた20フィートものバスボート、電動モーター装備のカヌー や これはいったい何に使う物か といったもの、果ては小さいつりバリやウキ、そして帽子にカッパまでの展示におじさんはひたすら眼が輝いた。やはりこれほどの規模の催し物は首都圏だからこそだなあと感心しきり。ところが私が小学生の頃の幕張といえば遠足に、海水浴に、潮干狩りにといった場所だった。そこには砂浜と青い海が広がっていた。

そして今をときめくディズニーランドのある浦安は釣り船屋が林立、高校の時にここで船を借り、友人たちとハゼ釣りに通った。当然釣ったハゼは舟屋で天ぷらにしてくれた。現在絶滅危惧種となって東京湾のほんの一部と、宮崎県だけに生息しているアオギスを釣るための背の高い脚立が浅瀬の海の中にいくつも見えた。ところが現在は皆様ご承知のとおりでして、日本中が同じ景色に染まっている。古い個性は便利さの中に埋没してしまった。

P1010243.JPG■■P1010245.JPG

写真はギターに使用する カポタスト という道具。これで音階を調節します。友人にギターを習い始めた高校一年生の時に買い求めたものをずっと使っています。

P1010242.JPG

古いものが必ずしもいいと思ってはいませんが、初めてこのカポタストをギターに装着した時の嬉しさは、50年たった今でも使うたびに何百回となくよみがえります。

これってすごく幸せなことと思うんですけど。

2014.07.12 鳥のこと少し

2014年7月12日

ツバメのように季節限定で目にする鳥たちは、ほとんどが渡り鳥のカテゴリーに入ると思います。これは日本列島の存在する位置が大いに関係があります。
亜熱帯から温帯、そして亜寒帯までの地域に分布していることと、四季のあるおかげで年中渡り鳥たちで賑わいます。
繁殖のため、避暑のため、避寒のために南から北から幾種類もの鳥たちが日本を訪れます。彼らには国境が存在しませんので、良い食糧事情と安全環境であることだけが選ぶ場所の決定につながっています。

例の国定忠治が「赤城の山も今宵限り、雁が南の空へ飛んで・・・」と言ってるように、かなり古い文献や和歌にも渡り鳥が登場します。日本人にとって花と鳥は季節を感じる代表的なもの。残りは風と月か。

最近住宅の屋根にソーラーパネルが増えてきました。あと50億年は不滅である太陽の恵みを充分利用しようとする英知(?)の一つですが、一年中、そこら中にいるカラスが石でこのパネルを割る被害が増えているそうな。

以前新聞を賑わした東海道線の線路への置石事件。神奈川県警捜査一課も乗り出し、悪質な列車往来妨害事件として操作を開始。結果は証拠写真でカラスが犯人だと判明しました。カラスはチャレンジ精神と好奇心の塊でして「普通鳥はそんなことしないだろうが」といった クルミを地面に置き車に割らせる、すべり台で滑る、動物の背中の毛をむしる、行動が報告されている。

昔から賢い鳥。または悪賢い嫌われ者として君臨するカラス。死肉を含め何でも食べる習性はゴミ置き場や農家にとっては厄介者であります。普段見かけるカラスは“ハシブトガラス”と“ハシボソガラス”のどちらかですが、嘴の大きなオデコの出っ張った強面ハシブトガラスが『カー カー』と澄んだ声嘴のスマートなカラスにしてはイケメンハシボソガラスが『ガー ガー』と濁った声人は見かけで判断してはいけないということ。

P1010226.JPG

写真は堀田さんの作品。
バードコール といって バードウォッチング をしている人たちが小鳥を呼ぶための道具。金属の部分を回すと小鳥のさえずりのような音がします。そして回し方によって違った音になります。カラスの鳴き声は出せないのでカラスが近寄ってはこないと思いますが、彼らはどこかで見ているし、聞いているに違いない。

そして『アホー アホー』と鳴くにきまっている。

2014.07.07 やっぱり犬が好き

2014年7月7日

よく耳にする話で、イヌ好き派とネコ好き派はどう違うのかというのがあります。お互いの主張はまさしくそのとおりでして、ネコ科の動物は基本的に単独行動なのでイヌのように団体で生活するDNAは組み込まれてないと思う。

現在では人と仲良く暮らしてはいるけれど、元々持ち合わせている本能が色濃く残っているのは別にネコの責任ではありません。動物とはわが種族保存の為だけに甚だ勝手でわがままで自由な生き物なのであります。

そこには全てのものを含む食物連鎖と、自然に生かされている結果としての淘汰が敢然と存在しているのです。とっくに本能を失くしてしまった人間以外はですけど。ところが、人間の一番古いパートナーとしての動物である犬には使役犬や猟犬のように。最近では盲導犬や介護犬や麻薬探知犬のように人の生活の一部に関わっています。
それも無償かつ何の見返りもないのに。褒め言葉だけを糧にして。立ち上がれないほど弱った犬でも飼い主を見るとグラグラしながら立ち上がり尻尾を振ります。

そんな犬たちにあふれる愛情を注いだ作家が 戸川幸夫 です。
山形県高畠地方で絶滅に瀕していた高安犬(こうやすいぬ)を題材にした“高安犬物語”で昭和29年に直木賞を受賞しました。当時から動物もの作家としては著名でしたが、作家=フィクション といった図式がまかり通る我が国では戸川幸夫をナチュラリストとは考えてなかった。

P1010225.JPG■■P1010224.JPG

そして戸川幸夫が西表島においてイリオモテヤマネコを発見の報にも、学者たちの「どうせ野生化したイエネコさ」という冷ややかな評価が主だった。ところが西表島から採集してきた2枚の毛皮と一個の頭骨が日本哺乳動物学会で発表されると世紀の発見であることが証明された。
多くの物的証拠と学者顔負けの周到な調査は 戸川幸夫 が単なる動物作家ではないことを知らしめることになった。

P1010222.JPG
「高安犬物語」 主婦の友社 生き物との愛(非売品)に収蔵されている。
「いぬ馬鹿」  小学館 ライブラリー714 ¥760
「愛犬記」   PHP文庫 ¥480

犬の好きな方にも、そうでない方にもお薦めする次第です。

2014.06.09 監視カメラ

2014年6月9日

最近物騒な事件が相次ぎ、いろんな場所にある監視カメラの映像が犯人逮捕の決め手になっています。普通の生活をしている大部分の人は、監視カメラの存在を自覚せずに行動している。そして街中ではほとんど上には注意を払わないことが習慣となっている。

この時期私は渓流にアメゴを釣りに行くのですが、山道のところどころに落石注意の表示があります。『おっ!』と思っても狭いクネクネ山道ではとても上に注意を払っている場合ではなく、カーブを曲がった途端に対向車があるやもしれず、前方に100%意識を向けている。

落石は車に当たるまで気がつくめえ。その時はどうぞ小さい石でありますように。

P1010090.JPG

写真はとある量販店の入口に設置してあるものですが、ツバメの子が羽を休めていました。当然ツバメは監視カメラの存在自体を知りませんので、巣のちかくで止まりやすい場所として利用しているのですが、ツバメを見ながらふと思ってアハハと笑っちまった。

清廉潔白に生きてるツバメは決して映らない。不逞の輩はよく映る。
人生は具体的であるという先人の言葉をかみしめた。

真面目に生きねば。

2014.06.09 柳家さん喬(きょう)落語の夕べ ご報告

2014年6月9日

6月6日 雨の中をたくさんのお客様が土居邸に足を運んで下さり、柳家さん喬師匠の本物の話芸に笑いと感動を共有しました。

P1010088.JPG

人間国宝 故 柳家小さん の弟子であり、一貫して古典落語を語ってきたさん喬師匠はマスコミやTVにはあまり登場せず、落語情報の少ない我が県ではありますが、大の落語ファンである店主が35年余になる土佐暮らしの中、一度も柳家さん喬という名前に出会わなかったのであります。

ところが数年前にTVで偶然師匠の落語に出会い、『おっと、本物の落語家』」話が終わって、{出演は柳家さん喬さんでした} 『こんなに上手い奴なのに知らん』ところが声に聞き覚えがあるのです。

『ラジオで聞いたんかなあ』どうも気になってネットで調べてみる。写真や経歴の中、本名を見た時蘇った。
高校の同級生であり仲良くなったI君じゃんか。母校には無かった落語研究会を一緒に作ったあのI君だったのか。卒業と同時に柳家小さんの弟子になったのは知っていたのに、前座の時は小稲(こいね)という名前だったのに。その後同じ同級生の結婚式でお祝い小話を聞いたのが最後。これが37年前。

そうと分かればなんとかコンタクトをと店主が動き始める。
縁とは突然現れる物で、土居邸のお客様のKさんが師匠の大ファンで接点がお有りとのこと。来週東京で師匠にお会いするとのこと。Iさんも土居邸で師匠の話を聞きたいとのこと。

『同級生の井上が高知で喫茶をしてて、店で落語をやりたいと思っている』それを師匠に伝えて欲しいの依頼を快諾してくださった。地方高座のお世話を18年もしているO氏を紹介してくださり、皆様のおかげで今回の運びになりました。

P1010089.JPG

初めて生での落語に接した方の多かった今回の高座でしたが、初めての時に笑うのも落語。人情噺では涙するのも落語。といった本物の話芸に出会えたことは来ていただいた方の心に忘れられない何かが残ったと思います。

柳家さん喬 師匠に心より感謝。次回を聞くために店主頑張ってみます。

2014.05.23 コンサート報告

2014年5月23日

P1000957.JPG
土居邸コンサートを22日の夜に行いました。

馬頭琴&ホーミー(岡林立哉) バウロン(トシバウロン)
ハンマーダルシマー(小松崎健)の三人によるユニット名はカルマン。

P1000977.JPG
モンゴルの伝統音楽、馬頭琴&ホーミー
アイルランドの太鼓 バウロン
中世ヨーロッパの楽器 ハンマーダルシマー

ほとんどのお客様が初めて聞く馬頭琴の音色に、喉歌と呼ばれるホーミー。
アイルランドが起源といわれるハンマーダルシマーの澄んだ音。
アイリッシュ音楽には欠かせない太鼓バウロン。

モンゴルを吹き渡る広大な風を感じる旋律、独特の印象を持つアイリッシュ音楽。

この三人によるコラボレーションは、日本人の耳にはとても心地よく響いたようで、コンサートが済んで帰る時の笑顔が主催者やアーティストには何よりのご褒美となります。

三人の演奏者と来ていただいたお客様に感謝します。

2014.04.17 春はいいぞ

2014年4月17日

初めて会った瞬間に竹馬の友になっちまったKさんは札幌在住。仕事で来高時は我が家で宿泊していただき親交を深めて30年余になります。
そのkさん、季節の折々に北海道の美味いものを送ってくれます。

毛蟹、タラバガニ、イクラ、キングサーモン、牡蠣、甘いもの。

そしてこの時期はグリーンアスパラガスが届きます。普段私は自然界の生き物たちで春を感じています。「鴨が帰った。ジョウビタキも帰った。アメゴの解禁。ツバメが渡ってきた。桜に梅。カエルが、タラの芽、イタドリ、筍、」と。
最後にこのアスパラガスで毎年私の春は完結するのであります。

P1000943.JPGP1000945.JPG

南国と北国では季節感に時間差がありますが、戴いたものでその土地に思いを巡らせられるのはすごく楽しい。「おお!北国にもお待ちかねの春到来か」距離が縮まります。

以前、北海道にはクリの木がないらしいという話を聞いたので、クリを送りました。なんとそのお礼が 毛蟹。おすそ分けした友人が「俺、山グリ拾ってくるわ。箱一杯送ろうぜ」
一瞬だけれど、そうしようかなと思ったのを白状します。貧乏人の想像力はこの程度でして、友情にヒビが入るのはこういうことからなのであります。

P1000942.JPGP1000937.JPG

土居邸のドウダンツツジが花をつけました。もうすぐサツキの蕾がふくらんできます。
今年はこの時期のカツオの水揚げが少ないらしいので心配。

2014.03.10 石川 啄木

2014年3月10日

歌人 石川啄木は貧困の中夭折しましたが、残された短歌には文学少年でなくても心象風景として受け取れるものがたくさんあります。何故に父がこの3冊の本を中学生の息子に買ってきたのか一度も尋ねたことはないのですが、旧仮名遣いに苦労しながら読んだ記憶があります。

P1000899.JPG

人生経験の少ない子供には意味の分からない歌が多い中、純真無垢であったはずの少年は当時この句に胸が高鳴ったのであります。

* やはらかに 積もれる雪に ほてる頬を 埋むるごとき 恋してみたし

そして、こんな句に不穏な空気と怖さを受け取ったりました。

* こそこその 話やがて高くなり ピストル鳴りて 人生終わる

いずれも 歌集 「一握の砂」 の中に収められていますが、この時点で少年は啄木ファンになったのであります。

P1000900.JPG

少し刻がたって高校時代。母校に辞書編纂の第一人者、金田一京助氏が講演に来られた時の話。金田一京助氏と石川啄木は親交があり、赤貧啄木は幾度となく金田一氏に借銭を申し出、これに応えたそうですが、返金されないままに啄木は死去。
「あいつはなんてひどい奴だ」の思いのまま葬儀に出席するも、奥様より啄木の日記を手渡され、中には某月某日金田一より二円五十銭、某月某日金田一より三円二十銭、というように全額克明に記してあったそうです。これを読んだ時に「石川は返すつもりだったんだ。無念の死であったか」と胸のつかえが氷解したそうです。

この話を聞いた時、啄木ファンの少年もすごく嬉しかったのを覚えています。
人生の最後、病に臥せり頃の歌にこんなものがあります。

* いささかの 銭借りてゆきし わが友の 後ろ姿の肩の雪かな

さて、歳を重ね、最近ひねてきたおじさんはこう思う。借金さえも美しく表現できる実力あってこそ名を残すか!

2014.03.06 雑談はいいぞ

2014年3月6日

土居邸のおしゃべりマスターは、お客様との会話時間のきっかけを作るために「これ何だと思います?」といったいろんな物を持っており、今回はその中の一つ、サハラ砂漠の砂を紹介します。
とある人から頂いたものですが、目にした全員が『サハラの砂ってこんなに赤い色なんだ』
そして『マスターどうしてここにあるんですか?』『マスター、サハラ砂漠に行ってたんですか?』
普通、質問には答えがあるとしたものなので、「実は・・・・」  ここから会話が始まります。

P1000898.JPG

サハラ とはアラビア語で砂漠という意味なので、サハラ砂漠 は 砂漠砂漠 となりますが、およそアメリカ合衆国と同じ広さが全部砂なのでそれでもいいかと思います。

砂粒は風で動かされ、互いにこすれあって丸くなりますが、いったん完全な球形になると何百万年もそのままの姿を保ち続けるそうです。ところがこの広大なサハラ砂漠も2万年ほど前の氷河期には、川、湖、森、そして草原地帯だったそうで、現在砂漠のあちこちに製粉用の石器が散乱しているのは、野生の穀物がたくさん生えていた明らかな証拠だそうです。

小さいビンに入ったわずかな砂にもこんな話が控えており、進むにつれ話は枝に分かれ、取り留めもなくなり、最後にはあらぬ方向へ飛んで行っちまって降り場所が分からなくなる。

ただし、「主権はエサ入れにエサを入れた途端に犬のものになる」という言葉があるように、マスターのくだらない話も、聞いた途端に聞いた人のものになるのであります。そして言った方の主権は消滅します。
しかし、会話を楽しむというのはそんなもんだろうと考えていますので、どうぞご容赦。

サハラ砂漠の砂

2014.02.17 その昔

2014年2月17日

いつの頃からでしょうか、世の中に自動ドアが当たり前の光景としてあります。
立てば開き、押せば開く。それも左右に大開放。

その昔は女性や年寄りにはドアを手前に開けて「お先にどうぞ」や出る人が先といった狭い出入口での礼儀があったものです。
ところが最近は開いたら通るといった有様でマナーのかけらもない。

人間は数千年前に自然から独立したと言われています。そして利便性を美徳と勘違いしたまま現代に至り、人間にとって大事なものをおおかた捨ててしまった。自動ドアはその一例かもしれません。

さて、土居邸は125年も前の建物ですので、引き戸に障子や襖は両手がふさがっている状態においては足を使わにゃなりません。
 まさか!
持ってる物は一旦下に置き、膝をついてうやうやしく開け閉め・・・・
 まさか!

最近の建築はドアが主流ですが、昔の人は考えた。土地の狭い日本だから前後にスペースのいるドアにはせずに、
ガラガラ引き戸の玄関にしたんではないかと思うのです。ところが引き戸は、兆番さえ付ければ「ハイッ、ドアの出来上がり」てなわけにはいかず、建て付けの具合が大工さんの腕の見せ所であります。
そこで裏口の木戸、別棟お手洗いの丸い窓 と 風呂場の小さな窓をどうぞ。

P1000877.JPGP1000878.JPG

P1000879.JPG

なんだか機能を越えた信頼を感じるのは私だけでしょうか?

2014.02.02 こ・と・ば・

2014年2月2日

関東から土佐に居を移して30年余になります。
最初は土佐弁が全く聞き取れず、電話のベルが鳴るたびに勇気を振り絞って受話器を取ったものです。最近は土佐弁での会話に困ることはないのですが、どうも発音のイントネーションがネイティブ土佐人とはかなり違うようで、近所の若い衆が「おんちゃんの土佐弁は県外の人でも分かる土佐弁」こう言います。

方言にはその時の状況や気分にぴったりの言葉が生活にとけこみ、口にした方も聞いた方も同じ感覚の中での会話が弾んでゆきます。それで言うと標準語のなんと味気のないものか。
ところが、下校途中の小学生達が大声あげての大騒ぎも標準語が主体で、聞いていてちっとも楽しくない。
これはTVの影響が大と思われますが、そのうち日本中が同じ言葉しか話せなくなりそうで実につまらん。

せめて県内向け放送の天気予報だけでも土佐弁にしてみたらと思うのであります。
『今日は午後から雨になるき傘を持って行ってよ』
『山間部は雪が降るにかわらん』
台風や集中豪雨はともかく、TV放送で一番クレームのつきにくいのが天気予報だと思うのでどうでしょ?

能田多代子さんが編した擬声語や擬態語の本の中にこんなものがあります。

*ごっぱごっぱ : 松の幹の皮をはがす音。
*もっつもっつ : 黙々とパンを食べる時の形容。
*じゃぼがぼ  : 人馬が浅瀬を渡る音

青森県東部で使われている言葉だそうです。読んでも情景が目に浮かびますが、実際に聞いた時には絶対顔が笑っちまうぜ。

土居邸には縁側があります。
晴れた午前中は部屋の中まで陽が差込み、なんともほのぼのとした空間になります。最近何にでも{癒される}という言葉を使いますが、近年寒さが身にこたえだしたおじさんは冬の太陽に勝るものはないかもしれないと思うわけであります。

P1000873.JPG

最後に異名が最多の方言は、メダカ です。
なんと3069もの違った呼び名があるそうです。しかし俺は メダカ としか聞いたことがないんだけど????
世の中知らんことだらけで、『翼よ!あれは何の灯だ』

2014.01.28 自然にはかなわない

2014年1月28日

大正生まれの私の父親は物を捨てない89歳。

これは何も捨てられない症候群ともいうのですが、クッキーが入っていた大きなブリキの缶の中は、折れたクギに錆びたクギ、そしてあらゆるビス、ナットにボルト、壊れかけた蝶番、なんだか分からない金属片、針のない画鋲の頭。ゆうに20kgはあり、持ち上げるのに掛け声がいるのであります。

息子 「こんなにいるの?」
父  『いつか何かに役立つと思って』
息子 「少しは処分したら?」
父  『・・・・・・・・・・』
非情な息子 「オヤジが死んだらかたずけるのは俺だぜ」
父  『・・・・・・・・・・』

ところがなんたることか、こんな時に極々小さいビスが1個だけ必要になっちまった。
厚顔息子 「これと同じビスあるかなあ?」
ドヤ顔父 『ちょっと待っとれ。ほれこれだ』
息子の胸の内 「くっそ~」

ある小説家の言葉に{人間、物に愛着が持てないようでは人生が浅くなる}とあります。この度小さいビスと親父に教えられたのであります。

土居邸は築125年あまりになります。建物を含めいろんなものが歴史を重ねて存在感を醸し出していますが、庭の隅に置いてある二つの灯篭は当時のもので、長年風雨にさらされた石肌としがみつくように葉を出している小さな植物とは、決して作り物では出せない味があります。

P1000868.JPG

庭にある大小の石はすべて仁淀川から持ってきた石らしく、主石となる中央のものは鯛の頭にも見えて、釣り好きマスターの侘寂心を刺激します・・・・・・・?。
石は数億年~数十億年の時が作り上げたものなので、この模様はできた時から何一つ変わってないし、これからも変わらない。

P1000870.JPGP1000872.JPG

私も古いものが好きでいろいろ持っていますが、たいしたことない。
ゴキブリは5億年も前から今の姿だし、樹齢2000年を越える木が現存する自然界には人類が作った物などかなうはずがない。

法隆寺の宮大工だった西岡棟梁の言葉。
「古いものがいいんなら、そこらにある石のほうがよっぽど古いぞ」胸に刺さる言葉。

二日ほど前にメジロが土居邸に飛んできました。彼らの気温に対する感覚は人間の及ぶものではないので、寒さも峠を越えたかとじじいが喜ぶの図。
ドウダンツツジの芽がふくらんできました。

この時期の口癖は「早く暖かくな~れ」

2013.12.19 メリークリスマス

2013年12月19日

つらつらと想い返すに、サンタクロースはトナカイの引くソリに乗って子供たちにクリスマスプレゼントを届けるのだけれど、当時世界中に{どれほどの数の子供がいるのか} とか {空飛ぶソリとは} とか{我が家には煙突が無いのに} とか {僕の欲しい物を何故に知っているのか}とか眠たい目をこすりつつ {今日こそ絶対サンタに会うんだ} とか ぶら下げた靴下のなかにプレゼントが入ってなくても。

なんぼガキでもちょっと考えれば疑問符だらけのクリスマス。

よく「子供に夢を与える・・・・」てな話を聞きますが、夢を語るのは大人であって決して子供は夢なんか語らない。ひたすら現実的なのであります。自分にプレゼントがあるかだけでクリスマスをひたすら待つのです。

そこでお客様は大人ばかりの土居邸ではクリスマスツリーを出します。堀田さんに作っていただいた10羽ほどの木彫りの小鳥がとまっているオブジェに飾り付けをします。

P1000823.JPG

そしてこう呼んでいます。『クリスマストリー』 なんちゃって。

昇る朝日に手をあわせ、仏壇にお供えをして手をあわせ、教会での結婚式、ハロウィンで楽しく大騒ぎ、初詣もお屠蘇もお雑煮も大好き、そして葬儀はお寺さんと決めてるあなたに。

P1000824.1.JPG

Merry Christmas

2013.12.16 …と煙は高いところに昇る

2013年12月16日

自慢にもなんにもなりませんが、自他共に認めるヘビースモーカーでして、長い間の喫煙習慣で煙と共に消えたのは、はたしてお金だけなのか?
とある国ではタバコを吸う御仁の就職率が低いそうな。健康管理能力が著しく低いというのが理由だそうな。

ところが暗闇でタバコを吸ってもちっとも美味くない。煙が見えない。煙と共に心が動かない。ということは、身体には悪いが心には良いということなので続けているのだけれど、世間からの嫌われ者が無理やり理由付けした遠吠えのようにも思いますな。そして、「そんなに吸っていると体にも悪いし・・・・・」と言われる度に、『吸ってばっかりではなく、吐いてもいるんですけど』正当化の言葉はこの程度。

土居邸を借りるにあたり、屋内では禁煙の契約内容に一瞬「借りるのやめようかな」ほんとにそう思ったのであります。そしてお客様には禁煙のお願いをしていますが、「JAZZ と COFFEE と タバコ は普通セットじゃないのかい?」
我が身を振り返り、下を向いて小さな声で『庭でならどうぞ』そして仲良く一緒に燻らすのです。

P1000818.JPG

いつの頃からか携帯用の灰皿とタバコがセットになって店頭に並ぶようになってきました。罪悪感からそれを求めていたのですが、いろんな形があります。いつの日か止めることがあるなら、その時は懐かしく見るつもりです。

P1000816.JPG

おまけ。

P1000817.JPG

郵便局から貰った手紙の重さを量るためのハカリ。はさんであるハガキは5円だったころのハガキ。現在は50円なのですが、たった50円で日本中どこへでも届けてくれる。
これって凄くないかい?

2013.12.01 色も色々

2013年12月1日

土居邸の庭には小さいけれどドウダンツツジが1本だけあります。

春にはすずらんのような白い小さな花をつけますが、秋には見事な紅葉をみせます。「満天星」という印象的な漢字を頂いたことの理由は分かりませんが、結構好かれているんじゃないかと考えます。

P1000800.JPG

漢字は中国から伝来したとされていますが、日本ではこれらを万葉仮名(まんようがな)に、そして平仮名(ひらがな)へと変化させ今に至りますが、独自に作った漢字もあります。有名なところでは 峠(とうげ)や 萩(はぎ)という漢字は日本人の持つ風情が感じられてなかなかよろし。

南北に長い日本列島では、春には桜前線、秋には紅葉前線と長い期間楽しめますが、最近ヨーロッパより紅葉を楽しむ為に来日する観光客が増えているそうな。どうもヨーロッパでは黄色系の落葉樹ばかりだそうで、モミジやカエデのように赤く染まる木々が少ないのが理由らしい。

日本語には、例えば赤についても 深紅(しんく)緋色(ひいろ)火色(ひいろ)茜色(あかねいろ)等々微妙な色の違いを多様な言葉で表現します。もちろん黄色や青、そして緑についても同様で、あの黒にだってかなりの呼び方があるんだぜ。

文化は若者からしか発生しないものですが、最近“超”や“やばい”でほとんどをまかなっているのを聞くと、すごくもったいないような気がするのはただ歳のせいだけではないと思うのであります。日本には美しい言葉がどっさりありまっせ。

満天星(ドウダンツツジ)

2013.11.22 2020 YOKYO

2013年11月22日

先日、2020東京オリンピック開催が決まった時に突然思い出した。

過去には決して戻ることはできないものですが、それでも時々思うことがあります。それは高校時代にだったら戻りたいかなと。それ程楽しかった思い出の深い三年間だったということですな。勉学にいそしんだ覚えがないということは、当然学業のことで教師に褒められた記憶などはあるはずも無く、それなりの高校生活にはそんなもんの結果しかこないものです。

しかし、ところが、何にしろ、どういう訳か、三年間で休んだのはたった一日だけ。東京オリンピック陸上100m決勝をTVで見るためのずる休みの一日だけ。
(ちなみにアメリカの ボブ ヘイズ が 10秒00で優勝しました。)

そして、高校時代においてただ一つの勲章である“皆勤賞”がなくなりましたし、その後も栄光の日は一度たりともありません。

そこで今回は、1964年 の東京オリンピック当時の記念品(?)を紹介します。

P1000787.JPGP1000795.JPG
寄付金を集めるために発売された記念切手。1000円銀貨 と 100円貨
P1000797.JPGP1000796.JPG
オリンピック特集の雑誌

懐かしい筈の品々を見ながら今思うことは、あと7年なんとか生きながらえて人生2回目のオリンピック見物を冥土の土産にしようっと。

2013.11.15 鳥のこと 2題

2013年11月15日

今朝店に来る途中のある風景を見て、何かで読んだことのある記憶に重なった。
外国のことだったか、我が国のことだったかも定かではありませんが、果実を育てている人たちは、実を全部収穫せずにそれぞれの木にいくつか残すそうです。これは鳥達のためにだそうです。

P1000774.JPGP1000772.JPG

古くからのしきたりなのか、恵みのおすそ分けなのか、他に理由があるのかは知りませんが、なんだか暖かい話の一つとしてどこかにしまってあったものが木に残された一個の柿を見て蘇った。鳥たちはこれっぽっちも人間を信用してないので、柿が誰にも食べられずに腐ってゆくかもしれませんが、それでもその景色にはとてもいいものを感じます。

つい最近、土居邸の床の間に新しいものが。

P1000778.JPG

西土佐村にありました樹齢300年以上、その樹が植えられたいきさつ話では樹齢700年ともいわれている幹周り7m余もある日本一のモミの木が倒れ、朽ち果ててゆくその枝が堀田幸生(ほった ゆきお)さんの手で生まれ変わりました。

P1000779.JPG

彼の作品は、捨てられた木、燃やされる木、倒れた場所で誰にも知られず土に戻る木、そんな木々達だけが鳥に姿を変えます。羽を休めている二羽の小鳥もこのモミの木で作ってあります。

古代から現代。時を超えた空間をお楽しみあれ!

2013.11.05 柏レイソル

2013年11月5日

この欄に度々登場していただいている千葉県在住のO氏。高校時代、一番仲の良かったクラスメイトであり、私のギターの師匠でもあります。田舎のおじさんが急用でどうしてもお江戸へ行かにゃならん時は、自宅の一室を快く宿泊施設にしてくださいます。

博徒の世界においては、一宿一飯の恩義は生涯のものとするらしいので、私のように五宿十五飯ともなると未来永劫、ひ孫の代までが仁義となるのです。
ところが幸いなことに、手前堅気渡世人ですので、毎朝O氏ご夫妻のために珈琲を淹れて差し上げることが仁義になっているのでござんす。
おまけに「やっぱり喫茶のマスターだけあって美味しい珈琲だこと」などと奥様より社交辞令いただいた暁には、『気楽な稼業ときたもんだ』と歌いそうになります。

そのO氏のご家族は全員 Jリーグ 柏レイソル の熱狂的大ファンでありまして、贔屓の選手の背番号が入った黄色いジャージを身にまとい、ホームはもちろんアウェイにまで応援に出かけるとのこと。土佐では野球の情報や話題のほうが一般的でありますし、巨人 大鵬 卵焼き 世代のおじさんはサッカーもスポーツニュースで見るくらいだったのです。

P1000770.JPG

ところがO家に滞在中は 柏レイソル 一色の会話。元々体育会系でもあり、門前の小僧なんとやらもあいまって、最近は柏レイソルの勝ち負けやJリーグにも眼を向けだしたのであります。

P1000769.JPGP1000768.JPG

11月2日の土曜日。国立競技場よりO氏からの電話。「ナビスコカップ優勝しそうだぞ~!」あとは歓声で何も聞こえぬままで切れる。
ネットで調べると 柏レイソル 1―0 浦和レッズ で勝利。その晩お祝いの電話をすると、優勝おすそ分け送ったぞの返事。

そして到着したものは、「うさぎや」 の どら焼き と 競技場で配ったナビスコのポテトチップス。そして写真の品々。
もちろん遠く離れた土佐の地で祝餡をあげたのはいうまでもありません。ついでに楽天イーグルスの日本一も祝し、美餡に酔いしれたのであります。

誰かや何かを応援するってえのは結構楽しいもんだぜい。

2013.10.05 カワガラス

2013年10月5日

犬は走っている姿が一番綺麗であるし、嬉しそうに見えます。その伝で言うと、鳥は飛んでいる姿がそのはずです。ところが普段目にするのはスズメや鳩やカラスでして、彼らは比較的団体で生活しているので個々をあまり美しいとは感じません。

やはり鷹のように一羽だけで飛んでいると、孤高な雰囲気がして姿も良く思えます。理由があってそうしているスズメやハトには悪いけれど、群れてはいかんということか。個性も消えるということか。気をつけようっと。

渓流にてアメゴ(アマゴ)を釣っていると、カワガラスをよく見かけます。水中の小さな生き物を探して釣り師と前後します。
こぶりな体と素早い動きは地味な色とあいまって景色に溶け込み、彼らに視線を止めることはあまりありません。まあこちらも一応釣りにいっておりますのでな。

P1000740.JPG

そんなあまり話題にもならぬカワガラスが、絵本のような写真集になりました。和田 剛一(わだ ごういち)さんという鳥達を撮り続けている野鳥写真家の作品です。

P1000741.JPGP1000742.JPG

1985年に発行された彼の初期の写真集『野鳥讃歌』以来の大ファンであるマスターは、和田さんが高知の土佐山へ戻って来られ、アトリエ ファンファン を開いたのを期に会いに行き、現在は親しくさせてもらっています。野鳥だけを追ってこられたプロの写真家から、撮影秘話や生態をつぶさにうかがえる鳥好きマスターのなんたる幸せ。

数少ない発行部数のなか、いただいた『ゆめみるカワガラス』は私の宝物。いつも土居邸に置いてありますが、「カワガラスってどんな鳥?」と聞いて頂ければお見せします。和田さんにうかがった面白い話付きでね

2013.09.22 と も だ ち

2013年9月22日

どう考えても仕事より趣味に重きを置いているとしか思えん男達が私の友人にはたくさんおりまして、休日には県内の城跡を探して藪の中で一日を過ごす0君。
突然マタギ生活を送るために半年ほど自営食堂を閉めた別の0君。こちらもライフル片手に山中深く藪の中。
0という性は藪が好きなのかもしれません。

やたら古い車を手に入れ、直しつつ乗りながらもあちこちで止まってしまい、汗だくになりながら押してるS君。

急にソフトボール審判員の免許を取得、炎天下に一日3試合の球審をしたら気絶しそうになったKさん。

P1000719.JPG

写真のナイフはこのKさんに作ってもらったものです。小さいものは私がデザインしたもの。グリップは鹿の角。
大きい方は映画「ランボー」で シルベスター・スタローン が使っていたナイフを、小ぶりにしつつ使いやすいようにとお願いした物。グリップはマイカルタという血がついても滑らないもの。ブレード(刃)はATS34というとてつもなく硬い鋼材。釘が切れるほどです。

ところが研ぐ段になったら刃がつかず、私の持ってる安物の砥石だけが削れてゆくのです。さて、どうしたもんか。
バカとハサミは何とやらという言葉がありますが、切れないナイフはただの鉄の塊でして例のハサミより役にたたん。ということで土居邸に飾ってあるのです。

2013.09.01 夏の思い出

2013年9月1日

私は夏に生まれたから。という訳ではないのでしょうが、四季の中では夏が「俺の季節じゃんか、背中のソーラーが喜んどる」と例年、山に海に川に遊びほうけていたおじさんも、「今年はちょっと暑すぎる」「水分、睡眠、熱中症」などと口走るようになったこの夏。

結果、長年不動の記録保持者だった山形県を遂に追い越し、日本一暑い場所は高知県 と歴史に名を残しました。南国土佐の看板は守られたのであります。

いろんな分野でのランキングがありますが、我が土佐が上位に位置するのは飲酒運転検挙率や離婚率だとかで、どうだ!と自慢したくなるようなものはすべからく最下位あたりをウロウロしておりました。
そこへ「ヨッ!にっぽんいち~」
ただし今回の日本一は、なんら県民の努力や精進が意味を持つものではなく、唯唯偶然と自然がなした技の結果ではありますが、なんだか誇らしい。
ただし、勉強はできん、スポーツもダメ、忘れ物は多い、よく廊下に立たされる、そんな洟垂れガキ(死語か?)が「あんた寝つきだけはすっごくいいね」と言われているようにも思えるのは気のせいであってほしい。

熱く暑かった8月も最後の最後に雨が降って、水源にも山々の木々にもめぐみとなりましたが、土居邸、夕方のサツキや庭木に水やり日課もここ二日ほどは天におまかせ。
最近知人からお借りしている唐傘の出番がこのところ全くなかったので、これ幸いと庭で広げてみました。

P1000697.JPGP1000696.JPG

『土居邸でエアコンの風には当たりたくない』とおっしゃるお客様達にと用意したウチワ達。

P1000693.JPG

お世話になりました。来年もよろしく。

この後は雨ごとに少しずつ気温が下がってゆくはず。ということで気分だけでも秋にしようではありませんか。

2013.08.21 雑感

2013年8月21日

何か面白いことはねえかなあと思っているところへ私のギターの師匠からメールが届いた。
彼は高校の同級生で、現在は千葉県に居を構えているのですが、私の友人にふさわしく、誰が見てもアホなことに眼を配りつつも、私の喜びそうなCD、読み物、そして甘い物を送ってくれます。
で、そのメール。
主婦が「最近、台所にアリが出て困っているんですけど」と アリ学者に相談しました。アリ学者が答えました。
『足をおろす時には注意してください』
大の虫好きマスターには絶対受けるであろうとの読みは当たり、アリ学者に喝采をおくりました。

{アリと日本人はどこにでもいる}というように、あまり良い印象で語られることのないアリ達ですが、実際の生活態度は申し分なく、地面にしっかりと足をつけて生きているのです。
じゃあ鳥はどうなのかというご指摘にはお答えできません。
というのも、東京のMさんから頂いた世界中の鳥達を展示したところなので。陶器や木彫りの小さなものですが、個性豊かな表情は見ていて飽きません。

P1000692.JPG

都会で暮らす友に何か田舎らしいものをといろいろ考えた結果、最近稲刈りの終わった田んぼに再び見られるようになったこの景色をおくりました。

P1000689.JPG

安上がりじゃ。

2013.07.27 

2013年7月27日

土居邸の庭には カクレミノ と ツゲ の二本の木があります。
何故かこの木たちには鳥が頻繁に訪れます。一年を通してのスズメやヒヨドリはもちろん、冬にはジョウビタキ、春にはメジロ、そして名前のわからぬ鳥達で賑わいます。

ところが夏はセミが鳥の代わりをするのですが、今朝はクマゼミが4匹の団体でいらっしゃいましての大合唱はかなり暑苦しいし、やかましい。

P1000666.JPGP1000667.JPG

P1000669.JPGP1000668.JPG

普段は「夏の音だなあ」と優しく聞いているのですが、狭い厨房で珈琲を淹れるためにお湯を沸かし始める。途端にガスコンロは暖房と化し、クマゼミのシャオシャオはこれに油を注ぐ。汗もつれにて鬼の形相店主は、築125年の涼しげな古商家には似合わん。しかしこれには歴然とした理由があるので、証拠写真をどうぞ。

ここでお断り申しますが、彼らの意思で飛び立つまで私は何もしなかったのであります。

ほんとです。

2013.06.14 レコードが先生

2013年6月14日

大昔のことで定かではないのだけれど、昭和39年頃の話。
私にも確かにあった高校1年生。仲良くなったクラスメイトからギターを教わることになった。
学校と私の自宅の中間にあった彼の家でのレッスン。その場所がなんと新宿歌舞伎町。周りは当時日本一の歓楽街。今は無き新宿コマ劇場が近くにありました。

きらびやかな電飾と喧騒の中、華やかなお姉さん達、黒服、地回り、流しの歌手、酔漢やいかにも怪しげな人たち。詰襟の高校生には絶対似合わん場所でありました。

最初に教えてもらったのが、PPM(ピーター、ポール、& マリー)の「パフ」という曲の伴奏。コードを練習。ギターを弾いたことのある方ならお分かりでしょうが、F というコード。このFが最初の難関。これが音がきれいに出ない。ボコボコいう。何日経っても指先は痛いし、つりそうになるしで普通はここで挫折するのですが、少年はなんとか乗り越えた。

P1000634.JPG

当時高校生のアルバイト日給は750円ほど。LP盤1枚の値段は1800~2000円もする高額商品。
小遣いのほとんどで買ったPPMの『IN THE WIND』レコードから流れてくる3人のハーモニーとギターの音色。アメリカンフォークソングに魅せられた最初でした。
そしてFに対して本気になった少年は学生帽を目深にかぶり、全くよそ見をしないで歓楽街を駆け抜けたのであります。

P1000636.JPG

P1000635.1.JPG

モダンフォークカルテットを知り、キングストントリオやブラザースフォア、ボブ・ディランへ。
聴く音楽がフォークロックからJAZZへと広がっていったのはこの「IN THE WIND」があったからなのです。

写真の3枚はレコードは黒といった状況の中、東芝が赤盤と呼ばれる赤いレコードを発売しました。くしくも私の先生は全員赤盤なのですが、雑誌の付録に付いていたソノシートという廉価版のペラペラした薄いレコードが赤や青や黄色だったのでなんだかがっかりしたのを覚えています。

ところが今見ると赤盤は青春の色としか思えん。50年の歳月は好みの色さえ変えるのであります。

2013.05.11 宝物

2013年5月11日

Twin Soul 土居邸 という喫茶渡世を始めて6年になります。
よくお客様から Twin Soul って名づけた意味を聞かれます。
そこで今日はこの名前にした理由をば。

大昔から人はこの建物を「土居邸」と呼んでおりました。
そういうことならそのまま使うとしても、まるっきりそのままじゃあなんか腹立つので前に何か付けよう。
ということで 『ふたつの魂』。
家主さんには、「あなたと私」ご来店の方には「お客様と店主」なんとも都合のいい言葉があったものですなあ。
お客様が3人とか5人の場合はどうするんかいな?  
話をそらせます。

土居邸には野市(のいち)在住の堀田幸生(ほったゆきお)さんの鳥達が羽を休めておりますLinkIcon土佐に育ったあらゆる木から生み出される彼の鳥の大ファンでありまして、鳥好きマスターとしては願ったり叶ったり。

先日その堀田さんから嬉しい贈り物がありました。私たち夫婦に二羽の箸置きを頂いたのです。

P1000597.JPG
P1000598.JPG

普段、我が家の食卓において箸は茶碗の上だったり、皿の端っこだったりでマナーのかけらもなかったのですが、今は違う。箸は所定の場所ですし、食べ方にもそことなく品が漂うようになったのであります。
「人生は必ずしも役に立つものだけで出来上がっているわけではない」
という有名な言葉がありますが、勇気を出して言えば「この箸置きは違う」


毎年5月の連休に東京から珈琲を飲みにいらっしゃる青年がいます。
休暇が取れれば旅をしているという御仁なのですが、今回は青森に桜を見に行った帰りに寄ってくださいました。そしてこのお土産。数種類の青森りんごをフリーズドライにしたものです。

P1000596.JPG

そして数時間の滞在後とんぼ返りで東京へ。
ただただその数時間の為に土佐へという彼に会えることは、「よくぞ土居邸を始めていたなあ」という嬉しさと、感謝の気持ちがくたびれつつある人生を豊かにさせてくれます。

そして開高健のいう「微笑みが美しくなる」が現実となるのです。

2013.05.03 お天気のいい連休でありますように

2013年5月3日

土佐には「サツキが鰹の時期を知らせる」という言葉があります。
土居邸の庭にあるサツキの花が咲き始めました。
といっても初鰹はひと月も前から店頭に並び、先の言葉は失われた季節感の項目に入れにゃあなるまいて。

P1000595.JPG

世は大型連休とかで恒例の大和民族大移動が始まっており、TVのニュースでは車の行列と行楽地の人、犬、人、人、人。

悲しいことに、サービス業に携わっている者にとってこの時期は稼ぎ時にて連休どころか無休の日々。
やたら楽しげな御一行様を満面の笑みで迎える裏には「世の中銭じゃ。アリとキリギリス話の末路は本当なんだもんね」を心の支えにしているわけです。
そして外で遊ぶが好きな哀れな土居邸店主も「この気持ちのいい五月晴れになんで俺は仕事?」
そこで、花見や紅葉狩りとは長い間縁のないご同輩に。美味そうな柿の若葉と青空。

P1000588.JPGP1000592.JPG

P1000591.JPG

日本で自生しているイチゴは全て食べられますが、味はいろいろ。
黄色の小さな花は アイザック ウォルトン の言う「STUDY TO BE QUIET」を思い起こさせます。

アイザック ウォルトン 英国人 彼の書いた「釣魚大全」という釣り師のバイブルと呼ばれている本の末尾に書いてある言葉。
「穏やかになることを学べ」という意味です。

2013.04.05 映画っていいな!

2013年4月5日

別段これといって理由があるわけではないのだけれど、最近は映画館で映画を見ることがほとんどありません。
十代の終わり頃には食事代まで映画につぎ込んでいたことを思えば、なんという体たらく。映画好きが聞いて呆れる。

そこでどうしてそうなのかを考えてみました。
SFXの技術が格段にあがり、どんな場面でも映像にすることが可能になったのですが、どうも人間を描くより映像が優先される題材を取り上げることが多いのが一つの理由か?

その昔、名優片岡千恵蔵は後ろ姿で悲しみを表現するといわれました。
そしてほとんど自分の作品に映画権や舞台権を与えなかったサルトルが、優れた脚本家と名優の組み合わせならということで実現した舞台があります。
脚本:滝沢修  主演:宇野重吉
世界に先駆けての興行でした。

P1000537.JPG

土居邸でもよくチャーチルに間違えられる写真のおじさんは大ファンであるアルフレッド ヒッチコック。
彼は決して人間を掘り下げては描かなかったのですが、練りに練られた脚本と、すべての場面の絵コンテ(撮影用に描かれた絵)が完成してから撮影に入るという作品は、俳優のなにげない眼の動きにさえストーリー上重要な意味があります。そしてちょっとした小物や背景、カメラの動きにさえ観客の心をざわめかせ、次の場面への期待や恐怖を持たせました。

パンフレットは公開当時のものです。

P1000535.JPG

*007の最高傑作と言われた「007は殺しの番号」
*デビット リーン 監督の「旅情」
この監督は「アラビアのロレンス」や「ライアンの娘」を撮った人。

P1000536.JPG

*「荒野の決闘」ヘンリー フォンダ が名保安官ワイアット アープを演じましたが、彼の長い手足が叙情とユーモア、そして西部における紳士を見事に表現した名作。
*「駅馬車」 ジョン ウェインのデビュー作
馬の疾走する美しく力強い姿が印象的な西部劇のエッセンスだらけの作品。

「荒野の決闘」「駅馬車」共に ジョン フォード監督。

部屋の中では映画が作れなかった時代のものですが、映画とはこうあるべきが其処此処に散りばめられている。
それを探し、見抜き、ほくそ笑み、感動する。そんな映画も楽しおまっせ。

2013.03.08 JAZZ って?

2013年3月8日

好きな音楽は何ですか? と問われると答えに困ります。
土居邸では主に1950年代~1970年代始めまでのモダンジャズを流していますが、釣りに行く時に必ず聞いている曲はバッハの「主よ人の望みの喜びよ」でありますし、よしんば全く釣れなかった時の帰りには「般若心経」を聞きながらでおます。

さすがにAKB48は聴きませんが、ユーミンも松山千春も好きだし、フォークは和洋問わずに50年前からのファンでありますし、ラテン、ボサノバ、カンツオーネ、シャンソン、ポップス、映画音楽、ロック、カントリー、ブルース、クラッシック と音が出てればなんでもよろし。
夕方から雨が降り始め、客足の途絶えた静かな土居邸では ちあきなおみ が流れます。

JAZZに関してはピアノかギターがリードをとっているトリオがことの他お気に入りでして、普段土居邸で流しているのもこれが圧倒的に多いのであります。

その一部を紹介します。

JAZZ_01.jpgギタリスト

JAZZ_02.jpgピアニスト

JAZZ って? という方にお薦めしたい。
何かしながら聴き流しても耳に残る。そんな音楽がJAZZ。

2013.02.11 こんな本 あんな本

2013年2月11日

つねづね昆虫の味方でありたいと思っている為なのか眼の中で虫が飛び始めました。
飛蚊症とやらで、医者が言うのには「ただの老化現象です」目玉に弾力がなくなった挙句シワのようなものができ、本来近視の人はピントが近いためにそれが糸くずや虫のように見えるそうです。

『治りますか?』  
「治りません」
『目の中がいっぱいになったらどうすれば?」
「その時は又来てください」
『治らないのに、なんで?」

それはともかく今回もこんな本ありまっせコーナー。

P1000513.JPG
奥本大三郎 著  「虫屋の落とし文」小学館文庫 760円

著者は専門がフランス文学なのですが、どう見ても昆虫の方が好きとしか思えん。
昆虫学者とは違った視点でいろんな虫たちに注ぐ愛情と文章は、虫嫌いのあなたに違った世界を見せてくれるはず。

P1000506.JPG
百田尚樹 著  「風の中のマリア」講談社  1500円

「永遠の0(ゼロ)」で小説家デビュー。
現在注目の作家であります。
本著はオオスズメバチに人格を与え、生態を生活に転換した『どうすればこんな発想に至るのか?』との読み物。
年間の死亡者がマムシに噛まれてよりも多いオオスズメバチ。この危険極まりない蜂が、胸を締め付けられるほど可愛く思える。過去に蜂に刺されたことのある人にはおすすめしません。

P1000511.JPG
リチャード プローンネク 著  「吉川竣二 訳
「独りだけの ウイルダーネス (アラスカ 森の生活)」東京創元社  2900円

50歳を過ぎた極々普通のおじさんが、極寒のアラスカで小屋を建てることから始まり、あらゆるすべての手作業や、
熊を含めた動物や植物、そして移り変わる自然を日記にしるしたものです。
こんな生活とは縁遠い我が身ではありますが、ページをめくるたびに文明とは如何につまらないものであるかを心の芯に問いかけられた。そんな一冊です。

P1000512.JPG
開高 健 著  「生物としての生物」集英社 1800円

開高 健 の残した言葉には大人がニヤッとしたあとフムフム。そしてフフフフ、最後にホホウとなるようなものが多く、彼の文章の大ファンなのでありますが、これは彼の生活の中で身の回りに同行者として存在したものを、一点一点滝野晴夫の挿絵付きで命を吹き込んだエッセイです。
彼の言葉に「物に執着がもてないと人生が浅くなる」という言葉がありますが、この本が棚に一冊あればちょっとは深まるかもしれません。

今回は明らかに偏った読書習慣のマスターがお薦めした本達です。

2013.02.01 あんなこと こんなこと

2013年2月1日

元禄15年12月14日は赤穂浪士が討ち入りをした日になっていますが、これは旧暦を新暦にあてていっているだけで、本当の討ち入りの日は1月30日なのであります。

日本人は年末には特別の感情を持っているようで、暮れも押し詰まった師走の一日にしたほうが、なんだかけじめの
ような気がするもの。ということで映画もTVドラマも12月に討ち入っています。

以前、高輪の泉岳寺へ四十七士の墓参りに行ったのですが、吉良上野介の首を洗った井戸があります。
そしてその首を浅野内匠頭の墓前に祀ったそうです。浪士たちは討ち入り後、何カ所かに分かれて預けられ切腹したのですが、預けられたグループごとに墓石が並んでいます。

300年経った今でも線香が絶えることのない様子は、善悪や是非はともかく、死を賭して歩んだ彼らの生き様が日本人の琴線に触れるということか。

私も含めたおじさん達の子供の頃は、チャンバラごっこがメインの遊びでありまして、猿飛佐助や怪傑黒頭巾が憧れる対象でして、ガンダムや仮面ライダーは想像すらできない時代。

そんなおじさんが、やっぱり俺はおじさんだったんだを自覚する川柳が昨年の12月24日付の高知新聞に載っておりました。それをご紹介します。

* 誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ
* 湯加減を しょっちゅう聞くな わしゃ無事だ
* 恋かなと 思っていたら 不整脈 
* 万歩計 半分以上 探し物
* 改札を 通れずよく見りゃ 診察券

笑ったあとにしみじみとした悲哀を感じるお年頃になったということか。

2013.01.24 250羽ほどの鳥たちが舞い降りました

2013年1月24日

昨夏ころに来店して下さった東京のMさん。
高知には建築物を見にこられたのですが、最後に土居邸をということでした。

おしゃべりマスターのふと漏らした「鳥好き人生」という言葉を心に留めてくださり、昨年より何回かに分けて集めてらした世界中の鳥達をくださいました。

今日のお目見えはその中のフクロウたちです。
本来夜行性であるフクロウですが、やはり土佐の日差しを一回は体験せねば、この後土居邸で生息するにあたって暮らしにくかろうとの親心。
さすがに真夏の太陽はちょっとネということで本日。

P1000488.JPG

日本では鳥の大きさを言う時に三種類の鳥を基本にします。
それは、スズメ、ハト、カラス です。
即ち、スズメよりちょっと大きい。
   ハトよりやや小さい。
   カラスと同じくらい。
こんな言葉で説明します。

それはともかく、
フクロウは羽音を立てずに飛ぶことのできる猛禽類ですが、一方なんだか賢こげな顔と、人間と同じ顔の前面に位置する大きな眼を持つこの鳥は、目撃されることが少ないにもかかわらず親しまれています。
その他にも何十種類もの鳥達がいます。

どのように見ていただくかは検討中なのでお楽しみに!

2012.12.24 ミニコンサート

2012年12月24日

隠れ脳梗塞予防にと始めた3人オヤジバンドに、若き女性がボーカリストとして参加。そして4年になります。

普段、うら若き女性と趣味を一緒にするなどということはありませんので、おじさん達は週一回の練習を心待ちにし、あーだのこーだの言いながら、それでもオリジナルを含め7曲ほどのレパートリーになりましたので、昨日本邦初のミニコンサートを土居邸にて開催しました。

P1000427.JPG

といっても16人の聴衆は家族+友達だけでして、「ラスク付き珈琲をご馳走しますので是非おいで下さい」という自信にあふれたコンサートなのであります。「あっ!間違えた。もう一回やります」がまかり通るのです。

P1000433.JPGspace.jpgP1000416.JPG

しかし彼らはあくまで優しく、なんとアンコールの拍手を頂いたのでのでありますが、持ち歌は全部演奏してしまったので『もう一度聞きたい曲はどれですか?』に大爆笑。

それでも町民運動会でよたよた走り、頑張れ拍手しか経験のないおじさん達はちょっぴり嬉しかったのです。
そして昨晩の後片付けに今朝集まって言うことにゃ「もし、紅白に出場することになったらお揃いの派手な老眼鏡をしようぜ」

やはりコミックバンドとしてしか生きる道はねえな。

  ボーカル&パーカッション Nさん
  リードギター       U君
  ベース          S君
  サイドギター&ボーカル  店主

P1000415.JPGspace.jpgP1000435.JPG

いつの日か、東京ドームでを夢見て。 なんちゃって。

2012.12.23 メリークリスマス

2012年12月23日

普段土居邸では私の好きな1950年代、60年代のJAZZをBGMとしておりますが、何を隠そう、別に隠すほどのことではないのだけれど、クリスマスソングは好きなのであります。

教会の前で立ち止まることもないし、聖書は表紙だけしか見たことないし、全く魚が釣れない時も「神様お願い」とは言わずに、「天気はいい、潮は大潮、餌は最高、腕は一流、なのに今日はどうして?」「ははあ、これは魚が悪いんだな!」

こんな罰当たりおじさんがたった一枚だけ持っておりますクリスマスソングは小林 桂 の ワンダーランド というCD。ジャズボーカリストの彼が、代表される名曲たちを柔らかく歌っています。

danro.gif

華やかなイルミネーションの中で、山下達郎やユーミン、そしてワムのクリスマスソングもそりゃあいいけれど、部屋を暗くしてお茶をすすりつつ、火を見つめながらの『 Kei sibgs X'mas 』もいいもんですぞ。

皆様に神のご加護を!

2012.12.04 わびさびの庭 と ほろ苦いコーヒー

2012年12月4日

先日、土居邸開店以来のお客様であるFさんがイタリア人の青年同伴で来店して下さって一言。
「彼が日本へ来て最初に行った所はど~こだ?」 『???』
答えは「豊臣秀吉のお墓」

イタリア青年の口から 石田三成 や 淀君 の名がスラスラ出てくる。
『日本へ来て長いのですか?』の質問に、「4ヶ月になります」これすべて日本語ですぞ。

我が身を振り返って、『俺はいったい学校で何年英語を習ったのか』10年やっていまだ This is a pen か。
初対面のアメリカ人に突然 This is a pen これは殴られてもしょうがないな。
はたしてこの国の教育が悪いのか、俺がアホなのかは評価の分かれるところですが。

評価は分かれません。
大貧民だった学生時分、シケモクを捨てずにバラして集めておき、英語の辞書を破っては紙巻タバコを作っていたバチはちゃんとあたっているのであります。

継続しているのは喫煙だけか。そしてお気に入りのフリースは穴だらけなのであります。

気を取り直して庭を見れば、ドウダンツツジが色づきこの小さい世界が宇宙をあらわしている。
日本人の感性ここにあり。本当に日本人でよかった。

P1000402.JPG

ところが、ここでイタリア青年遠い眼をして曰く、「わびさび」とは?
この日、いつもよりコーヒーが苦く感じるのは気のせいか。

2012.11.06 おっさん寒さがこたえるのこと

2012年11月6日

急に朝晩の冷え込みが予想を上回り、身体が適応しない。
土居邸での朝の掃除に使うバケツの水が冷たい。といって今からお湯ではハードボイルドが泣くってもんだぜ。

ハードボイルドの定義とは、どうしようもない絶望的な状況を、ただただ心意気だけで乗り切ること。
そういうことらしいので極寒の時期ならいざ知らず、今の時期ではハードボイルドでもなんでもないのだけれど、ちょっと言ってみました。

そんなところへ高知市内で美容院をしているT君が来店。
彼は先日ハワイでの自転車レースに参加していたのですが、なんとお土産を持ってきてくれました。
それが常夏の国ハワイの香り、『LION COFFEE』なのであります。

P1000380.JPG

寒さに震えていたマスターにとっては何よりの嬉しさ。

そこで雰囲気だけでも温もろうとしました。
ちょっと空々しいか!

P1000381.JPG

2012.10.21 秋を実感

2012年10月21日

昨晩の自宅でのこと。午前0時ころに外で怪しい音がした。
懐中電灯を持って怖々出てみるが何もなし。
1時間ほどして又もや大きな音。
「これは狸かハクビシンでも来てるな」と出たところへゴトン。
『正体見たり枯れ尾花』は隣の畑の柿が我が家の物置のトタン屋根に落ちる音。
想像は現実よりもはるかに怪しくなるとしたものなのであります。

昨年は裏年とやらであまり実を付けなかった柿も今年はたわわ、たわわ。
音の主を写真に撮れば美味しそうですが、これが渋柿。

P1000361.JPG

渋柿とて木で完熟すればとてつもなく甘くなるのですが、どうも鳥たちはそのことを知らないようで誰も食べに来ません。

そして昨晩のことをお客様の誰かに話したくてウズウズしている時に限ってM君がシーズーのアイちゃんを連れてきた。

P1000337.JPG

そして庭にはこれまた話相手にはならないバッタ。

P1000355.JPG

こんな時はこんなもんかが現実で、ひたすら具体的なのであります。

2012.10.16 虫の音を聞きながら

2012年10月16日

土居邸には極々小さいながら日本庭園風の庭があります。
街の真ん中にあるにもかかわらず、夕暮れともなるとコオロギの鳴き声が風情となってなかなかいいものであります。

P1000359.JPG

ものの本によるとドイツでは、鳴く虫のことはひとくくりにグリレと呼ぶのだそうです。
スズムシ、マツムシ、クツワムシ、コオロギ、カネタタキたちがヨーロッパに生息しているかは定かではありませんが、それぞれの鳴き声を聞き分けられずに騒音(?)のように聞こえるそうです。

彼らはどうも右脳で聞いてるらしく、日本人のように左脳で聞くとこれを音の季節感と捉えられる。
言語の違いなどがそうさせるのかは分かりませんが、つくづく日本人でよかったなあと思います。

天高く馬もおじさんも肥える秋、減量中の皆様はくれぐれもお気をつけなすって。

2012.10.02 おすすめ

2012年10月2日

世の中には知らないこと、初めて聞くこと、考えもしなかったことごとが大量に存在する。そんなものに偶然出くわした時には、己の無知が是非や優劣、必要か不必要やらを的確に判断できず、『それがどうした』といったはなはだ恥ずかしい結論で締めくくる。ところが、これが活字になるとちょっと違ってくるのですな。『ん?』と思う場面や場所では、読み返したり考えたりする時間があるので、ちょっとは核心に近寄れたりする。
ということで今回私のお気に入りの本を紹介します。

P1000331.JPG
■小学館 西岡常一 著 「木に学べ」

法隆寺の宮大工として飛鳥時代の建築様式や修理のこと、当時の匠の知恵や技術、また道具などを語ることが、現代の日本人が失っていったものがどんなに大切であったかを考えさせられます。
そして西岡棟梁にはいったいどれほどのものが内臓されているのか。作者の内なるものがこれほど行間にあふれている読み物は少ない。

P1000336.JPG
■山と渓谷社 佐瀬稔 遺稿集 「残された山靴」

ノンフィクションやルポルタージュに多大な足跡を残した佐瀬稔が、志なかばで逝った8人の登山家をとりあげ、「なぜやまに登るのか」といった永遠の問いに、敬意と深い理解をもって答えようとしたノンフィクションです。

ぬるま湯にどっぷりつかって日々を暮しているマスターの心をざわめかせた2冊でありますので、あまりにぬるくなっちまってお風呂から出られなくなっているあなたにお薦めする次第です。

2012.09.13 別冊の増刊「寝苦しい夜の過ごし方」

2012年9月13日

北極圏の夏は一日中陽が沈まないということですが、母親は子供になんて言うんだろう?
「日が暮れる前に帰ってきなさいよ」 まさかこうは言わんだろうな。

そして土佐は日によっては朝晩涼しく感じられ、秋が少しずつ近寄って来る気配。
ところがいまだ日中は34度を超える地域もあるようで、立秋から40日も過ぎてなおこの気温。

2007年より気温が35度を超えると「猛暑」とよぶようになったのですが、それでは明らかにてぬるい。
そこで38度を超えると「熱いで暑」
40度より「だめで暑」
42度からは「死ぬで暑」
そういう風にしたらいかがなものかと。

それはさておき、前回の土居邸便りで店に生息(?)している生き物たちを紹介いたしましたが、図に乗って今回第2弾をお届けいたしましょう。

寝苦しく眠れない夜を過ごされている方に、馬は立ったままで眠り、蝙蝠はぶら下がったっままで眠り、マグロは泳ぎながら眠り、マンボウは浮いたまま眠るということをご報告いたします。

「それがどうした!」

そんなことおっしゃられても…。

animal2.jpg

P1000318.JPG

2012.09.09 別冊「頭は動物愛護でも 舌は言う事きかん」

2012年9月9日

つねづね、鳥に小動物、そして昆虫たちの味方でありたいと思っています。

しかしながら焼き鳥はことのほか好きだし、ステーキは美味いし、ベーコンを作ったりもするので「おっさん、口だけは綺麗事じゃねえか」のご批判は甘んじてお受けいたします。

そしてますます立場を悪くする状況になるのですが、ここに魚が入ってないのはヘボながら釣り師の人生をも歩んでいるためであります。

だんだん恥ずかしくなってきましたが、じじい特有の得手勝手耳になおも蓋をして、『私は彼らのお友達なんだもんね』態度を前面に押し出して続けます。

土居邸には、野市町在住の堀田幸生氏による「木から生まれた小鳥たち」がそこらじゅうで羽を休めていますが、その他にもこんな生き物たちがおります。

それぞれにちょっとした面白い隠れ話がありますが、それは又の機会にお伝えするとして本日は一部をご紹介致します。

animal.jpg

P1000309.JPG

2012.09.08 昭和の香り

2012年9月8日

土居邸のお客様の中に「昭和のいろいろ」を収集している T君がいます。
その彼が昼過ぎに『インク瓶手にいれた!』と満面の笑みで来店。

T君曰く、某文房具屋さんが廃業するとかで交渉の結果入手したそうな。

かくいう私も以前、本屋 兼 文房具屋 渡世をしておりましたので早速拝見したところ、見たこともない、そして聞いたこともないメーカーのインク瓶が箱の中。

少なくとも昭和30年以前の物であることは間違いなく、数十年の時間がホコリや汚れとともにそこに存在しているのであります。

ボールペンはまだ無い頃、万年筆はとっても高価な頃、ペン軸にペン先を差込みインク瓶のインクをつけながら手紙をしたためていた、そんな時代に机の上には必ずこれがあったものです。

彼の20年にも及ぶ昭和探しは膨大なコレクションとなっていますが、人の褌で相撲を取るのがなにより得意なマスターが本日恐る恐る土居邸にての展示を打診してみたところ、快諾してくださいました。

少しづつお目見えの予定になりそうです。

かのインク瓶も汚れを落とした姿で皆様の前へ並びましょうぞ!

お楽しみに。

P1000295.JPG

P1000297.JPG

2012.08.24 庭の住人

2012年8月24日

土居邸の庭にはトカゲが五匹住み着いております。写真はその中の一匹ですが、どう見ても日向ぼっこをしているとしか思えない。真夏に日向ぼっこというのも変ですが、カメラを近づけてもこちらを「ん?」と見るだけで逃げようとしない。

ははあ、そういえば昨晩は雨も降ったし、何故か涼しかったので、どうも体温がかなり下がっていたんだな。
変温動物の中でもトカゲは体温の上下が著しく、20度以下になると餌も取らずねぐらで陽の出るのをじっと待つ。
そして40度を越えると命にかかわる。のんびり日向ぼっこをしていたのではなく、陽の光を浴びて体温の上昇を待っていたのであります。

人間以外の生き物の行動に人間の習慣を当てはめて考えると大きな過ちをおかすものです。
彼(?)は逃げたくても逃げられなかったのですな。

北ヨーロッパにおいて一番の贅沢とはこの「日向ぼっこ」だといわれていますが、日照時間の短い東欧では夏ともなれば公園などで日光浴をする人たちがかなりいます。

かくいう日本でも、夏はともかく冬には日向ぼっこがいろんなコミュニケーションの場としてありました。皆が同じ方角を向いて眼を細め、なんだかほのぼのと幸せそうな顔をしてたものです。

最近はその恩恵を受けているものといえば、洗濯物と布団とまな板だけか!

爬虫類の嫌いな人は今回ごめんなさい。

P1000262.JPG

2012.08.04 オリンピック臨時増刊

2012年8月4日

ロンドン五輪の柔道競技が終わって、男子は金メダルが一個も取れなかったとマスコミは大騒ぎ。この大騒ぎをしている連中は多分スポーツとは無縁だった輩に違いない。

四位というのは世界で四番目ということだぜ。
七位というのは世界で七番目ということだぜ。

これがどれほど凄いことなのか、全然分かっておりませんな。
金は出してもらえず、設備は整えてもらえず、劣悪環境の中で血を吐くほどの練習や鍛錬にはそっぽを向かれ、メダルを取れなかったこと、取れたことだけで時間を埋められる。
そして五輪が済んでしまえば、金メダリストだろうと、銀メダリストだろうと知らん顔。

冒険家の植村直己がマッキンレーで消息を絶った時も、日本ではほんの小さい扱い。
外国の記者たちがいうのには「我が国では国葬レベルの扱いをします」
こうでなくっちゃ!

日本には 「道」のついたものがいくつかありますが、すべて非常に精神性を重要視します。柔道だってそのとおりで、心技体の上にたった組手と技が勝敗を決める。ところが小さなポイント制の積み重ねで勝ったり負けたり。
これは 柔道 ではなく ジュードー であります。

日本の選手たちが 柔道 をしようとして敗れ去る姿は日本人の誇りであります。

彼らの潰れた耳を見ながら心より拍手を送ります。

上記は栄光のメダリストたちに決して水を差すものではありません。

念のため。

2012.08.01 がんばれニッポン

2012年8月1日

くたびれた身体はともかく、脳だけは体育会系を自認しておればですぞ、日の丸背負って異国の地で戦っている同胞をば応援せにゃなるまいて。

ということで、丑三つ時にもかかわらずリモコン片手にTVの前で眼を輝かせ、あっちの柔道、こっちの水泳と、一喜一憂するおじさんは睡眠不足の毎日です。

その代わりといっちゃなんですが、暇な店で仮眠を摂るとしよう。

オリンピック中のことですが、もし店主よだれくって寝たこけていれば、耳元で「金メダル」とでも囁いてくださいませ。
笑いながら眼を覚ますに違いない。

がんばっている彼らを見ていると、本来のオリンピック精神たる{心はアマチュア 腕はプロ}がひしひしと伝わってきます。

そしておじさんの濁った眼は澄み渡るのであります。

2012.07.29 これな〜んだ

2012年7月29日

photo_1.jpg■■photo_2.jpg

何もかもが手作りの時代には石臼は最先端の器具か?
そして形状から液体を取るものかもしれません。

今は無いけど庭に作ってあった小さい門の基礎はこんな形。

どちらも100年以上前のものらしい。

2012.07.24 笑ってタイムアップを待つ

2012年7月24日

いつの頃からか、一日が、一週間が、一ヶ月が、そして一年があっという間に過ぎ去り、ただただ馬齢を重ねる日々に焦りながらの数年単位が消えていった。

子供の頃の一週間先は永遠のかなたであったのに。
まあ駄馬なればそんなもんですが、昨年その理由が分かったのであります。

訳あって通った東京の高校の同級生、親友でありギターの師匠でもあるO氏と、これも訳あって34年ぶりに再会することになったのですが、その日が決まっての10日間は時の経つのが遅いこと進まぬこと。

そうか! 毎日が慣れた仕事や生活では期待を抱いて待つことが全くないんだ。
さすれば感動だってあるはずもないわなあ。

「賢者は海を愛し、聖者は山を愛す」 の言葉に後押しされながら自然の中で遊んできたことさえただの日常だったのか。

ニーチェが言っている。
『男が熱中できるのは、遊びと危機だけだ』

そこでおじさんはここに宣言します。
時間がどのくらい残っているかは定かではないけど、ず~っと笑って暮らすんだもんね。

ということで今日も空を見上げているところです。

2012.07.06 パソコンが死んだ

2012年7月6日

土佐では梅雨のことを 「ながせ」 と呼びますが、このながせに入ってからパソコンの体調がかんばしくなく、『ちゃんと動かんと捨てるぞ』の脅しにもかかわらず突然死んだ。

全身これアナログじじいは慌てふためき、なだめたり、すかしたり。

 『ゴメン言いすぎた、俺が悪かった』
  「・・・・・・・・・・・・・」
 『頼む息をして、二度と捨てるなんて言わないから』
  「・・・・・・・・・・・・・」

青い顔と震える指でデジタル若い衆に電話。
『パソコン死んだ。大至急来てくれ』

デジタル若い衆 : 私のパソコンを立ち上げ、使い方の師匠であり整備士でもある近所の45歳。

半日にも及ぶ大手術の結果復活しましたんですが、大事(?)なデータすべて消失。
じじいにとってはメールをすることだけが唯一のできる操作なのに、メールアドレスも全部消えた。

メル友に電話をかけて状況を説明するのですが、相手の顔が笑っているのがありありと分かるのであります。
そして「なんともパソコンが可哀想」そう思っているのが分かるのであります。
「宝の持ち腐れ」と言いたいのも分かるのであります。

しかし彼らはみんなほんとに優しかった。何も言わずにただ「分かった」と。その後順次入ってくる彼らのメールアドレスを手帳に書き写しながら、ちょっぴり安心しているところです。

こうして始まった7月もず~っと雨模様。
雨の大嫌いなじじいはカビもつれにて腐りそうです。

2012.01.23 ジョウビタキのお嬢さん

2012年1月23日

南国土佐も今日は寒風吹きすさび、おじさんはストーブの前で縮こまっております。

今朝、土居邸の庭にジョウビタキの雌が飛来、人を恐れず長い時間くつろいでおりました。
冬鳥(越冬のため日本に冬渡って来る鳥)であるこの鳥の雄はよく見かけますが、雌の姿を見たのは2回目になります。近距離でじっくりと観察できました。

閑古鳥は普段見慣れております故、雌雄を間違えようがないのですが、鳥類はおおむね雌が慎ましやかな目立たない色をしており、どの種類の雌かの判別が難しい。

しかし、このジョウビタキのお嬢さん?は、全体がメジロのようなうぐいす色。そして羽に白いワンポイントがあるので比較的わかりやすいのであります。

本日のお試し珈琲を飲みながら美人を眺めている図は、ゆるゆるぐだぐだマスターに絶対似合っているに違いない。
おじさんはそう思うんじゃ。

2011.12.23 ナース & パンパース

2011年12月23日

今日は寒いながらも上天気でして、祭日と相まって千客万来をもくろみ、気合入れての開店だったのですが、師走だというのに街は静かで人通りもなく、年々歳末の雰囲気が無くなりつつあります。

二客三来が広辞苑に載るのも時間の問題でしょう。

実は(これを み と読んではいけません)現在おやじバンドを結成して土曜日の夜に練習しています。
サイドギター&ボーカル:Ino 63歳(左手小指、ドアにはさんで欠落。手術によりつながった、が・・・。)
リードギター:Ume 58歳(左手人差し指、事故にて第一関節より先が無し。)
ベース:So 61歳(左手が機械に挟まれて不調。)

付けた名前が、リハビリテーションズ。
そこへ私の姪がボーカルとして参加、28歳。

悪友たちは
 「彼女は介護に来てくれるのか?」
 「バンド名を変えろ。ナース&パンパースにしろ!」
その名だと老人ホーム慰問しかないではないか。

春頃、友達を呼んでミニコンサートの予定。なにせ5曲しかレパートリーがない。そして、
 『みなさんコーヒー飲ませるから聴きに来てください。』に、
 「ケーキも付けるなら行ってやってもいいぞ。」とのご返事。

そんなレベルのバンドではあります。
恥ずかしながら結成のきっかけは、隠れ脳梗塞の予防だったのであります。
そして、「今日は老眼鏡忘れたからなんも見えん。」 「すまん歌詞忘れた。」 「指が痛い。」
結果、練習ははかどらず夜だけが更けてゆく。

でもなんだか楽しいのです。

では。

2011.某日 土居邸開店にあたって考えたこと

こうして始まった Twin-Soul-d-Doi

昭和の時代にはサロンと呼ばれた集まり空間があちこちにありました。
それは喫茶店だったり、バーだったり、個人宅だったりしました。
喫茶 『TWIN SOUL 土居邸』 を開くにあたって、もしできればここがそんな場所になれば嬉しいのになあ、という夢を持ちました。 そこで

  コンセプト  : ゆるゆる ぐだぐだ
  経営方針   ; お客様のことは考えない
  店主座右の銘 : 三つの真実よりも 一つのきれいな嘘

これを旨として開店以来もうすぐ6年になろうとしています。
少しずつではありますが、お客様に支えられて夢に向かって進んでいます。
こんな幸せなことはありません。